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【物語は鮮やかに縁は儚く】10話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 病院のベッドで眠る(ふりをする)青梨(チンリー)の傍らで、依依(イーイー)は「奥様に仕返しされたら怖い」と泣き落とし、夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)は依依とお腹の子を守ると誓いました。
  • 依依は寒洲を「あなた」と呼びキスをし、寒洲も「小悪魔め」と応じます。青梨はすべてを聞き、シーツを握りしめ怒りに震えます。
  • 目覚めた青梨は寒洲に「沈依依を訴える」と宣戦布告します。
  • 寒洲が「彼女は君を傷つけてない」と依依をかばうと、青梨はついに感情を爆発させました。
  • 青梨は「私は死にかけたのよ!」「私を愛してると言うけど…でもなぜあの時 私を助けなかったの?」と、絶望的な叫びをぶつけ、寒洲は言葉を失いました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、ついに感情を爆発させた青梨から、「なぜ私を助けなかったのか」という魂の問いを突き付けられた寒洲。 第10話は、その問いに対する、彼のあまりにも身勝手な「言い訳」から始まります。 そして、寒洲がそこまで依依に固執する衝撃の理由と、絶望の底にいる青梨に訪れた、信じがたい「奇跡」が描かれます。

夫の身勝手な言い訳「助けたかったのは君だ」

青梨の悲痛な叫びに、言葉を失っていた寒洲。 彼は、ようやく口を開き、青梨の手を取って弁明を始めます。 「あの時は混乱していて… 青梨、助けたかったのは君だ。本当だ」 彼は「俺が悪かった」「今回だけ許してくれ」「絶対に君を最優先する」と、必死に許しを請いました。

しかし、その言葉が本心でないことは、すぐに明らかになります。 彼は、安堵したようにこう付け加えたのです。 「でも幸い 安安は無事だった」 「大事な子供だ。安安に何かあったら 君はきっと悲しむ」

これは、謝罪などではありません。 彼は「安安を助けた自分の行動は、結果的に青梨のためでもあった」と、自分の行動を正当化しようとしたのです。 青梨の怪我よりも、安安の無事を優先したという事実を、巧妙にすり替えようとしました。 当然、青梨は「そんな話は聞きたくない!」と、彼のごまかしを拒絶します。

暴かれた嘘「沈依依を訴える」

感情的な訴えでは無駄だと悟った青梨は、冷静に、しかし決定的な「罠」を仕掛けます。 「一つだけ聞くわ」 「もし私と沈依依の どっちかを選ぶなら、どっちを選ぶ?」

この究極の質問に対し、寒洲は微笑みながら即答しました。 「ハニー。変なこと考えるな。もちろん君を選ぶ。俺が愛する人は君だけだ」

青梨は、その言葉を待っていました。 彼女は冷たく言い放ちます。 「ならいいわ、 今すぐ警察を呼んで。沈依依を訴える」

一瞬にして、寒洲の表情が凍りつきます。 「彼女は何もしてない!」 さっきまで「君だけを選ぶ」と言った舌の根も乾かぬうちに、彼は依依をかばう言葉を叫びました。 さらに「もし彼女が 安安を助けなかったら 安安はきっと…」と、意味の通らない言い訳まで始めます。

青梨は、涙を流しながら、彼の本心を知ります。 「できないのね?」 寒洲は、何も言い返せません。 「出てって!」 青梨の激しい拒絶。 「あなたは最低よ! 出てって!」 青梨は、裏切られたすべての思いを込めて、寒洲の頬を強く平手打ちしました。

しかし、寒洲は自分の非を認めません。 彼は「今の君は情緒不安定だ。 一度家に帰ってスープを作ってくる。休んでて」と、一方的に言い残し、病室から逃げ出してしまいました。 一人残された青梨は、ベッドで泣き崩れるしかありませんでした。

寒洲の衝撃の告白「依依は俺の命の恩人だ」

場面は変わり、病院の廊下。 寒洲が立っていると、一人の部下らしき男性が近づき、彼を諌めます。 「陸社長。沈秘書はやりすぎです」 「わざとでなくても 奥様はケガしたのです。彼女を罰するべきです」

部下の真っ当な進言に対し、寒洲は厳しい表情で、衝撃の事実を告白しました。 「依依は俺の命の恩人だ」 「俺の子を身ごもっている。この件は これで終わりだ」

これこそが、彼が依依を決して見捨てない、最大の理由でした。 彼は、過去の事故で依依に命を救われたという「恩」によって、依依に縛り付けられていたのです。 しかし、この話には裏がありそうです。 部下は、寒洲が立ち去った後、心の中でつぶやきます。 (陸社長が事故に遭った時、本当に沈依依が突き飛ばしたのか? 調べないと) 寒洲が信じている「依依の恩」そのものが、依依によって仕組まれた「嘘」である可能性が浮上しました。

絶望の底に訪れた、信じがたい「奇跡」

再び病室。 夫に逃げられ、一人で絶望に沈む青梨。 彼女は、体の不調を感じ、医師を呼びます。 「先生。胃がムカムカして 気分が悪いんです。病気でしょうか?」

医師は、手元のカルテを見ながら、淡々と検査結果を告げました。 それは、青梨の全てを、そして物語の全てを覆す、信じがたい一言でした。

「ご懐妊です」

驚きと戸惑いの表情を浮かべる青梨。 彼女は、第2話で「子供を産めない体になって」と語られていたはずです。 医師から差し出されたエコー写真の検査結果を、彼女はただ呆然と受け取りました。 夫の全てを失ったまさにその瞬間に、彼女の体に新しい命が宿っていたのです。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第10話を読んだ感想(ネタバレあり)

第10話、怒涛の展開すぎて、感情が追いつきません。 まず、寒洲のあまりのクズっぷりには、もはや感心を通り越して恐怖を覚えます。 「助けたかったのは君だ」と泣き落としをかけた直後に「でも安安が無事でよかった(君もそう思うだろ?)」と正当化する流れ、完璧なDV加害者の論理です。

青梨の「私と依依、どっちを選ぶ?」という質問からの「じゃあ依依を訴えて」という流れは、見事な「詰み」でした。 あれで、寒洲の「愛してる」が、いかに薄っぺらい嘘であるかを完璧に証明しましたね。 そして、平手打ち! よくやりました! それに対する寒洲の「君は情緒不安定だ」という返答。 これこそがガスライティング(精神的虐待)です。 彼は、自分が青梨を極限まで追い詰めたという自覚が一切ありません。

そして、衝撃の事実が二つ。 一つは、寒洲が「依依は命の恩人だ」と信じ込んでいること。 私たちは、第2話で「青梨が寒洲をかばって事故に遭い、子供を産めない体に」なったことを知っています。 十中八九、依依は青梨の功績を横取りして、寒洲に恩を売っているのでしょう。 部下の男性が気づいてくれたのが、唯一の希望です。

最大の問題は、ラスト。 青梨の、妊娠。 ええ!? 「子供を産めない体」だったのでは!? あれは嘘だったのか、奇跡が起きたのか、それともあの時の診断自体が、また誰かの陰謀だったのか…。 絶望のどん底で、最も望んでいたはずの「自分の子供」を、最も憎むべき男との間に授かる。 これ以上ないほど皮肉で、ドラマチックな展開です。 彼女はこの「命」をどうするのでしょうか。 物語が根底から覆る、とんでもない引きでした。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第10話のネタバレまとめ

  • 寒洲は「助けたかったのは君だ」と謝罪しつつも、「安安が無事でよかった(君も悲しむから)」と自分の行動を正当化します。
  • 青梨が「私と依依どっちを選ぶ?」と問い詰め、寒洲が「君だ」と答えたため、「じゃあ依依を訴えて」と切り返すと、寒洲は「彼女は何もしてない」と即座に拒否します。
  • 逆上した青梨は寒洲を平手打ちし「出てって!」と叫び、寒洲は「君は情緒不安定だ」と言い残し去っていきます。
  • 寒洲は、依依を罰しない理由を「彼女は俺の命の恩人だ」からだと部下に明かしますが、部下はその事実に疑問を持ちます。
  • 一人残された青梨は、体調不良を訴え診察を受け、医師から「ご懐妊です」と告げられます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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