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【物語は鮮やかに縁は儚く】9話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)は青梨(チンリー)を心配し帰ろうとしますが、娘・安安(アンアン)が「青梨ママへのサプライズが台無しになる」と引き留め、寒洲は帰宅を断念しました。
  • 寒洲は、青梨との過去の写真を見て「会いたい」「白髪になるまで一緒にいよう」とつぶやき、二重生活を続ける意志を見せます。
  • 記念日当日、青梨は寒洲の連絡先名を「夫」からフルネームに変更し、受け取ったバラの花束をソファに投げ捨て、決別を態度で示しました。
  • 寒洲はサプライズ会場「愛の博物館」で「100通目のラブレター」を青梨に贈り、キスをしようとします。
  • その瞬間、青梨のスマホに「アカウント削除完了」の通知が届き、青梨は寒洲のキスを冷たく拒否します。
  • 同じ頃、本妻の沈依依(シェン・イーイー)が安安の手を引き、不敵な笑みを浮かべて会場に向かっていました。
  • (※第7話・第8話の情報を統合した最新のおさらいです)
  • 会場に乱入した依依と安安。安安は青梨に「景品」のブレスレットを渡し、依依は自分だけが「本物」をもらったと明かし、青梨の母親としての立場を公然と否定しました。
  • さらに、依依の合図を受けた安安が故意にフォトフレームを転倒させ、青梨は額に怪我を負い倒れます。
  • 依依が「安安もケガをした」と叫ぶと、寒洲は血を流す青梨を放置し、安安の介抱を優先しました。
  • 青梨は、夫の最後の裏切りを目の当たりにし、「本当におしまいよ」と完全な決別を悟りました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

地獄のような結婚記念日パーティーの後、舞台は病院の病室へと移ります。 第9話は、額に怪我を負ってベッドに横たわる青梨の傍らで、夫・寒洲と本妻・依依が繰り広げる、信じがたい茶番劇から始まります。 そしてついに、青梨が溜め込んできた全ての怒りと悲しみが、絶叫となって爆発します。

病室で続く茶番劇、依依の「慈悲深き」演技

物語は、青梨がベッドで眠っている(実際には意識があり、寝たふりをしている)場面から始まります。 そのベッドサイドで、寒洲と依依が小声で会話をしています。 依依は、泣きながら寒洲に訴えかけます。

「寒洲。目を離したせいで 奥様がケガを。私を殴ってください」 自分が全ての元凶であるにもかかわらず、まるで自分も被害者であるかのように振る舞う依依。 しかし、寒洲はその演技に気づきません。 「よせ。妊娠してるのに 殴ったりできるか」 彼は、青梨の怪我よりも、依依の体調と「お腹の子」を優先する言葉を口にします。

依依はさらに追撃します。 「奥様が恨んで 仕返ししてきたら…」 「私を殴るのは当然です。でも寒洲、お腹には 私たちの子がいるの」 「怖い…本当に怖いの」

自分と子供の「安全」を盾に、寒洲の庇護欲を巧みに引き出します。 案の定、寒洲は「安心してくれ。誰にも傷つけさせない」と、依依とお腹の子を守ることを、青梨の目の前で誓ってしまいました。 この会話の一部始終を、青梨は目を閉じたまま聞いていました。 彼女の手が、シーツの下でピクリと動きます。

「あなた」と呼ぶ依依、シーツを握りしめる青梨

依依の策略は、さらにエスカレートします。 彼女は寒洲の頬に手を当て、優しくキスをしました。 そして、親密な響きを込めて呼びかけます。 「あなた、本当に優しいのね」

寒洲は驚いた表情で「今何て言った?」と聞き返します。 依依は微笑みかけ、「あなた」と繰り返しました。 その瞬間、青梨はシーツを強く握りしめます。 寒洲は、そんな青梨の苦しみに気づくはずもなく、依依に向かって囁きました。 「小悪魔め」

ベッドの上で、青梨は唇を強く噛みしめ、怒りと悲しみをこらえていました。 自分の夫が、自分が入院している病室で、自分を傷つけた女と親密に愛を語らっている。 これ以上の地獄があるでしょうか。 依依は満足げに寒洲から離れ、病室を後にして行きます。

目覚めた青梨の宣戦布告「沈依依を訴える」

依依が去った後、青梨は静かに目を開け、寒洲を見上げます。 寒洲は「目が覚めたか。ハニー。どこか具合が悪いところは?」と、いつものように優しい夫を演じようとします。 しかし、青梨の返事は冷え切っていました。

「全身の具合が悪いの」 そして、彼女は涙を流し始め、静かに、しかしはっきりと決意を告げます。 「沈依依を訴える」

寒洲は「青梨。何を言ってるんだ?」と驚きます。 そして、彼はまたしても、あの言葉を口にしました。 「彼女は君を傷つけてない」

絶望の叫び「なぜ私を助けなかったの?」

その一言が、青梨の心の最後の堰(せき)を壊しました。 彼女は激しく叫びます。 「寒洲! 分かってる?」 「私は死にかけたのよ!」

青梨は泣き崩れながら、魂の叫びを夫にぶつけます。 「私を愛してると言うけど…でも…」 「でもなぜ あの時 私を助けなかったの?」

彼女の脳裏に、あの瞬間の光景がよみがえります。 フォトフレームが倒れ、血を流して倒れる自分。 そして、そんな自分に背を向け、安安のもとへ駆け寄っていく夫の背中。 それは、彼が「愛」よりも「本物の家族」を選んだ、決定的な瞬間でした。

「なぜ私を助けなかったのか」という、青梨のあまりにも切実な問い。 寒洲は、その悲痛な表情と、自分に向けられた絶望の言葉に、何も答えることができませんでした。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第9話を読んだ感想(ネタバレあり)

第9話、ついに青梨が感情を爆発させてくれました! 正直、ここ数話の青梨は、あまりにも冷静に耐え続けていたので、見ているこちらが苦しくなるほどでした。 だからこそ、最後の「なぜ私を助けなかったの?」という叫びには、胸が締め付けられると同時に、ようやく彼女の本当の苦しみがあふれ出たことに、少しだけ安堵しました。

それにしても、寒洲と依依の病室でのやり取りは、ひどすぎます。 寝ている(と思っている)妻の横で、平然といちゃつく二人。 特に依依の「怖い」という被害者ムーブと、寒洲の「小悪魔め」というデレデレした反応には、怒りを通り越して寒気すら覚えました。 寒洲の「彼女は君を傷つけてない」というセリフも、彼の目がいかに曇っているかを証明しています。

青梨は、このすべてを寝たふりをして聞いていたのです。 シーツを握りしめ、唇を噛む彼女の姿を想像するだけで、どれほどの屈辱と怒りだったか計り知れません。 だからこそ、「沈依依を訴える」という言葉は、法的な手段に出るという宣言であると同時に、寒洲の欺瞞に対する宣戦布告でもあります。

最後の「なぜ私を助けなかったの?」という問い。 これは、青梨の心からの最後の問いかけでしょう。 彼は「愛している」と言いながら、命の危険が迫った瞬間に、彼女を見捨てた。 この矛盾に、寒洲は一体どう答えるのでしょうか。 彼が言葉を失ったあの表情が、全ての答えのような気もしますが…。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第9話のネタバレまとめ

  • 病院のベッドで眠る(ふりをする)青梨の傍らで、依依は「奥様に仕返しされたら怖い」と泣き落とし、寒洲は依依とお腹の子を守ると誓います。
  • 依依は寒洲を「あなた」と呼びキスをし、寒洲も「小悪魔め」と応じます。青梨はすべてを聞き、シーツを握りしめ怒りに震えます。
  • 依依が去った後、目覚めた青梨は寒洲に「沈依依を訴える」と宣戦布告します。
  • 寒洲が「彼女は君を傷つけてない」と依依をかばうと、青梨はついに感情を爆発させます。
  • 青梨は「私は死にかけたのよ!」「私を愛してると言うけど…でもなぜあの時 私を助けなかったの?」と、絶望的な叫びをぶつけます。
  • 寒洲は、青梨の悲痛な訴えに言葉を失います。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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