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【物語は鮮やかに縁は儚く】2話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 主人公・青梨は、娘・安安の入学手続きで、夫・陸寒洲との結婚証明書が「偽物」だと告げられました。
  • 戸籍上、寒洲の妻は秘書の沈依依であり、安安も二人の実の娘として登録されていたことが発覚します。
  • 青梨は、6年前に寒洲が「引き取った子」として連れてきた安安を、我が子として10年間育ててきました。
  • 家の前で、青梨は寒洲が友人に「依依が(2人目を)妊娠した」と話すのを聞いてしまい、その場に泣き崩れます。

【物語は鮮やかに縁はかない】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、愛する夫と娘、そして幸せな家庭のすべてが「嘘」だったことを知った主人公・青梨。 第2話は、その絶望の淵から、彼女が静かに、しかし力強く立ち上がる「覚醒」の回となります。 あまりにも残酷な真実の追い打ちと、彼女の決意を描く、息をのむ展開を徹底解説します。

夫の恐るべき本音「永遠にバレなければいい」

物語は、第1話の衝撃的なラストシーン、青梨が物陰で泣き崩れている場面から続きます。 夫・陸寒洲(ルー・ハンヂョウ)は、友人の陳皓(チェン・ハオ)に「依依が2人目を?」と問われ、信じがたい言葉を口にします。

「(青梨は)彼女は気づかない」

寒洲は本を読みながら、まるで他人事のようにそう言い放ちます。 そして、本を閉じると、平然とした顔でこう続けました。 「俺は青梨を愛してる」 「(しかし)依依も放っておけない」

愛する女性を騙し、別の女性との間に子供を作りながら「どちらも放っておけない」という、あまりにも身勝手な論理です。 青梨は「高校時代から好きな人だ」と心の中でつぶやきながら、その裏切りに涙を流します。

友人の陳皓が「もしもある日、青梨が騙されたと知ったら」「おまえとの縁を切るだろう」と、至極真っ当な指摘をします。 これに対し、寒洲は厳しい表情を浮かべ、この物語の彼の本質を突く一言を発しました。

「永遠にバレなければいい」

この言葉が、青梨の心に突き刺さります。 夫は、罪悪感どころか、嘘がバレさえしなければ良い、という恐ろしい考えを持っていたのです。 青梨の絶望は、この瞬間、怒りへと変わるきっかけを得ます。

決別と「富豪令嬢」への回帰

「永遠にバレなければいい…」 夫の言葉を反芻し、青梨は指輪を強く握りしめます。 そして、静かにその場を立ち去りました。

彼女は泣きながら、これまでの10年間を振り返ります。 「ずっと信じてた。お互いが唯一の存在だって。」 「でも違ったのね。とっくに私を裏切っていた。」 「寒洲…よくも騙してくれたわね。」

絶望的な悲しみと、裏切られた怒りが入り混じる中、彼女は邸宅の庭で立ち止まり、携帯電話を取り出します。 電話の相手は「おじい様」でした。

「おじい様。私、帰りたい」

この一言で、物語の背景が大きく動きます。 電話口の祖父(宋おじい様)は「やっと決心がついたか」「わしはあの結婚に反対しておった」と、青梨の帰りを待っていた様子です。 ここで、青梨が寒洲と結婚するために「富豪令嬢の身分まで捨てて」家を飛び出していたことが明らかになりました。 彼女はすべてを捨てて寒洲を選んだのです。 しかし、青梨は「もう終わったことよ」と、過去を振り切るように告げます。

衝撃の過去「子供を産めない体」

祖父は「今すぐ迎えをやろう」と言いますが、青梨はそれを断ります。 「いいえ。まだやることがあるの。戸籍抹消しなきゃ」 彼女は、涙ながらも冷静に、次なる行動を見据えていました。

すると、祖父の口から、さらに衝撃的な過去が語られます。 「馬鹿な子だ」 「陸寒洲をかばって事故に遭い、子供を産めない体になって。」

これが、青梨が陸家で子供を望まれ、精神的に追い詰められていた理由でした。 彼女は愛する夫を守った代償として、母親になる機能を失っていたのです。 だからこそ、夫が連れてきた安安を「血の繋がりのない娘」と知りながらも、我が子として必死に育ててきた背景が浮かび上がります。 これほどの犠牲を払った相手からの、あまりにも残酷な裏切り。 青梨の絶望の深さが計り知れません。

1週間の空白と「宋青梨」の覚醒

祖父は「胸が張り裂けそうだ」とすぐに帰るよう促しますが、青梨の決意は固まっていました。 「おじい様。1週間後には戻るわ」

電話を切った直後、夫・寒洲から着信があります。 携帯の画面には「老公(中国語で「夫」の意)」の文字。 しかし、青梨はためらうことなく、その着信を拒否します。 これは、これまでの夫に従順だった彼女との、明確な決別の瞬間でした。

「陸寒洲を愛した宋青梨はもういない。」 「いるのは富豪令嬢、宋青梨だけ。」

絶望の淵で、彼女は「妻」でも「母」でもない、本来の自分自身、「富豪令嬢・宋青梨」として立ち上がることを誓ったのです。

完璧な夫の「最後の晩餐」

場面は変わり、自宅リビング。 寒洲が、つながらない電話を片手に、不安そうに室内を歩き回っています。 そこへ、玄関のドアが開き、青梨が帰宅しました。

寒洲は安堵の表情で駆け寄り、青梨を強く抱きしめます。 「青梨、どこ行ってたんだ。電話にも出ないし 心配したんだぞ」 何も知らない彼は、いつものように完璧な夫を演じます。

対する青梨は、彼の腕の中で、冷静に、無表情に答えます。 「買い物に行ってたの。ごめんね、気づかなかった」 その温度差は、二人の間に流れる決定的な溝を感じさせます。

寒洲は「バカだな」「すごく心配したんだ」と笑顔を見せ、「お腹すいただろ。ご馳走を作ったから 食べよう」と、青梨の手を引いて食卓へ向かいます。 食卓には、彼が作った豪華な料理が並んでいました。 「安安はキャンプだろ? だから 2人きりだ」 彼は嬉しそうに、青梨の皿にエビを取り分けます。

突きつけられた「偽物」の証拠

完璧な夫の、完璧な愛情表現。 しかし、今の青梨の心には、もう何も響きません。 彼女は、エビが乗せられた皿を冷静に見つめ、口を開きます。

「寒洲。」 「話したいことがあるの。」

笑顔で「うん?」と応じる寒洲。 その彼に対し、青梨はカバンから、第1話で「偽物」だと突き付けられた、あの戸籍謄本を取り出し、静かにテーブルの上に置きました。

妻として愛した「宋青梨」はもういない。 「富豪令嬢・宋青梨」としての反撃が、今まさに始まろうとしています。 修羅場の幕開けを予感させる、強烈な引きで第2話は終わります。

【物語は鮮やかに縁はかない】第2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話の絶望から一転、第2話は青梨の「覚醒」が描かれ、読んでいて鳥肌が立ちました。 泣き崩れるだけの可哀想なヒロインではなかったのです。 特に「陸寒洲を愛した宋青梨はもういない。いるのは富豪令嬢、宋青梨だけ」というセリフには、震えるほどの格好良さを感じました。 絶望の底で、彼女は本来の自分を取り戻したのですね。

そして、夫・寒洲の身勝手さが、今回でさらに浮き彫りになりました。 「永遠にバレなければいい」とは、どういう思考回路なのでしょうか。 愛する人を傷つけている自覚が一切なく、自分の欲望(青梨への愛も、依依への償いも)だけを優先する姿には、怒りしか湧いてきません。 青梨を抱きしめて「心配した」と甘い言葉をかけるシーンは、彼の欺瞞性を象徴していて、本当に恐ろしかったです。

さらに衝撃だったのは、青梨が「寒洲をかばって子供を産めない体になった」という事実です。 彼女は文字通り、命がけで夫を愛し、その結果、子供を持てなくなった。 それなのに、その夫は他の女性との間に2人も子供を作っていた…。 この事実は、寒洲の裏切りが、単なる浮気ではなく、青梨の人生そのものを踏みにじる行為であったことを示しています。

最後の食卓シーンの緊張感は圧巻でした。 嬉々としてご馳走を振る舞う寒洲と、無表情で彼を見つめる青梨。 そして、テーブルに置かれた「偽物」の戸籍謄本。 これが突き付けられた瞬間、寒洲はどんな顔をするのでしょうか。 青梨の反撃が楽しみで仕方がありません。

【物語は鮮やかに縁はかない】第2話のネタバレまとめ

  • 夫・寒洲は「青梨を愛している」が「依依も放っておけない」と言い放ち、「永遠にバレなければいい」という本音を漏らします。
  • すべてを聞いた青梨は絶望し、実家である「富豪」の祖父に「帰りたい」と電話します。
  • 青梨は、過去に寒洲をかばった事故で「子供を産めない体」になっていたことが判明します。
  • 1週間の失踪の後、青梨は「富豪令嬢・宋青梨」として覚醒し、何も知らない夫・寒洲が待つ家に戻ります。
  • 寒洲が振る舞う「最後の晩餐」の場で、青梨は「偽物」の戸籍謄本をテーブルに突き付け、第2話は終了します。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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