【じゃああんたが作ってみろよ】2話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 主人公の勝男は、完璧なプロポーズを計画した日に、恋人の鮎美から突然別れを告げられます。
- 彼は、良かれと思ってしていた料理への「アドバイス」が、鮎美を傷つける無自覚なダメ出しであったことに気づいていませんでした。
- 自分の価値観が「昭和」だと周囲から指摘され、プライドが傷つきます。
- 初めて筑前煮作りに挑戦するも大失敗し、鮎美が残した完璧な筑前煮を見て、ようやく自分の過ちと彼女の愛情の深さを痛感。「俺は変わりたい」と涙ながらに決意しました。
【じゃああんたが作ってみろよ】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
第1話のラストで「変わる」と決意した勝男。 第2話は、その決意を胸にした彼が、具体的に何から始めるべきか模索するところから始まります。
変わる決意、しかし何を?
物語は、勝男が「鮎美に捨てられた 俺から!」と、失恋の事実を自分に刻み込むモノローグから始まります。 しかし、いざ「変わる」と決めても、洗面所の鏡に映る自分に「何を変えたら いいんだ?」と問いかけるしかありません。
彼の脳裏には、別れ際の鮎美の冷めた言葉がこだまします。 「勝男さんには わからないだろうし わかってほしいとも もう思わないかな」 この言葉は、変わろうとする勝男にとって、最も重い足かせとなっています。 彼はまだ、「見た目は申し分 ないのにな・・・」と、自分の外見やステータスへの自信を捨てきれずにいました。
価値観のズレと「めんつゆ」という壁
勝男は行動を起こそうと、職場の後輩である白崎を「昼飯でもどうだ?」と誘います。 しかし、白崎は「すみません俺 お弁当なんですよ」と断ります。 すかさず白崎が「公園で 一緒にどうです?」と提案しますが、勝男は「男同士でピクニックなんて 気持ち悪いだろ」と心の中で拒絶。 結局、「社食で食おう」と、彼の提案を切り捨ててしまいます。
社食で、白崎が持参したお弁当を食べる姿を見て、勝男は「いいな・・・」「彼女の手作り 弁当か・・・」と羨望の眼差しを向けます。 ですが、白崎は「俺が料理好きなんです」「うちでは俺が 料理担当なんです」と、第1話でも話していた事実を繰り返します。
そして、白崎は衝撃的な一言を口にします。 「この肉じゃがも 意外と簡単で」「味付けは めんつゆだけ なんですよ〜」 これを聞いた勝男は、心の中で強烈な拒否反応を示します。 「めんつゆで料理するなんて 邪道だし手抜きだな」「俺の彼女だったら・・・」 彼の根底にある古い価値観が、またしても顔を出してしまったのです。
「知らない」ことを知る
勝男の軽蔑したような心の声は、白崎にも伝わっていたのかもしれません。 白崎は「バカにしてますけど めんつゆの材料って 知ってます?」と、勝男の知識の浅さを鋭く突きます。 勝男は「えっ」「醤油と・・・甘いから砂糖?」と、見当違いな答えしかできません。
白崎は呆れたように「めんつゆが 何でできてるかも 知らないじゃないですか」と背を向けてしまいます。 その態度に、勝男は「怒ってる・・・よな!?」と焦ります。 ここで勝男は、ようやく自分の決定的な欠点に気づき始めます。 「俺の 何かが」「恋人を」「後輩を」「遠ざけている!?」 自分の無知と偏見に基づいた言動が、鮎美だけでなく、周囲の人間関係まで破壊していた事実に愕然とするのです。
「めんつゆ」から得た大きな気づき
ショックを受けた勝男が次にとった行動は、「めんつゆ 手作り 本格」とインターネットで検索することでした。 彼は第1話の筑前煮の時のように、まず「知る」ことから始めます。
レシピには「昆布と鰹で 出汁を取る」 、「そこに酒 みりん 醤油を加え 煮立ったら完成」 とあります。 勝男はエプロンをつけ、実際にめんつゆを手作りします。 そして、完成しためんつゆで素麺を食べ、「市販並みにうまい気がする!」と感動します。
さらに、彼は「肉じゃが」のレシピも調べます。 そこには「具材を出汁 酒 みりん 醤油で煮る」と書かれていました。 勝男は目を見開きます。「めんつゆと 一緒じゃん」と。 この瞬間、彼の凝り固まった価値観が崩れ落ちます。 「なら めんつゆを使うって 邪道じゃないし」「これが手抜きなら 市販のめんつゆで 麺を食べることも 手抜きになるな」
勝男は「ああ」「ひとつわかった」「俺が変えるべきところ」と、はっきりと自覚します。 それは、料理の知識や技術ではなく、物事の本質を知ろうとせず、「邪道」や「手抜き」と決めつける自分の「偏見」そのものでした。
過去の過ちと、小さな一歩
この気づきは、鮎美との過去の記憶を鮮明に蘇らせます。 動物園デートで、鮎美が作ってくれた手作り弁当。 勝男は当時、それを「そういう鮎美の 女の子らしいところ 好きだな」と、ステレオタイプな「女の子らしさ」としてしか見ていませんでした。
しかし、鮎美は笑顔でこう言っていたのです。 「女の子だから じゃなくて」「勝男さんのことが 大好きだから お弁当作ったの!」 彼女の行動の理由は「役割」ではなく「愛情」でした。 「あの時も俺は わかってなかった」と、勝男は過去の自分の愚かさを深く反省します。
「鮎美にはもう 謝れないから」「せめて白崎には 明日謝ろう」。 彼は、自分と同じように働きながら弁当まで作る白崎を「あいつはすごい」と、素直に尊敬する気持ちを抱きます。
公園での素麺ランチと和解
翌日、勝男は手作りのめんつゆを水筒に入れ、白崎を誘います。 「いや! じゃあぜひ 今日こそ!」と驚き喜ぶ白崎を連れ、昨日自分が拒否した公園へと向かいます。
「男ふたりで食べてるの 俺らだけだろ!」とまだ少し照れがある勝男ですが、 「男ふたり外で 素麺食べるのも」「結構いい」と、新しい価値観を受け入れ始めていました。 そして、勝男は白崎に頭を下げます。 「俺が悪い」「めんつゆ料理が 手抜きだとか」「イメージだけで 決めつけてた」。
勝男の素直な謝罪に、白崎も「昨日は態度悪かったですよね」と応じ、二人は和解します。 白崎から「俺のお弁当もどうぞ!」と差し出されたエビフライを、勝男は「サックサクだ!」と美味しそうに頬張るのでした。
変わる者、変わらないと決めつける者
この出来事は、勝男だけを変えたのではありませんでした。 白崎もまた、同僚の女性にこう漏らします。 「海老原さん みたいな人って」「たぶん何言っても 一生変わらないんだろうな〜 って思ってたんだけどさ」「それって 俺の決めつけだった かも」 勝男の勇気ある行動が、白崎自身の「偏見」をも打ち破ったのです。
新たな決意と、まさかの再会?
すっかり料理の面白さに目覚めた勝男。 駅の改札を通りながら、「今夜はめんつゆで 肉じゃが作ってみるかな」と、次の料理に思いを馳せます。 「にんじんは たしかあったな」と、冷蔵庫の中身まで把握し始めている姿に、彼の確かな変化が表れています。
しかし、その時。 駅のホームで、彼の視線が止まります。 「………………まさかな」 視線の先には、別れたばかりの鮎美らしき女性が、見知らぬ男性と親しげに立つ姿が。 変わり始めた勝男に、あまりにも残酷な現実が突きつけられようとしています。
【じゃああんたが作ってみろよ】第2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第1話の「変わりたい」という決意から、この第2話で「何を変えるべきか」を具体的に見つけるまでの流れが、非常に見事だと感じました。 テーマは、まさかの「めんつゆ」。 「めんつゆ=手抜き」という偏見は、口に出さずとも、どこかで多くの人が感じたことのある感情かもしれません。 そこに切り込み、勝男が自分の「無知」と「偏見」を自覚するプロセスが、とても丁寧に描かれていました。
筑前煮の失敗を経て、「知らないならまず自分で作ってみる」という行動に移せた勝男の成長に、まずグッときました。 そして、この話が素晴らしいのは、勝男だけが変わる物語ではない点です。 後輩の白崎も、「どうせあの人は変わらない」という「決めつけ(偏見)」を持っていたことに自分で気づきます。 人が変わろうとする姿は、周りの人の偏見さえも変える力があるのだと教えられました。
鮎美の「大好きだから作ったの」という回想シーン は、勝男の過ちの深さを改めて浮き彫りにしていて、本当に切なかったです。 「女の子らしさ」という枠でしか彼女を見ていなかった自分に気づくシーンは、多くの人がハッとさせられるのではないでしょうか。
公園で二人で素麺をすするシーンは、不器用ながらも新しい関係性を築こうとする男たちの姿に、清々しさを感じました。 それだけに、最後の鮎美の目撃シーンは衝撃です。 ようやく正しい一歩を踏み出した勝男に、これ以上ない試練が訪れようとしています。彼の心は折れてしまわないのか、次回の展開から目が離せません。
【じゃああんたが作ってみろよ】第2話のネタバレまとめ
- 「変わる」と決意した勝男だが、当初は何を変えるべきか分からず悩んでいました。
- 後輩の白崎が料理に「めんつゆ」を使うことを「手抜きだ」と心の中で見下してしまいます。
- 白崎に「めんつゆの材料も知らない」ことを指摘され、自分の無知と偏見が人を遠ざけていたと気づきます。
- 勝男は自らめんつゆを手作りし、その成分が肉じゃがなどの和食の基本調味料(出汁、醤油、みりん、酒)と同じであると学びます。
- 「めんつゆ=手抜き」という偏見を改め、鮎美が「大好きだから」料理をしていたという本心にも思い至ります。
- 勝男は白崎に謝罪し、公園で手作り素麺と弁当を交換して和解しました。
- 勝男の変化を見た白崎も、他人を「変わらない」と決めつけていた自分の偏見に気づきます。
- 料理に目覚めた勝男が帰宅途中、鮎美が他の男性と一緒にいるところを目撃してしまいます。
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