【じゃああんたが作ってみろよ】3話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 「変わる」と決意した勝男は、後輩・白崎の「めんつゆ」を使った料理を「手抜き」と見下してしまいます。
  • しかし、白崎に材料を知らないことを指摘され、自分の「無知」と「偏見」に気づきました。
  • 実際めんつゆを手作りしたことで、それが伝統的な調味料と同じだと学び、「めんつゆ=手抜き」という思い込みを改めます。
  • 過去に鮎美の愛情を「女の子らしさ」という枠でしか見ていなかった過ちを痛感し、白崎に謝罪して和解しました。
  • 白崎も「人は変わらない」という自分の偏見に気づき、互いに成長を見せました。
  • 料理に目覚め、前向きになった勝男ですが、その帰り道、鮎美が他の男性といる姿を目撃してしまいます 。

【じゃああんたが作ってみろよ】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

第2話の衝撃的な引きから続く第3話は、勝男の価値観をさらに揺るがす新しいキャラクターが登場します。

新たな価値観「南川あみな」

物語は、勝男の後輩である入社1年目の女性・南川あみなの自己紹介から始まります 。 彼女は仕事にも慣れ、楽しくなってきたと笑顔を見せますが 、たった一人だけ「苦手な先輩」がいると愚痴をこぼします 。 居酒屋「万福」のシーン 、彼女は友人(あるいは白崎?)に、出会い系サイトを利用していることを楽しげに話しています

その会話を聞いていたのが、あみなが「苦手な先輩」と語る、海老原勝男(通称:海老カツ)でした 。 勝男は、あみなの価値観に全くついていけません。

もっと自然に任せて 出会ったほうが いいんじゃないか!?結婚を前提にした 真剣な交際をしてこそ 恋愛には価値が あるんじゃないのか!?

あみなが「結婚願望ない」「気楽なデート相手探しに使ってます」とあっけらかんと話す姿に 、勝男の心は激しく拒否反応を示します。 彼女の生きざまも理解し難いものでしたが、勝男にとって「一番 理解不能なのが これだ!」というものが登場します

勝男 VS「コークハイ」と「もつ焼き」

勝男が最も理解できないもの、それは「コークハイ」でした 。 南川あみなは、ピザにも天ぷらにも麻婆豆腐にもコークハイを合わせるほどの大好物なのです

この組み合わせに対し、勝男の心は再び「偏見」に満たされます。 「コークハイなんて甘くて 香りが強い飲み物」「食べ物に合うわけないだろう!!!彼は、第2話で白崎に指摘された「めんつゆは邪道!」という自分の過ちを思い出しイラッとしますが 、寸前のところで「またこれも 失言になる かもしれん」と言葉を飲み込みます 。これは、彼の小さな成長の証でした。

しかし、あみなは追い打ちをかけます。 「私が一番幸せだな〜と 思う瞬間は」「もつ焼きとコークハイの 組み合わせで飲・・・勝男は、想像するだけで気分が悪くなります。「ベタベタと甘い コークハイに」「くさくて グロテスクな 臓物だと!?」

あみなは、白崎との会話の中で「私はやっぱ 嫌いだわ〜 海老カツ」「変わらないと 思うな〜」と勝男を評していました 。 まさにその通りの反応を示しそうになる勝男。ですが、彼は「いや待て」と自分を律します

「やってみないとわからない」勝男の行動

ここで、第2話の学びが勝男を動かします。 「やってみないと わからないよな彼は、もつ焼きになじみがなかった自分を認め 、「おすすめの 店ってあるか?」と白崎に尋ねます 。 白崎は「七文屋は 安くてうまいですよ コークハイもあるし」と店を推薦しました

一方、あみなはベッドの上で、デート相手らしき人物と「来週さ〜会う前に もつ焼きいかない?」とメッセージを交わしています 。 彼女の幸せは「男の子との適当な関係と コークハイと もつ焼き」であり、勝男に言われた「女として幸せになれないぞ」という言葉を「化石男のあいつのことだから」と一蹴していました

「七文屋」での初体験と遭遇

そして、勝男は一人、教えられた「七文屋」のカウンターに座ります 。 彼はメニューを前に悩みます。「レバ(肝臓)」「ハツ(心臓)」「タン(舌)」は理解できますが 、「『カシラ』『シロ』ってなんだ!?」と未知の領域に戸惑います 。 鮎美も昔、もつ焼きを「カチカチでくさくて 苦手」と言っていたことを思い出します

しかし、勝男はここで引き下がりません。 「ええい ままよ!」「カシラ・シロ コークハイをください 彼は、自分が最も理解できなかった組み合わせを注文するという、大きな一歩を踏み出しました。

運ばれてきたカシラ(豚の頬肉)を恐る恐る口にした勝男は、その味に驚きます。 「うまい!」「思っていたより 普通の肉に 似ていて 食べやすい!シロも「弾力はあるけど 軟らかくて 脂のとろっとした 甘さがある」と、鮎美が食べたものとは全く違う食感であることを知ります

そして、問題のコークハイ。 一口飲んで、まず「甘っ と感じますが、すぐにその認識が変わります。 「けどスパイスの香りが爽やかで もつのにおいを清涼化してくれる!偏見が崩れ、「おもしろいな これが・・・」と、新しい世界が拓けた瞬間でした

その時、「どうですかコークハイ」と声をかけてきたのは、なんと南川あみな本人でした

価値観の受容と、あみなの過去

勝男は、あみながコークハイを勧めても「俺はやっぱり ビール派だ」と素直には認めません 。 ですが、「けど」 と続け、こう語ります。 「南川はこれが 幸せなんだって 少しわかった 気がして」「俺の知らない 幸せがあると 勉強になった彼の口から出た「幸せも 人それぞれ なんだよな という言葉は、かつて「女の幸せ」を決めつけた人物と同一とは思えないものでした。

あみなも「正直ムカつきましたけど」「びっくりです 海老原さん なんか変わりましたね」と、彼の変化を素直に認めます 。 そして、彼女は自分の過去を打ち明けます。

あみなは、コークハイともつ焼きが大好きですが、「今の生き方が 私の本当の幸せなのか わかんないな〜」と迷いを抱えていました 。 昔は真面目な彼氏がいたのです 。しかし、父親を肺ガンで亡くしタバコが嫌いな彼女の前で、彼は隠れてタバコを吸っていました 。 「あみなのためなら こんなのやめる」、そう言ってほしかったのに、彼は変わってくれなかったのです 。 その出来事に心が折れ、「マジメに付き合うのが バカバカしくなった」のでした

希望と、最悪の再会

「変われる人がいるのなら 希望を持ってもいいのかな」。 あみなの物語は、変わり始めた勝男の心にも響きます。 彼は、別れた恋人・鮎美を想います。「今の俺を 鮎美が見たら どう思うかな」

あみなは「地球に海老原さんと ふたりきりになっても 恋愛したいと 思わないですね」とバッサリ切り捨てますが、「でも人としては前より・・・」 と、彼を認めかけていました。

その時。 持ち帰りを頼みに来た客の姿に、勝男は見覚えを感じます。「あのハデ髪の子・・・ この前どこかで」。 勝男が振り返ると、そこにいたのは、第2話の最後に目撃した男性と共にいる、鮎美でした 。 「鮎美…!!?勝男は、衝撃に思わず席を立ち上がります


【じゃああんたが作ってみろよ】第3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話は、「めんつゆ」に続き「コークハイともつ焼き」という、さらなる食の偏見に挑む回でした。 新キャラクターの南川あみなが、勝男とは正反対の価値観(結婚願望なし、出会い系OK)を持っていて、序盤は勝男と一緒に戸惑ってしまいました。

ですが、今回一番感動したのは、勝男の「行動力」です。 あれだけ「邪道だ」「グロテスクだ」と毛嫌いしていたコークハイともつ焼きを、「やってみないとわからないよな」と、一人で店に食べに行く勇気。これは第1話の彼からは想像もつかない、とてつもない成長だと感じます。 そして、実際に食べてみて「うまい」「においを清涼化してくれる」と、自分の間違いを素直に認め、あみなの「幸せ」を理解しようと努める姿は、とても誠実でした。

「幸せも 人それぞれ なんだよな」というセリフは、この物語の大きなテーマの一つだと思います。 あみなの「タバコを辞めてくれなかった彼氏」のエピソードも、非常に考えさせられました。「私のために変わってほしかった」という彼女の願いは、「変わりたい」と決意した勝男の姿と、鮮やかな対比になっています。

変わり始めた勝男に、あみなも少し心を開きかけた、その矢先。 まさかの鮎美との再会。しかも、例の男性と一緒という最悪のシチュエーションです。 希望を持ちかけた瞬間に突き落とされる、この展開の厳しさ。 勝男の心は、今度こそ折れてしまわないのでしょうか。続きが気になって仕方がありません。


【じゃああんたが作ってみろよ】第3話のネタバレまとめ

  • 新キャラクターの南川あみなは、勝男とは正反対の価値観(結婚願望なし、出会い系サイト利用)を持っていました。
  • 勝男は、あみなが愛する「コークハイ」と「もつ焼き」の組み合わせを「邪道だ」と最初は拒絶します。
  • しかし、第2話の学びを活かし「やってみないとわからない」と、一人でもつ焼き屋「七文屋」を訪れます。
  • 実際にカシラ、シロ、コークハイを初体験し、その美味しさと相性の良さに気づき、食わず嫌いを克服しました。
  • 店で偶然あみなと遭遇し、彼女の幸せの形を「人それぞれ」と受け入れ、自身の成長を見せます。
  • あみなも勝男の変化に驚き、自分が過去に「変わってくれなかった」彼氏と別れて以来、恋愛に真面目になれなくなった過去を打ち明けます。
  • 互いの価値観を少し理解し合えた矢先、勝男は店にやってきた元恋人・鮎美が、別の男性と一緒にいるところを目撃してしまいます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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