【じゃああんたが作ってみろよ】7話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 第6話では、もつ焼き屋で鮎美と勝男が衝撃的な再会を果たしました 。
- 勝男の隣にいたあみなを、鮎美は「新しい彼女」だと誤解してしまいます 。
- ショックを受けた勝男は、会社に毎日「筑前煮」弁当を持参するようになりますが、ついに食べ物の味がしなくなりました 。
- 勝男は後輩たちに「筑前煮がうまく作れない」と悩みを打ち明け、白崎とあみなは彼の家で、失敗した筑前煮を「和風カレー」に見事にリメイクします 。
- 白崎から「自分の失敗を認めれる人はかっこいい」と励まされた勝男は、ついに「元婚約者にフラれちまったんだ」と涙の告白をしました 。
- あみなの「男子も泣いていい時代です」という言葉で、勝男は古い価値観から解放されます 。
- 最後に、鮎美も「本格出汁」ではなく「顆粒出汁」を使っていた可能性が浮上し、勝男は新たな気づきを得ました 。
【じゃああんたが作ってみろよ】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する
第6話のラストで「顆粒出汁」の存在に気づいた勝男。 第7話は、彼の「出汁」に対するこだわりと、鮎美との思い出が深く掘り下げられます。
「本格出汁」へのこだわりと、鮎美の味
勝男の脳裏に、幼い頃の記憶が蘇ります。 勝男の家では、母が「こうやっておいしい お出汁にするんよ」と、丁寧にいりこ(煮干し)で出汁を取っていました 。 そして父は「やっぱりいりこ出汁 使ちょん味噌汁はうまいな」と、その味を深く理解していました 。 勝男は、そんな「出汁の味がわかる父を かっこいいと思っていた」のです 。 この幼少期の体験が、彼の「料理は本格的であるべき」という価値観の原点となっていました。
しかし、第6話で、鮎美も顆粒出汁を使っていたかもしれないという事実に直面します 。 彼は、同棲したての頃、鮎美が「うちもいりこだったけど 勝男さんだから 鰹出汁にしてみた」と言って、自分の好みに合わせてくれたことを思い出します 。 勝男が「うまい!」と喜ぶと、鮎美は「やった!」「これからこれが 私たちの味だね!」と無邪気に笑っていました 。 勝男は、彼女が「出汁をイチから 取る鮎美を たしかに見た」と思い込んでいましたが、それも自分の「理想」が生んだ記憶だったのかもしれません 。
ノロケだった「元カノ」の話
場面は、白崎、あみなとのカレー食事会に戻ります。 あみなは「てかてか 元カノさんって どんな人 だったんですかー?」と、無邪気に質問を投げかけます 。 すると勝男は、吹っ切れたように鮎美のノロケ話を始めました。 「優しくてかわいくて 賢くてかわいくて 品があってかわいくて…」と、「かわいい」を連発し、あみなに「あっ もういいです」と止められる始末です 。
勝男は、鮎美の「不思議ちゃん」な一面も語ります 。 宮島で大量のカブトムシに遭遇するなど、不思議なことを引き寄せる体質だったこと 。 さらに、「すごく力が強い」こと(素手でリンゴを握りつぶして生搾りジュースを作っていた)や、「あと球技が実は上手い!」(キャッチボールのフォームが美しい)といった、意外な一面を次々と明かしました 。 白崎が「料理が上手い! とかそういうの 言うかと思ったら かわいいかわいい ばっかりですね〜」と笑うと、勝男は「料理してる姿も 好きだ!」と付け加えます 。 結局、勝男は「つまり どんな鮎美さんも 大好きだった」と、自分の本心にたどり着くのでした 。
新しい一歩と、自分自身の「好き」
勝男の深い愛情を聞いたあみなは、「新しい恋 始めましょっ」と、マッチングアプリ「Wish」への登録を勧めます 。 勝男は「いやっ俺はそういうのは…」とためらいますが 、あみなに「ほらっ やってみないと わからない!ですよ!」と、彼自身が学んだ言葉で背中を押されます 。 後輩たちに促され、プロフィール作成を手伝ってもらう勝男 。 「好きなこと」を聞かれた彼は、迷わず「筑前煮だ!」と答えるのでした 。
「裏切り」という名の思い込み
翌朝、勝男は泊まっていった二人のために、朝食として味噌汁とおにぎりを作ります 。 白崎とあみなが「俺なんていつも シリアルだけ」「私は コーヒー飲むだけ」と感動する中 、勝男は「味噌汁って脇役なわりに 地味に手間がかかる」と、作る側の苦労を実感します 。 白崎の「毎朝作ってくれていた 彼女さんに感謝ですね」という言葉に、勝男はハッとします 。
彼は、顆粒出汁の瓶を見つけた時の自分の本心を思い出します。 「顆粒出汁が 見つかった時も なんて気持ちより まず 『裏切られた』」 。 自分が「本格的」であるべきという理想を押し付け、台所に立つ鮎美の姿を「あたりまえだ」と見過ごしてきたこと 、その「情けなかった」自分に、改めて気づくのです 。
鮎美の味と、変わった自分
勝男が自分で「鰹出汁を取った!」と感動しながら作った本格出汁の味噌汁は、二日酔いの二人にも大好評でした 。 勝男自身も「出汁を取った 味噌汁のほうが ややおいしい 気がした」と感じます 。
しかし、翌日。彼は試しに顆粒出汁で味噌汁を作ってみます 。 一口飲んだ瞬間、彼は気づいてしまいました。 「あっこれだ 鮎美の味」 。
その時、勝男はすべてのこだわりから解放されます。 「でも うまいとか 本格的とか どうでもよくて」 、「鮎美が俺のために 作ってくれるから うれしかったんだ」と 。
勝男は、同棲したての頃、鮎美が作った揚げ物を「どの店よりも うまい!!!!」と心から喜び、「俺は幸せ者だ〜〜〜!」と叫んでいた自分を思い出します 。 「お金はほぼ 俺が出してる からとか」「それぞれの 役割だとか」 。勝男は、いつしか台所に立つ鮎美を「当然に思うように なっていた」自分の傲慢さを深く反省します 。
彼の心に、新しい願いが芽生えます。 「もし 願いが叶うなら」 、「俺が 鮎美に ご飯を 作りたい」 。 「鮎美の好物を たくさん作って あんなふうに 笑って もらいたい」 。 変わり果てたと思っていた自分の中に、鮎美への純粋な愛情が残っていることを再確認した勝男。 その時、彼のもとにメッセージが届き、物語は新たな展開を予感させます 。
【じゃああんたが作ってみろよ】第7話を読んだ感想(ネタバレあり)
第7話は、涙なしには読めない回でした。 勝男の「本格出汁」へのこだわりが、幼少期の「かっこいい父」への憧れから来ていたという背景が明かされ、彼の人物像に深みが増しました。
しかし、何より衝撃的だったのは、「鮎美の味」の正体が「顆粒出汁」だったという事実です 。 勝男は「本格的であること」こそが愛情の証だと信じ込み、「顆粒出汁」を使った鮎美を「裏切られた」とさえ感じてしまいました 。 ですが、彼が本当に求めていたのは「本格的な味」ではなく、「鮎美が自分のために作ってくれる」という行為そのものだったのです 。
「うまいとか 本格的とか どうでもよくて」 。 このセリフは、勝男が「料理はこうあるべき」という呪いから、ついに解放された瞬間だと思いました。 そして、彼が行き着いた答えが「鮎美の好物を作りたい」「笑ってもらいたい」という、自分が「与える側」になりたいという願いだったことに、彼の本質的な優しさと大きな成長を感じます 。
鮎美との思い出を「かわいい」と「大好きだった」という言葉で語る勝男は、もはや第1話の傲慢な彼ではありませんでした 。 後輩たちという存在が、彼を変えた。料理が、彼を変えた。 失恋を経て、彼は本当に「かっこいい」男になろうとしています。
【じゃああんたが作ってみろよ】第7話のネタバレまとめ
- 勝男の「本格出汁」へのこだわりは、出汁の味がわかる父をかっこいいと思っていた幼少期の記憶が原点でした 。
- 鮎美は同棲当初、勝男の好みに合わせて「鰹出汁」を使っていましたが、勝男はそれがイチからの本格出汁だと信じ込んでいました 。
- 勝男は後輩たちに、鮎美の「力が強い」「球技が上手い」といった意外な一面をノロケとして語り、「どんな鮎美さんも大好きだった」と本心を再確認します 。
- 後輩たちにマッチングアプリを勧められ、「好きなこと」は「筑前煮だ!」と答えます 。
- 自分で味噌汁を作るようになり、顆粒出汁を見つけた時に「裏切られた」と感じてしまった自分の「情けなさ」に気づきます 。
- 顆粒出汁で味噌汁を作った勝男は、それが「鮎美の味」であったことを知り、「本格的とかどうでもよくて、鮎美が作ってくれるから嬉しかった」という本心にたどり着きます 。
- 過去の自分が「台所に立つ鮎美を当然に思っていた」と深く反省し、「もし願いが叶うなら、俺が鮎美にご飯を作りたい」と願うようになりました 。
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