【じゃああんたが作ってみろよ】16話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 第15話は、勝男(かつお)と鮎美(あゆみ)の大学時代の回想から始まり、二人の馴れ初めと、鮎美が勝男に初めて作った料理がオムライスだったことが描かれました 。
  • 現在、図書館で偶然鮎美と再会した勝男は、彼女の冷たい態度にショックを受けます 。
  • 二人の出会いが、勝男が落とした消しゴムを鮎美が拾い、「筑前煮が得意」という話で意気投合したことだったと思い出します 。
  • 失恋仲間だった椿(つばき)から、「元彼とヨリを戻した」という報告を受け、勝男は再び孤独を感じます 。
  • 自分の未練がまだ深いことを自覚した勝男は、一人で思い出のオムライスを作りますが、不格好な出来栄えに終わり、過去への後悔と現在の孤独を噛み締めます 。

【じゃああんたが作ってみろよ】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

失恋の傷がまだ癒えない勝男が、友人の結婚式に出席するところから第16話は始まります。

まぶしすぎる結婚式と、古い価値観

友人の浜田(はまだ)くんの結婚式。幸せそうな新郎新婦の姿は、失恋を引きずる勝男にとって「まぶしすぎる」ものでした 。友人たちからは「いやー次は勝っちゃんやって 思ってたんやけどなあ」「まさかフラれるとは―」と、無邪気ながらも心無い言葉をかけられます

ケーキ入刀後のファーストバイトの場面。友人たちがその意味について話し始めます 。 「新郎は 『一生食べるものに 困らせない』で 新婦は 『一生おいしいものを作る』 って意味やなかったっけ?」という通説に、勝男は疑問を呈します 。 「それってさ 浜田は一生働かないと いけないし 奥さんはおいしいものを 作りつづけなきゃいけない プレッシャーに ならないか!?」 。さらに、「そもそも 浜田のとこは 共働きじゃ なかったか!?」と指摘します

勝男の変化に気づかない友人・木嶋(きじま)は、「フラれたけんって ねたむなよ〜」とからかい、「『一緒に一生 楽しく飯食おうぜ』 って意味かもしれんし!」と場を和ませようとします 。しかし、勝男の表情は硬いままです。

変化した勝男と、変わらない友人

披露宴が進む中、別の友人・本田(ほんだ)が浜田夫妻を見て「ふたりが良ければ それでいいが それに浜田のほうが稼いでるし 料理は奥さんが するもんやないん?」と、古い価値観に基づく発言をします 。さらに木嶋が「いーなー結婚 俺も家事ができる 奥さん欲しいわ〜」と続けます 。 「昔の俺ならこの木嶋の発言に うなずいていた気がする。しかし、今の勝男は違いました。彼は木嶋に対し、「同族嫌悪に 限りなく近い 軽蔑の眼差し」を向けてしまいます

友人たちは勝男の変化に気づきます。「勝っちゃんさ なんか考え方 変わったよな」「なんかちょっと 今っぽくなった?」 。本田は、その変化の理由を問いただすように、過去の勝男の行動を暴露し始めます

突きつけられる過去の自分

「覚えちょん? 飲み会の時」。 本田は、勝男が飲み会で鮎美に自分の分の料理を取り分けさせていたこと、家飲みをした時も一歩も動かず鮎美に全て持ってこさせ、洗い物も全部やらせていたことを次々と指摘します 。 木嶋も「内心マジ?って 思ってたもん」「正直引いてたわ」と追い打ちをかけます 。 「彼女なんやから 普通じゃね?」と言う木嶋に対し、本田たちは「ダメだ! 社会のために 己のために 改めたほうが いいぞ木嶋!」と一喝します

友人たちの言葉に、勝男は「わかった! もうやめてくれ! 俺は最悪やった!!!!」と叫びます 。 本田は「勝っちゃんはさ 自分の価値観が時代遅れかも って気づけたんやろ きっと次は 大丈夫やって」と、最後は勝男を励ますのでした

「時代」のせいなのか?

帰り道、勝男は考えます。「時代か…」「価値観が 遅れていたから 俺は フラれたのか?。 「もし時代が違ったら 俺と鮎美は うまくいってたのか?」 。 しかし、どの時代であったとしても、鮎美は別れ際に言ったであろう言葉、「勝男さんには 言っても わからないよ」という言葉が、勝男の胸に突き刺さります 。時代が変わっても、根本的な問題はそこにあったのかもしれません。

十兵衛との再会と、母の愛

家に帰ると、そこには実家で飼っていた老犬・十兵衛(じゅうべえ)がいました 。勝男が幼い頃、泣き虫だった彼を守ろうとしてくれた犬です。 そして、キッチンには母親の姿が。結婚式の引き出物を持って、勝男の様子を見に来てくれたのです 。 母は、勝男の好物であるいりこ出汁の味噌汁をはじめ、たくさんの手料理を並べます

勝男は「こんなにたくさん 用意するんも 大変やったやろ」と、初めて母の労をねぎらう言葉を口にします 。母は「どしたん急に!」と驚きつつも、「まあたしかに今日は 最近ひとりで 大変やったやろうから 張り切ったけど」と嬉しそうです 。勝男は「ありがとう…」と感謝を伝え、母の手料理を味わいます。 母は「はぁ 鮎美ちゃん… 残念やったね」「いい子やったんにね〜」と寂しそうに呟きつつ、「遊びに来てくれた時 一緒に台所立ててうれしかった〜」と、鮎美との思い出を語ります

兄・虎吉への連絡と、父との対峙

母は、もう一人の兄・**虎吉(とらきち)**が孫(真鳥)を連れてこないことへの不満を漏らし、「しつこいと うっとうしい姑に なっちゃうけん ガマンしちょんけど 会いたい!」と本音を語ります 。 そして、勝男に「さりげなーく うちに真鳥を 連れて来る 提案をして!」と、とんでもないミッションを与えます 。 勝男は「できるかな…」と不安に思いつつも、「今日暇やし虎吉兄さんに 連絡してみよっかな」と、母のために行動しようとします

そこへ、父親が帰宅します。食卓には食べかけの料理が並び、父は「食べかけ ばっかやし 冷めちょんな」と不満げです 。 父は勝男に「ちゃんと上を目指して つまらない男にはなるなよ」といつもの口癖を繰り返します 。勝男は「つまらなくない 男ってなんだ?」と考えますが、父の言葉の意味は分かりません

世代間の価値観の衝突と、勝男の変化

父が「これじゃご飯足りんから 少しよそってくれ」と言うと、勝男は初めて父に反論します。「自分でよそったら?。 驚く父に、勝男は「母さんばっか朝から 働かせて大変じゃん」と続けます 。 父は「どしたん急に あれか? 流行りん 男女平等っち やつか?」と茶化しますが、勝男は黙って食器を拭き始めます 。 母は「本当どうしちゃったん 勝男〜!」と嬉しそうですが、「もうちょっと父さん 自分で動かない ものかね…」「いいんよ〜 もうずっと前に 諦めたけん」と、長年の夫婦関係を語ります

勝男は、自分も家では「当然みたいに 座りっぱなしで ご飯を食べてた」「一歩も動かず」母や鮎美に甘えていたことに気づき、愕然とします 。 その時、勝男は棚にあるインスタント味噌汁に気づきます。「ヘー父さんインスタントは 手抜きだとか言ってたんに こういうのには 寛容になったんや」 。 母は「今の 内緒ね」と笑います。

もう一人の兄・虎吉

勝男は、母に「そういえば」と、もう一人の兄・虎吉について尋ねます。 鷹広とは双子でありながら、「変人だ」と鷹広に言われていた虎吉 。しかし、勝男にとっては「賢くてかっこいい 虎吉兄さんが 俺は好きだった」のです 。 子供の頃、図書館で勝男が興味のある本を探すのが上手かった虎吉 。彼は勝男に「本に書いてると それが間違いのない 真実みたいな 気がするけど」「疑ったり 自分で考えて判断して いいんやからね」と、大切なことを教えてくれていました

勝男は虎吉に「今実家帰ってるんだけど 会えない?」とメッセージを送ります。既読はつきますが、返信はありません。「既読無視ですか…」 。 勝男は「俺って家族のこと わかってなかったかも」と、兄たちのこと、そして両親のことを改めて考え始めます

犬の散歩に出ると、虎吉から「でかい道路まで来て」と返信が。 勝男が指定された場所へ向かうと、そこにはバイクに乗った虎吉の姿が。 「勝男〜」「ラクテンチ 行こうぜ!。 勝男は「え??」「うん!?」と驚きながらも、どこか嬉しそうな表情を見せるのでした。


【じゃああんたが作ってみろよ】第16話を読んだ感想(ネタバレあり)

第16話、勝男くんの内面的な成長と、家族との関係性の変化が深く描かれた、素晴らしい回でした! 結婚式での友人たちのデリカシーのない言葉や、古い価値観には正直イラっとしましたが(笑)、それが逆に勝男くんの変化を際立たせていましたね。「同族嫌悪に近い軽蔑の眼差し」を木嶋くんに向けるシーンは、彼の成長を象徴する名場面だと思います

友人たちに過去のダメっぷりを暴露されるのは辛かったと思いますが、「自分の価値観が時代遅れかもって気づけたんやろ」という本田くんの言葉には救いがありました 。失敗を認め、変わろうとしている勝男くんを、友人たちも(不器用ながら)応援しているのかもしれません。

そして、実家でのエピソード。お母さんの温かさと、お父さんの変わらない頑固さ(でもインスタント味噌汁はOKという変化も! )。勝男くんが初めてお父さんに「自分でよそったら?」と言えたシーンは、彼の大きな一歩だと感じました 。これまで当たり前だと思っていた家父長的な家庭のあり方に、疑問を持つことができた。これも料理を通じて「作る側」の気持ちを理解したからこその変化ですよね。

最後に登場した虎吉兄さん! 鷹広兄さんとはまた違うタイプの、ミステリアスな雰囲気。彼が勝男くんに与えた「疑ったり、自分で考えて判断していい」という教えは、勝男くんが古い価値観から脱却する上で、重要なヒントになっていたのかもしれません 。まさかの「ラクテンチ行こうぜ!」という誘い(笑)。この兄弟がどんな関係性を築いていくのか、そして勝男くんは母のミッション(孫を連れてくる)を達成できるのか!? 次回が非常に楽しみです!


【じゃああんたが作ってみろよ】第16話のネタバレまとめ

  • 勝男は友人の結婚式に出席するも、失恋を引きずっており、幸せそうな雰囲気に気まずさを感じます 。
  • ファーストバイトの意味について、古い男女の役割分担に疑問を呈し、友人たちに考え方の変化を指摘されます 。
  • 友人たちから、過去に鮎美に対して家事を全て押し付けていたモラハラ的な行動を暴露され、深く反省します 。
  • 勝男は、自分がフラれたのは単に「時代遅れ」だったからだけではないと考え始めます 。
  • 実家に帰ると、母親が訪ねてきており、手料理を振る舞われます。勝男は初めて母の労をねぎらい、感謝を伝えます 。
  • 母親から、もう一人の兄・虎吉(とらきち)が孫(真鳥)を連れてこないことへの不満を聞き、母のために虎吉に連絡を取ろうとします 。
  • 帰宅した父親に対し、勝男は初めて家事の分担について意見し、自身の変化を見せます 。
  • 父親もインスタント味噌汁を容認するなど、少しずつ変化していることが示唆されます 。
  • 勝男は、幼い頃に虎吉兄さんから「疑ったり、自分で考えて判断していい」と教わったことを思い出します 。
  • 虎吉兄さんに連絡を取ると、「ラクテンチ行こうぜ!」と予想外の誘いを受けます 。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【じゃああんたが作ってみろよ】15話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【じゃああんたが作ってみろよ】15話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【じゃああんたが作ってみろよ】17話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【じゃああんたが作ってみろよ】17話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました