【じゃああんたが作ってみろよ】18話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 第17話では、勝男(かつお)が兄・虎吉(とらきち)とその家族と共に地元の遊園地「ラクテンチ」を訪れました。
- 勝男は、虎吉から娘・真鳥(まとり)の性自認に関する悩みと、親としての葛藤を打ち明けられ、兄への信頼を感じました 。
- 虎吉一家との交流や、メグミさんの手作りバインミーを通じて、勝男は食の好みや料理の感想を伝えることの大切さ、そして父親への見方の変化など、多くの気づきを得ました 。
- 虎吉から「気づけたら変われるチャンスやね」と励まされ、勝男は前向きな気持ちでジェンダーに関する本を読み、理解を深めようとします。
- しかし、その矢先、後輩のあみなから「フラれた 男なんてクソッタレです」という衝撃的なメッセージが届きました 。
【じゃああんたが作ってみろよ】第18話をネタバレありでわかりやすく解説する
あみなの衝撃的なメッセージで幕を開けた第18話。勝男の家は、失恋した女性二人による、男女間のプレッシャーに関する大論争の場と化していました。
板挟みの勝男 – 男女のプレッシャー論争勃発
物語は、勝男が「なぜこんな ことに…!」「白崎〜 助けてくれ〜!!」と悲鳴を上げるシーンから始まります 。 彼の家では、元カレと復縁したはずの椿(つばき)と、フラれたばかりのあみなが、「男だって!」「女だって!」と、それぞれの立場から感じるプレッシャーや不満をぶつけ合い、一触即発の状態になっていました 。
白崎が来られなかった理由(回想)
なぜ白崎(ルイ)は助けに来られなかったのか。数時間前、勝男からのSOSを受けた白崎は、「無理無理!」と断っていました。 その日は恋人・青子(あおこ)の誕生日であり、ケーキの受け取り、買い出し、料理の仕込み…と、完璧なサプライズディナーの準備で大忙しだったのです 。 勝男は、失恋で悲しむあみなを放っておけず、「だったらスマン」と、椿とあみなを自宅に招き入れることにしたのでした 。
失恋女子会と、勝男の葛藤
勝男の家で、シャンパンやワイン、おつまみを囲み、「失恋仲間増員」となった女子会(?)が始まります 。 しかし、話題はすぐに男女間のプレッシャーについてのヒートアップした議論へ。 勝男の地元の友人(木嶋)の「アラサーとなると 次の相手探し ムズいっすよね〜」という失礼な発言を勝男が紹介すると、椿とあみなは「なるほどね(呼びたくないわけだ)」と呆れ顔 。
椿が持ってきた「メロディチーズ」をつまみに、議論はさらに白熱します 。
- 椿の主張: バンドマンの元カレに合わせ、安い店を選んでいたのに、彼が「好きだけど生活スタイルが合わない」と振ってきたことへの不満 。男は結局プライドが問題なのだと主張します 。
- あみなの主張: 仕事で成功したいと思う一方で、「男が知らないようなプレッシャー」も感じていること(生理や妊娠・子育てなど) 。男は「子供だから」と言い訳する、と元カレを思い出し怒りを爆発させます 。
二人の女性はお互いの主張に一部共感しつつも、男性側への不満(高収入を求められる、男の苦労を知れ、精神年齢が低い…)をぶつけ合い、勝男は板挟み状態です 。
勝男の気づき – プレッシャーと呪縛
「白崎助けて…」と心で叫ぶ勝男ですが、この議論を通して、彼自身も大きな気づきを得ていました 。 「俺は今 どう感じてる?」。彼は、白崎に言われたように、自分の感情と向き合います。 そして、自分が父親から「勝男は勝つ男って 意味だ」と言われ、常に「勝つ」ことを求められてきたプレッシャーを思い出します 。 スポーツやゲームでさえ負ければ笑い者にされ、「悲しくても 弱さを見せないために 耐えなきゃいけない」 。言葉にはしなかったけれど、それが「男らしさ」だと思い込んでいたのです 。
勝男は「男も辛いから 女も耐えろとは 思わない」「男も女もそれ以外も 耐えてほしくない」と心の中で叫びます 。 「相手が苦しんでいたら 俺のほうがしんどいって 主張するんじゃなくて」「お互いが困らなくなる道を 探すんじゃダメか?」 。 彼は、自分自身を縛っていた「男らしさ」という呪縛から解放されたい、そして、無意識のうちにその呪縛を鮎美にも強いていたことに気づき、苦悩します 。
「男子だって泣いていい」 – 父の涙
あみなが「男全員がそうみたいな 言い方してしまいました 私もお〜」と反省すると、勝男は涙ぐんでしまいます 。 「また泣きそうに なってます?」とあみなが心配すると、勝男は「いや!! この部屋が乾燥してて!」と誤魔化します 。 するとあみなは、以前(第6話)、勝男が泣いた時に自分が言った「男子だって 泣いていい時代だ」という言葉を思い出し、「あれから考えて どの時代の男子だって 泣いて弱音を吐いても いいじゃんって 思ったんですよね」と、考えを改めたことを伝えます 。
その言葉に、勝男は父親のことを思い出します 。数年前、愛犬・十兵衛が亡くなった翌日、いつも厳格だった父が一人、背中を丸めて静かに涙していた姿を 。 「男らしさ」の呪縛に囚われていたのは、自分だけではなかったのかもしれない。
変わることへの不安と希望 – 流れ星に誓う
勝男は、結婚式で会った友人・木嶋の言葉を思い出します。「勝っちゃんは 変わったよな」「今よく言うほら アップデート? みたいなん気取って きれいごと言っちょん?」 。 木嶋とは中学からの腐れ縁。気が合うわけではないけれど、なぜか一緒にいる。そんな彼に言われた言葉が、勝男の心に引っかかっていました。
「俺 本当に変われて るのか?」「木嶋の言うとおり アップデートを 気取ってるだけじゃ?」 。 自分の変化にまだ自信が持てない勝男。しかし、彼は空を見上げ、流れ星を見つけます 。 その瞬間、彼の心に迷いは消え、変わることを、そして前に進むことを改めて決意したかのような、穏やかな表情が描かれます。
【じゃああんたが作ってみろよ】第18話を読んだ感想(ネタバレあり)
第18話、失恋女子二人のヒートアップした議論から始まり、最終的には勝男くん自身の内面的な葛藤と成長、そして未来への希望を描く、非常に深い回でした。
椿さんとあみなちゃんの男女論争は、聞いていて耳が痛い部分もありましたが(笑)、それぞれの立場からくるプレッシャーや不満がリアルに描かれていて、考えさせられました。男性も女性も、それぞれの性別ならではの「こうあるべき」という社会的な期待やプレッシャーに苦しんでいる。勝男くんが最終的にたどり着いた「男も女もそれ以外も耐えてほしくない」「お互いが困らなくなる道を探すんじゃダメか?」という考え方は、この物語が提示する一つの答えなのかもしれません 。
そして、勝男くんの気づき。「男らしさ」という呪縛。これは彼自身だけでなく、父親や友人、そして社会全体に根深く存在するものなのかもしれません。愛犬が亡くなった時に一人で泣いていた父親の姿を思い出すシーンは、涙なしには見られませんでした 。強がるしかなかった男性たちの孤独や悲しみが伝わってきて、胸が締め付けられました。
友人・木嶋くんの存在も興味深かったです。彼の古い価値観は、まさに「変わる前」の勝男くん自身。だからこそ、勝男くんは彼に嫌悪感を抱きつつも、どこか見捨てられないのかもしれません。「俺が変われたんだから きっと木嶋も…」という、かすかな希望。これも勝男くんの優しさであり、成長の証だと感じました 。
最後の流れ星のシーンは、とても美しく、希望に満ちていましたね。「本当に変われているのか?」という不安を抱えながらも、それでも前を向こうとする勝男くんの決意が伝わってきました。失恋という経験を経て、彼は確実に、より深く、より優しい人間へと「アップデート」されている。そう信じさせてくれるラストでした。
【じゃああんたが作ってみろよ】第18話のネタバレまとめ
- 勝男の家で、失恋した椿とあみなが男女間のプレッシャーについて激しい口論を繰り広げ、勝男は板挟みになります 。
- 回想シーンで、白崎(ルイ)が勝男のSOSに応じられなかったのは、恋人・青子の誕生日ディナーの準備で忙しかったためだと明かされます 。
- 勝男は、二人の議論を聞く中で、自身が父親から「勝つこと」を求められてきたプレッシャー(「男らしさ」の呪縛)を自覚します 。
- 「男も女もそれ以外も耐えてほしくない」「お互いが困らなくなる道を探すべき」という考えに至り、過去に鮎美にも同じようなプレッシャーを与えていた可能性に苦悩します 。
- あみなとの会話から、勝男は愛犬が亡くなった時に一人で泣いていた父親の隠された弱さを思い出します 。
- 友人・木嶋に「アップデート気取ってる」と言われたことを思い出し、自分の変化に自信を持てずにいましたが、流れ星を見て、改めて前に進む決意を固めます 。
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