【変な地図】ネタバレ解説|大里社長の死と古地図の真相

雨穴さんの人気シリーズ最新作、変な地図のネタバレが気になる方が多いようです。これまでのシリーズ作品とは異なり、今回はお馴染みの栗原さんが主人公となり、自身のルーツに迫る物語が展開されます。過去作では冷静な探偵役として活躍した彼が、今回は自らの家族の謎と向き合う当事者となるのです。
「変な地図」の物語は、一見無関係に見える二つの事件が複雑に絡み合い、読む者を深い謎へと誘います。前半のサスペンスと後半の謎解き、二つの視点が交差する中で、登場人物たちの過去の失敗や、それが生んだ後悔が連鎖していく様子が描かれます。この記事では、「変な地図」の難解なプロットやトリック、そして物語の核心に迫るネタバレを、時系列や関連性に着目しながら徹底的に解説します。
この記事を読むことで、「変な地図」のネタバレに関して以下の点が明確になります。
- 大里社長が迎えた衝撃的な死の真相
- 物語の鍵となる「変な地図」が示す本当の意味
- 栗原の祖母・知嘉子が自殺を選んだ悲しい理由
- 全ての事件を繋ぐ意外な犯人の正体とその動機
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「変な地図」前半のネタバレ:大里社長の死
- 母娘山トンネルで目覚めた大里幸助
- 矢比津啓徳会長と大里社長の対立
- 人身事故として報道された死
- トンネルに残された奇妙な道具
- 大里幸助の死の真相
母娘山トンネルで目覚めた大里幸助
物語は、矢比津鉄道の社長・大里幸助が、けたたましいアラームの音で目覚める衝撃的な場面から始まります 。しかし、そこはいつもの寝室ではありません。粘りつくような眠気、割れるような頭痛、そして自分でもわかるほどの酒臭い息が、昨夜の深酒を物語っていました 。
彼が手をついた床は、ひやりと冷たく硬い感触でした 。周囲は完全な暗闇ではありませんでしたが、頭上のオレンジ色のライトが等間隔で遠くまで並んでいる異様な光景が広がっています 。目が慣れるにつれ、左右をブロック状の湿った石壁に囲まれ 、天井がアーチ状になっている 、長い廊下のような場所にいることがわかりました。屋外にしては空気が薄く、妙な圧迫感があります 。
そして、恐る恐る足元に目をやった大里は、銀色に光る二本の金属、つまり線路が遠くまで延びているのを発見します 。線路に刻まれた『YABITSU RAILWAY TRACK Mt. MOJO TUNNEL』 という文字が、ここがR県の湖隠駅と柿童駅を結ぶ 、全長6kmの『母娘山トンネル』 であることを示していました。
スマートフォンの画面は「AM6:00」 。彼がいたのは『2.3km FROM ENTRANCE KOGAKUSHI』、すなわち湖隠駅側の入り口から2.3km入った地点です 。さらに腕時計が「AM6:09」 を指しているのを見て、大里は血の気が引きます。通常ダイヤであれば、柿童方面の始発電車が6時12分に湖隠駅を出発し 、あとわずか数分でこの場所を通過する計算になります 。
矢比津鉄道は、そのほとんどが単線であり 、この母娘山トンネルも電車一台がやっと通れるほどの広さしかありません 。電車が通過する際のピストン効果による強風 を考えれば、逃げ場は皆無でした。
大里は、ここから一番近い『第二非常口』 へ必死に向かいます。しかし、緊急時には金属の棒を倒せば開くはずの扉 は、なぜか途中でつかえて開きません 。残された唯一の道は、1km先にある『第三非常口』 まで、電車の到着(推定6時20分頃 )より先に、つまり10分以内に走りきることだけでした 。
矢比津啓徳会長と大里社長の対立
大里幸助は、矢比津鉄道に入社してから40年近く、会社のために尽くしてきた人物です 。内勤でありながら現場職員たちと積極的にコミュニケーションを取り 、両者の橋渡し役として強い信頼関係を築き上げてきました 。その人望と能力が評価され、10年前に社長に任命されたのです 。
しかし、そんな彼の上には唯一、社内で絶対的な権力を持つ会長・矢比津啓徳が存在しました 。この二人は、あるプロジェクトをめぐって激しく対立しており、ここ数年はまともに口もきかないほどの冷え切った関係でした 。
矢比津会長は、母娘山トンネル内に新駅を設置し、河蒼湖集落跡地を観光開発する計画 を強引に進めようとしていました。一方、大里社長は、おそらく採算性や安全性の観点から、この計画に強く反対していたと考えられます。
トンネル内を必死で走りながら、大里は昨夜の出来事を思い出します。あれほど対立していたはずの矢比津会長が、なぜか昨夜、自分を夕食に誘ってきたのです 。酒を酌み交わした記憶 はありますが、なぜ今、自分がこんな場所にいるのか。大里の脳裏に「まさかあの爺さん、邪魔者の俺を……」 という、会長に対する強い疑念が浮かんでいました。
人身事故として報道された死
酒がまだ抜けきらない重い体 を引きずり、大里は第三非常口を目指して必死に走ります。湿った枕木は滑りやすく 、数分で息が切れ、心臓が激しく脈打ちます 。
その途中、枕木に付着した赤黒い液体、生臭い血痕のようなもの が目に入りますが、今はそれを気にする余裕はありません。一瞬の油断から足がもつれ、大里は地面に崩れ落ちてしまいます 。その時、とっさについた手で、レールがかすかに振動しているのを感じ取りました 。電車がすぐそこまで来ているのです。
大里は脱兎のごとく駆け出します 。もはや時間の感覚はなく 、無心で足を動かし続けました。やがて遠くに、第三非常口を示す青色の光が見えてきます 。しかし、それと同時に、まるで妖怪の鳴き声のような凄まじい電車の走行音 がトンネル内に反響し始めました。
呼吸も忘れ、無我夢中で段差を駆け上がり、非常扉を開けます 。助かった、と大里が思った、あるいは思う暇もなかったかもしれません。そこで彼が目にしたのは、思いもよらない光景でした 。次の瞬間、大里の意識は完全に消え、二度と戻ることはなかったのです 。
この一件は、R県内で「矢比津鉄道の社長による人身事故」として報道されました 。警察による司法解剖の結果、大里の遺体からは多量のアルコールが検出されたことが判明します 。これらの状況から、大里社長は酒に酔って線路内に迷い込み、誤って始発電車にはねられた、不慮の事故として結論付けられました 。
トンネルに残された奇妙な道具
この「人身事故」には、当初から多くの不可解な点が存在していました。物語の後半、主人公の栗原文宣が警察官の帆石水あかりから聞かされる推理によれば、この事故は到底、単純な事故として片付けられるものではありませんでした。
第一の謎は、電車の運転士の証言です。彼は「いきなり、人が目の前に……」 と語っていました。暗いトンネル内とはいえ、電車のヘッドライトは数百メートル先まで照らすことができます。もし大里社長が線路上を歩いたり、倒れていたりしたのであれば、衝突するもっと手前で運転士が彼を認識できたはずです。
第二の謎は、音の順序の異常です。通常の人身事故では、運転士が線路上の障害物を発見し、「ブレーキ音や警笛」を鳴らした後に「衝突音」が発生します。しかし、今回の事故では、『バンッッ』という強烈な「衝突音」が鳴り響いた直後に、ブレーキ音と警笛が鳴っています 。これは、運転士が衝突の瞬間まで、大里社長の存在に全く気づいていなかったことを示唆しています。
第三の謎は、電車のフロントガラスに付着していた血痕の位置 です。その位置は、栗原が運転席で確認した際、明らかに通常よりも高い場所でした。一般的な電車の車高(約4メートル )や、小柄だとされる大里社長の身長(170cmは超えない )を考慮すると、彼が普通に線路上に立っていた場合に付着する位置とは考えにくい、不自然な高さでした。
そして、これらの謎を解く決定的証拠となったのが、事故現場、つまり第三非常口のすぐ近くに落ちていた奇妙な金属製の道具 です。それは、物干し台の土台に使われるような、両側に三つずつ突起がついたY字型のつっかえ棒 でした。
大里幸助の死の真相
これらの証拠を積み重ねていくと、導き出される結論は一つしかありません。大里幸助の死は、事故ではなく、極めて巧妙に計画された殺人事件だったのです 。これは、後に帆石水あかりが栗原文宣に語った推理 によって裏付けられます。
犯人は、おそらく前夜の終電が通り過ぎた後から始発までの間に 、大里社長を泥酔させ、車か何かで第三非常口の外まで運び込みました 。母娘山トンネルの非常口は、鍵穴の上にある金属の棒(サムターンキー )を操作すれば、内側からだけでなく外側からでも鍵なしで開閉できる特殊な構造 になっていました。犯人はこの構造を熟知しており、大里を抱えてトンネル内に侵入したと考えられます。
そして、始発電車が通過する直前、犯人は第三非常口のすぐそばの線路上に、前述のY字型の金属道具を枕木に固定し 、それを利用して大里社長の体を線路に向かって「立たせた」状態、あるいは腕を固定した状態 で拘束しました。
準備を終えた犯人は、電車が来る直前に非常扉から待避用の通路へ脱出し、扉を閉めて身を隠します 。何も知らずに第三非常口まで必死に走ってきた大里社長は、扉を開けた瞬間、暗闇の中で自分自身が線路上に拘束されている姿、あるいは待ち構えていた犯人の姿という「思いもよらない光景」 を目にし、驚愕したことでしょう。
結果として、運転士からは全く見えない状態から、大里社長の体は高速で突っ込んできた電車のフロントガラス、それも不自然に高い位置に激突しました 。これが、事故に見せかけて大里幸助を殺害するという、冷酷かつ周到な計画の全貌でした。
「変な地図」後半のネタバレ:古地図の謎
- 栗原文宣が追う祖母(知嘉子)の自殺
- 祖母の遺品から見つかった古地図
- 栗原が出会う帆石水あかり
- 閉ざされた河蒼湖集落の秘密
- 大里社長を殺害した意外な犯人
- 犯人が隠蔽したかった過去の事件
- 「変な地図」ネタバレの要点まとめ
栗原文宣が追う祖母(知嘉子)の自殺
物語の後半は、都内の大学で建築学を学ぶ22歳の青年、栗原文宣の視点に移ります 。彼は成績優秀であるものの 、極度の不愛想と正直すぎる性格が災いし、就職活動は全戦全敗でした 。
彼が建築の道を選んだのは、5歳の時に亡くなった母の影響です 。母は大学で建築工学の准教授を務めており 、栗原は幼い頃に母が見せてくれた「紙の筒が辞書を支える」という実験 や、「『なんで?』とか『どうして?』って気持ちがあるから研究をしちゃう」 、「知りたい気持ちは、止められないんですよ~」 という言葉を強く記憶していました。
しかし、栗原は母の話を他人(ひと)にしようとすると、言葉が出なくなり苦しくなる「発作」 を抱えていました。彼が唯一入社を望む「小田笠設計舎」の面接でも、「建築を学ぼうと思った理由」 という質問に答えることができず、宿題として持ち帰っていました 。
そんなある日、栗原は父から、彼が生まれる前に亡くなった母方の祖母・知嘉子 が住んでいた飯田橋の家 を、管理が大変になったために手放そうと思う と告げられます。父は母の死後16年間、一人でその家を管理し続けていたのです 。栗原は、母が大切にしていたというその家を、売却前に一度見てみたいと父に頼みました 。
祖母の遺品から見つかった古地図
父と共に訪れた飯田橋の家で、栗原の鋭い観察眼が光ります。彼は、父がトイレへ向かう際、玄関から廊下を通る最短ルート を使わず、わざわざ居間を経由する遠回りをした ことに気づきます。
栗原は家の中を観察し、他の部屋はきれいに掃除されているにもかかわらず、浴室と脱衣所だけがひどく埃っぽい ことを見抜きます。さらに、浴室に設置された縦型の手すり が、通常負荷がかかるはずの上部ではなく、下部の留め具が壊れかかっている という不自然な点を発見します。
これらの状況証拠から、栗原は「お祖母さんは、あの浴室で自殺したのではないでしょうか」 、それも「ロープ(かそれに類するもの)を手すりに結んで、下方向に全体重をかけた。つまり、首を吊るのに使用した」 と推理します。
栗原の的確な指摘に、父は観念し、ついに重い口を開きました。祖母は最初、浴室でリストカットを試みましたが死にきれず 、その後、浴室の外でロープを探しましたが見つからなかったため 、針金 を手すりに結んで首を吊った という衝撃の事実を告白したのです。
さらに栗原は、祖母の仕事部屋(祖母は若い頃測量士で、引退後は大学で測量学の教授をしていた )で、床についた擦り傷 を手がかりに重い本棚を動かし 、壁との隙間に隠されていた封筒 を発見します。中には、黄ばんで水に濡れたように歪み 、右上に血痕のようなシミ がついた、不気味な妖怪が多数描かれた「変な地図」 が入っていました。父は、祖母がこの地図を手に持ったまま亡くなっていた ことを打ち明けます。
栗原が出会う帆石水あかり
栗原は父との会話から、この「変な地図」は、祖母の遺体を発見した栗原の母が、警察が来る前に現場から持ち去り 、本棚の裏に隠したものだ と推理します。そして、母もまた、祖母の自殺の謎を解くために、この地図を手がかりに調査を続けていた のだと確信しました。
栗原は実家の母の部屋で、母の調査記録であるスヌーピー模様の小さなメモ帳 を発見します。そこには、祖母が死の直前、調査内容を記したノートを庭で燃やしていた こと、そのノートの最後には15枚の写真 が貼られていたこと、そして母が6年もの歳月をかけ、日本地図との照合の末に、古地図に描かれた場所が「R県 柿童地区」 の「河蒼湖集落」 であることを突き止めた経緯が記されていました。
母が調査を突き止めたのは1997年7月15日 。そのわずか1ヶ月後、栗原の妹・沙耶を出産した直後に母は亡くなりました 。母が果たせなかった現地調査。栗原は、幼い頃に聞いた母の「知りたい気持ちは、止められないんですよ~」 という言葉に背中を押され、調査を引き継ぐことを決意します。
栗原は高速バス と電車を乗り継ぎ、R県へと向かいます。矢比津鉄道の伊乃田駅 で、乗車マナーの違い から酔った乗客(シゲル )に絡まれていたところを 、一人の快活な女性に助けられます 。彼女こそが、R県警の警察官、帆石水あかり でした。栗原が「河蒼湖集落の跡地」 へ調査に行くと告げると、あかりは自分の実家が営む旅館「帆石水亭」 が最寄りの湖隠駅 にあるからと、宿泊を勧めてくれたのです 。
閉ざされた河蒼湖集落の秘密
帆石水亭に宿泊することになった栗原は、旅館が深刻な経営難に陥っており 、矢比津鉄道の会長・矢比津啓徳から多額の借金をしているらしい ことを知ります。
夕食の席で、栗原が「河蒼湖集落」 について調査していると話した途端、あかりの父(主人・永作 )は明らかに動揺 し、あかりが矢比津鉄道による観光開発計画 の話をしようとすると、「矢比津さんに関することは何も言うな」 と厳しく遮りました。
後にあかりから聞いた話では、数日前に矢比津会長が旅館を訪れ、主人と二人で「河蒼湖の開発」 や何らかの「秘密」 について話し込んでいたというのです。その際、会長は「紙は破いておく」 、「あんたも家族が大事だろ?」 といった、脅迫めいた言葉を残していました 。
翌朝、栗原は電車で人身事故 (大里社長の事件とは別)に遭遇するというアクシデントに見舞われながらも、第三非常口 から国道に出て、母娘山の登山道 を経由し、ついに河蒼湖集落の跡地 にたどり着きます。そこは、建物の屋根が剥がれ落ち 、すべてが「死骸」 のように朽ち果てた場所でした。
栗原は、集落に残された三角屋根のお堂で 、一冊の手記(『中上高見子の手記』 )を発見します。そこには、この集落が山と海に囲まれた閉鎖的な共同体 であったこと、極端な男尊女卑の風習 がまかり通っていたこと、そして女性たちは山の「魔」(古地図に描かれた妖怪 )から集落を守るという名目で、湖のほとりに石塔を造り続ける「石造り」 という過酷な労働を強いられていた という、衝撃的な過去が記されていました。
そして、栗原の祖母・沖上知嘉子 は、この閉ざされた河蒼湖集落の出身者だったのです。
大里社長を殺害した意外な犯人
栗原が河蒼湖集落の跡地で手記を読み解いている頃、帆石水亭では、あかりの父・永作が、矢比津会長の脅迫 に怯えながらも、栗原にすべてを話す決意を固めていました。
旅館に戻った栗原に対し、永作は重い口を開きます。彼が語ったのは、大里社長の「人身事故」の真相でした。あの日、早朝に旅館の前で不審な物音を聞いた永作は、大通りを走り去る黒塗りのセダン(夜中に栗原が目撃したもの と同じ車)を目撃します。不吉な予感を覚えた彼は、第三非常口の出口(国道側)へ向かいました。すると、そこから一人の男が出てきたのです。
その男こそ、大里社長の死の数時間後、栗原が遭遇した人身事故の現場で、乗客の避難誘導をしていた矢比津鉄道の駅員・スガワラ でした。
さらに永作は、スガワラが矢比津啓徳会長の愛人に産ませた「隠し子」であり、スガワラは会長の指示を受けて大里社長を殺害したのだと告白します。
犯人が隠蔽したかった過去の事件
全ての事件の根底にあったのは、矢比津啓徳会長の歪んだ家族愛と、会社の後継者問題でした。
会長はかつて、一人息子の雅也 を後継者として期待し、可愛がっていました。しかし、雅也はあかりの弟でもありましたが、幼い頃に交通事故で亡くなってしまいます 。
跡取りを失った会長は、社長として人望を集める大里派 に会社を乗っ取られることを極度に恐れ、長年その存在を隠してきたスガワラを呼び寄せ、後継者として密かに教育し始めました。
会長が強引に進めようとしていた河蒼湖の観光開発計画 は、スガワラに実績を積ませるためのものでした。しかし、この計画に大里社長が真っ向から反対。自らの地位と父の計画を守るため、スガワラは会長の指示(あるいは意を汲んで)を受け、大里社長の殺害を実行に移したのです。
一方で、栗原の祖母・知嘉子の自殺は、この殺人事件とは直接的な関連はありませんでした。彼女は、手記にあったように 、若い頃に測量学を学び、故郷である河蒼湖集落を離れていました。しかし晩年、何らかの理由で自らのルーツである集落について再調査を始めます 。
その過程で、知嘉子は、集落が迎えたであろう悲惨な末路(母が発見し、燃やしてしまったノート と、そこに貼られていた15枚の写真 に記録されていた「真相」)にたどり着いてしまいました。その内容があまりに辛く、衝撃的なものであったため、彼女は生きる希望を失い、自ら命を絶つ道を選んだ と考えられます。
栗原が発見した「変な地図」 は、若き日の知嘉子が測量技術を駆使して描いた「集落の地図」 と、集落に伝わる「魔」(妖怪)が描かれた「山の地図」 (調査に訪れた学者ジュンから譲り受けたもの)を、知嘉子の父によって破られた 後、友人の高見子(手記の筆者)が修復のために貼り合わせた ものだったのです。
「変な地図」ネタバレの要点まとめ
- 「変な地図」は前半と後半で主人公が異なる二部構成
- 前半の主人公・大里幸助は矢比津鉄道の社長
- 大里社長は母娘山トンネルの線路上で目覚める
- 始発電車が迫る中、脱出を試みるが死亡
- 大里の死は当初、人身事故として処理された
- 後半の主人公・栗原文宣は建築学を学ぶ大学生
- 栗原は亡き母と祖母の過去の謎を追う
- 栗原は祖母の遺品から血痕のついた「変な地図」を発見
- 地図に描かれた場所は「河蒼湖集落跡地」と判明
- 栗原は調査のためR県へ向かい、警察官の帆石水あかりと出会う
- 大里社長の死は駅員スガワラによる計画殺人だった
- スガワラは矢比津啓徳会長の隠し子
- 動機は、会長の後継者問題と観光開発計画への反対
- 犯人はY字型の道具を使い、大里を線路上に立たせて電車に衝突させた
- 「変な地図」は栗原の祖母・知嘉子が過去に作成したものだった
- 知嘉子は閉鎖的な河蒼湖集落の出身
- 知嘉子は故郷の悲惨な末路を調査で知り、絶望して自殺した


