【本物のファンは私だけ】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

3話では、麻衣がアヤをカフェに呼び出し、尾行して撮影した鷲尾くんがマンションに入る決定的な写真を突きつけました。麻衣は「若手俳優にとって女はマイナス」とアヤを精神的に追い詰め、鷲尾くんの夢を壊したくないアヤは「鷲尾くんに彼女はいないほうがいい」と、麻衣の前で屈服してしまいます。麻衣はアヤに「勝った」と確信し、勝利に酔いしれていました。
【本物のファンは私だけ】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
アヤの監視と、新たな計画
アヤを屈服させた麻衣ですが、彼女の行動は止まりません。鷲尾くんのSNS(Onstagram)を眺めながら、「鷲尾くんと 繋がりたい・・・」という思いは募るばかりです 。
麻衣は、鷲尾くんがよく「スナバ」の飲み物を投稿していることに目をつけます 。(鷲尾くん よくスナバ 飲んでるし・・・)と、彼がよく行くであろう店で待ち伏せをすれば会えるかもしれない、と考え始めます。
一方で、麻衣はアヤのSNSアカウントも監視していました。すると、アヤのアカウントが「このアカウントは削除されました」と表示されているのを発見します 。麻衣は(あの女 垢消し したのね)と、自分の攻撃の成果を確認します 。
しかし、アヤがSNSから消えたことで、彼女の動向を探ることができなくなりました 。麻衣は、アヤが「実は今度引っ越す予定なんです」と言っていたことを思い出し 、アヤを追うよりも確実な方法を選ぶことにしました。それは、鷲尾くんの「出演情報的に 張り込む日を 絞り込める」と判断し、彼本人を直接待ち伏せするという計画でした 。
奇跡の遭遇と、神対応
鷲尾くんへの想いを募らせる麻衣は、ついに張り込みを実行します 。すると、信じられないことが起こりました。麻衣が張り込んでいた場所の目の前を、なんと私服姿の鷲尾くん本人が通りかかったのです 。
麻衣は(・・・嘘でしょ・・・)と心臓が止まるほど驚きながらも、このチャンスを逃すまいと勇気を振り絞ります 。
「あのっ・・・」「鷲尾くん・・・?」 。
声をかけられた鷲尾くんは、麻衣の方を振り返ります。麻衣は興奮で声が震えるのを抑えながら、「私鷲尾くんの 大ファンなんです・・・!」「まさか偶然 会えるなんて・・・」と必死に想いを伝えました 。
すると、鷲尾くんは「はい」と優しく微笑み、驚くべき言葉を返します。「いつも 応援していただき ありがとうございます」「僕も嬉しいです」 。それだけではなく、麻衣の手を取り、握手までしてくれたのです 。
麻衣は夢見心地でした。(鷲尾直也が今「私だけを見て」「私だけのために 声を発してる・・・!」) 。
「剣がしもいない 隔てる物もない」距離で、(鷲尾直也が こんな近くに・・・!!)と、彼の存在を全身で感じていました 。
鷲尾くんは「じゃあ 僕はこれで」と爽やかにその場を去っていき、麻衣は「あっはい ありがとうございました!」と、彼の背中を見送ることしかできませんでした 。
歪んでいく優越感
鷲尾くんが去った後も、麻衣はその場から動けませんでした。握手した手の感触を胸に当て、「鷲尾くん・・・!」と涙ぐみ、奇跡のような出来事の余韻に浸っていました 。
後日、麻衣は別の俳優・衣川くんの誕生日イベントに参加します 。ゲストとして鷲尾くんも登壇していましたが、麻衣の心は満たされません 。
(この前は 近かったな)(でも会場だと やっぱり遠い・・・) 。
一度「特別な距離」を経験してしまった麻衣の思考は、危険な方向へと加速していきます。彼女は、あの日偶然会えたのは運命であり、自分こそが鷲尾くんの『オキニ』(お気に入りのファン)なのだと確信するようになります 。
(たとえあの女と まだ付き合っていたとしても 私が負けるわけがない)(奪えばいいのよ)と、アヤから鷲尾くんを奪うことを決意しました 。
麻衣の優越感は、他のファンへも向けられます。衣川くんのファンを(私みたいなファンが いたらよかったのにね)と見下し 、鷲尾くんの自作ぬいぐるみを(通称:ぬい)持ち歩くファンたちには、(ぬいオタクって 理解できないわ) 、(本物の 代わりでしか ないでしょ)と、自分だけは彼女たちとは違う「本物」だと信じ込んでいました 。
勝利の祝杯と、絶望の通知
麻衣はすっかり勝利した気でいました。ワイングラスを片手に、鷲尾くんが自分を「麻衣・・・」と呼んでくれる甘い妄想に浸ります 。
(そしていずれは・・・・・・)(本物のファンは ワタシだけ) 。
彼女が恍惚とした表情で、自分の勝利を確信した、まさにその瞬間でした。
スマートフォンの通知が鳴ります 。時刻は20時01分 。
麻衣は「鷲尾くんからの お知らせだ!」と胸を躍らせ、その通知を開きました 。
しかし、画面に表示されたのは、彼女が待ち望んでいた「オキニ」へのメッセージではありません。
「私事ではございますが、結婚しましたことを ご報告させていただきます」 。
それは、鷲尾直也の公式アカウントからの、ファン全体に向けた「結婚報告」でした 。
信じられない現実に、麻衣は「・・・は?」と、ただ呆然とするしかありませんでした 。
【本物のファンは私だけ】4話を読んだ感想(ネタバレあり)
第4話は、麻衣の「勝利」が最高潮に達した瞬間に、すべてが崩れ落ちるという、まさに天国から地獄へのジェットコースター展開でした。
鷲尾くん本人との偶然の遭遇、そして握手という「神対応」 。ファンであれば誰もが夢見るような状況に、麻衣が(私だけを見て)と感激するシーンは、彼女の純粋な喜びが伝わってくるようでした 。この瞬間だけは、彼女の行動に共感しかけた読者もいるのではないでしょうか。
しかし、この「奇跡」が、彼女の歪んだ選民意識を決定的にしてしまいました。他のファンを「コイツらとは違う」と見下し 、「私は鷲尾くんのオキニなんだ」と本気で信じ込んでしまう姿は、読んでいて痛々しさを感じます 。
そして、あまりにも強烈な最後のどんでん返し。麻衣が(本物のファンはワタシだけ)と勝利の祝杯をあげている、まさにその瞬間に突きつけられる「結婚しました」の現実 。この対比と落差は本当に見事としか言えません。麻衣の「・・・は?」という一言が 、彼女の全ての感情と思考が停止したことを物語っていて、鳥肌が立ちました。彼女が信じてきた「本物」とは何だったのか。次回の麻衣の行動が全く予想できません。
【本物のファンは私だけ】4話のネタバレまとめ
- アヤがSNSアカウントを削除したことを確認した麻衣は、鷲尾くん本人を待ち伏せする計画に変更する 。
- 張り込み中、偶然にも私服の鷲尾くん本人に遭遇することに成功する 。
- 麻衣がファンだと伝えると、鷲尾くんは「ありがとうございます」と笑顔で握手に応じるという「神対応」を見せた 。
- この出来事で自分は「オキニ(お気に入り)」だと確信した麻衣は、アヤから鷲尾くんを「奪えばいい」と決意を固める 。
- 他のファンを「本物ではない」と見下し、自分こそが唯一の「本物のファン」だと勝利の妄想に浸っていた 。
- その直後、鷲尾くんの公式アカウントから「結婚報告」の通知が届き、麻衣は絶望の淵に突き落とされる 。
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