漫画【棲ミタイ街】15話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

14話では、廃墟で宮下源治の焼死体と遺書などが発見され、捜査本部は彼をカオトリと断定しました。しかし、深見は他殺と偽装工作の可能性を強く疑います。一方、ラストシーンでは、深見の祖父の姿と、カオトリの黒幕「先生」と思われる人物が「罪人と器が必要です」と語る場面が並行して描かれ、祖父と事件の関連性が強く示唆される衝撃的な場面で物語は終わりました。

【棲ミタイ街】第15話をネタバレありでわかりやすく解説する

「カオトリは他にいる!」捜査本部との対立

物語は、会議に出られなかった深見と青木が、同僚の三宅から状況の説明を受ける場面から始まります。

三宅は、渋谷で見かけた不審な男(神保正道)を追って廃屋にたどり着いたこと、そこになぜか宮下源治の焼死体があったことを報告します 。さらに、宮下の自宅から遺書や犯行計画書、貸倉庫から凶器が発見されたため、捜査本部は宮下源治を「カオトリ」と推定し、捜査を進める方針であることを二人に伝えました

この捜査本部の方針に対し、納得できない青木は「カオトリは 他にいる!」と、いら立ちを隠せません

嘘をまとう女将・藤田美優との心理戦

場面は変わり、取調室。深見は、渋谷署に出頭してきた女将の藤田美優と対峙しています。

深見は、美優が以前の聞き込み(第5話)で「村本さんと石田さんの ことは 覚えてない」と証言したにもかかわらず、今回は宮下のストーカー被害を詳細に語っている矛盾を指摘します

しかし、美優は「ああそれは 急に刑事さんが 来はったんで びっくりして 思い出されへん かっただけす」と、笑顔でかわそうとしました

暴かれた20年前の過去

深見は冷静に「そのしゃべり方 やめろ」「京都出身じゃ ないことは わかってるんだ」と、彼女の嘘を追及します

さらに深見は、「藤田さんは 20年前 青少年育成条例違反で 逮捕されてますよね」と、彼女が隠していた過去を突きつけます 。記録によれば、渋谷で未成年に声をかけ、女子高生の下着を販売するブルセラショップに関わっていたようです

図星を突かれても、美優は「若気の至りです」と悪びれる様子を見せません 。深見が神保正道の写真を見せても、「しりません」とシラを切り通しました

「お守り」から閃いた『沓掛』の謎

美優が「これ任意ですよね」と取調室を出ていこうとした、その瞬間。深見の目は、美優のカバンに付けられた一つのお守りを見逃しませんでした

お守りを見た途端、深見の脳裏に、忘れていた記憶が鮮明に蘇ります。

祖父の警告と忘れられた風習

お守り…靴(くつ)…そして『沓掛(くつかけ)』

深見は、幼い頃に祖父から「沓掛には 行ったらだめだぞ」「神様に 怒られる からじゃ」と、強く警告されていたことを思い出しました

「ちょっと 調べものしてきます」と警察署を飛び出した深見は、記憶を頼りにおおわし川のほとりにある『沓掛』と呼ばれる場所へ向かいます 。昔は今のように整備されておらず、森や川など、子供が入ると危険な場所だったようです

そこで彼女は、草むらに隠れるようにして佇む一体の「道祖神」を発見しました

事件の核心『儀式』と『靴のお供え』

その道祖神の足元には、古い草履や子供用の靴などが、数多く供えられていました

沓掛とは、「安全祈願と 死んだ子供の 供養として」「神さまに 履物や靴を お供えする場所だった」のです

これまでの事件で、被害者のものと思われる靴が現場に丁寧に置かれていた(第1話、第3話)ことを思い出し、深見は戦慄します。「つまりあれも 神様へのお供え物という 意味なのか?」

この街は開発によって整備される過程で、「過去が隠されていきました」 。深見は、この街の過去には沓掛のような「『因習』があったんじゃ ないか」と推測します 。そして、この連続殺人事件が、やはり『何かの儀式』であると確信を強めました

元夫・健吉が語る「柳下教授」の存在

儀式の謎を解明するため、深見は儀式の専門家、すなわち元夫の健吉に電話をかけます 。幸い、今回は電波状況が良いようです

深見が、おおわしで起きている事件が「何かの儀式なんじゃ ないかって…」と意見を求めると 、健吉も「僕も気になっていた」「おおわしって 土地には 何かあると思う」と同意します

そして、健吉は「学生の時 柳下教授っていたろ 覚えてない?」と、ある人物の名前を口にしました 。彼は健吉のゼミの教授で、日本各地の古い因習や儀式の研究をしていた人物だといいます

深見は「儀式を調査すれば カオトリの目的が 解明されるはずです」と、新たな捜査の糸口を掴み、青木に提案するのでした

【棲ミタイ街】15話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、捜査本部の見当違いな結論と、深見が掴んだ事件の核心的な「儀式」の謎が、見事な対比で描かれた回でした。

前半の藤田美優との心理戦は、非常に見ごたえがあります。20年前の過去を突きつけられても「若気の至りです」と笑顔を崩さない美優の不気味さは、彼女がまだまだ何かを隠していることを感じさせました。

しかし、圧巻だったのは後半の展開です。美優の「お守り」から、深見の記憶に眠っていた『沓掛』というキーワードが蘇り、事件現場に残された「靴」の意味と繋がった瞬間は、ミステリーとして最高のカタルシスを感じました。

これまで「住みたい街」としてクリーンなイメージだったおおわしの丘に、「因習」という暗い過去が隠されていたことが示唆され、物語の奥行きが一気に深まったと思います。そして、元夫・健吉から語られた「柳下教授」という新キャラクター。彼が、カオトリの儀式を解明する鍵になるのか、目が離せません。

【棲ミタイ街】15話のネタバレまとめ

  • 捜査本部は、遺書や凶器が発見された宮下源治を「カオトリ」と推定しますが、青木と深見は納得しません 。
  • 深見は、出頭してきた女将・美優の嘘と20年前の前科を暴きますが、美優は神保との関係を「しりません」と否定します 。
  • 美優が持っていた「お守り」をきっかけに、深見は幼い頃の記憶から『沓掛』という場所を思い出します 。
  • 『沓掛』は、死んだ子供の供養のために「靴」を供える道祖神の場所でした 。
  • 深見は、事件現場の靴も『儀式』のお供え物であり、この街の『因習』が事件の背景にあると推理します 。
  • 元夫・健吉から、儀式に詳しい「柳下教授」という人物の存在が明かされます

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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