漫画【棲ミタイ街】17話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

16話では、深見と青木が歴史民俗学者の柳下教授を訪ねました。そこで、おおわしの丘がかつて『青鷲(あおわし)』と呼ばれ、「葬送」の意味を持つ土地であったこと、そして過去には「人間の顔面を切り取り神に捧げる」恐ろしい儀式『青鷲の儀』が行われていたことが判明します。さらに、イーグルモール開発時に発見された「遺跡」が隠蔽されていた事実も明らかになりました。
【棲ミタイ街】第17話をネタバレありでわかりやすく解説する
25年前に隠蔽された「遺跡」の真実
柳下教授の話を受け、深見と青木は「イーグルモール」の建設時に隠蔽された「遺跡」の調査を始めます。当時、丘があった場所は、建設時に遺跡が出たという噂があったにもかかわらず、発掘調査もされずに建設が進められていました 。二人は、この地に「何かが 埋まったまま…」 であることを確信し、当時の工事を担当した「玉出土木建設」へと向かいます 。
二代目社長は「25年前の 工事ですからね そんな記録 あったかな…」と頼りない様子ですが 、そこに勤続40年のベテラン作業員・幹夫さんが現れます 。
幹夫さんは「確かに 出てきたよ」「今イーグルモールの あるところだろ 遺跡っぽい石が 出てきてねー」と、当時の状況をあっさりと証言しました 。
建設会社が語る「上」からの圧力
幹夫さんによれば、現場ではその石が「こりゃあ 沓掛の石じゃねえか」と噂になっていたといいます 。
当時の社長(創設者)は、「やるならちゃんと 調査して お祓いもしたい」という考えでしたが 、『上』からの圧力で工事の中断は許されませんでした 。幹夫さんは「俺たちにゃ 断ることは できねえから…」と、逆らえない状況だったことを語ります 。
結局、社長は「壊すと バチがあたる」と恐れ、その石を密かに河川敷へ移設したのでした 。
補修された石に刻まれた「儀式の目録」
二人が河川敷へ向かうと、そこには第15話で深見が見つけた、あの道祖神(沓掛石)がありました 。幹夫さんは、元々ボロボロだった石を「俺が きれいに補修 したんだけど」「ちょっと きれいにしすぎ ちゃったんだよね」と笑います 。
幹夫さんは補修時、石の裏側に何か文字が彫られていることに気づいていましたが、補修材でそのまま埋めてしまったと語ります 。それを聞いた深見は、補修材を削れば文字が読めるかもしれないとひらめきました 。
沓掛石が示す「罪深き五人の面」
なんと二人は、その沓掛石を柳下教授の元へ持ち帰ります 。
柳下教授が石を鑑定すると、100年~150年程前のものだと判明します 。そして、石の裏に刻まれていた文字を解読し始めました。
そこには『ここに 供物とある…』 と記され、供物の内容として「姦通者 不義密通者 下手人等」といった文字が並んでいました 。
柳下は「罪深き五人の面…と ある」と読み解き 、これは40年前に老婆が語った儀式の内容と合致する 、儀式の詳細を記した『目録』のようなものだろうと推測します 。
儀式の目的は「復活」?新たなる犠牲者の予告
石碑に刻まれた儀式の全容は、衝撃的なものでした。
『罪深き五人の面 穢れなき器に注ぎ 青鷲の神に奉げる すれば 鳥はまた飛ぶ』
青木は「つまり 顔面を切り取って 神様に捧げるって ことですかね」と確認します 。深見は「穢れなき器」とは何かと尋ね 、柳下は「何か特別なものを器に するということだろう」と推測しました 。
さらに「鳥はまた飛ぶ」という一文から、深見は「復活って 意味じゃないでしょうか?」と仮説を立てますが、青木は「蘇るわけねえだろ」と一蹴します 。
深見は、カオトリがこの儀式に沿って犯行を行っていると結論付けます 。被害者の村本と石田が『罪人』であり 、儀式の完遂には「少なくとも あと3人」の犠牲者が必要だと推測するのでした 。
父が知る「あの事件」と不穏な影
その夜、深見は自宅で父(祖父)と顔を合わせます。父は「おまえにまた 何かあったらと 心配してるんだ」と、娘の身を案じていました 。
深見は、小料理屋の女将・藤田美優が昔ブルセラショップをやっていたという、捜査情報をうっかり父に漏らしてしまいます 。
父は「この事件まだ 続くのか?」と尋ね 、深見は「うん…まだ 終わってない と思う」と答えます 。父は娘の覚悟を受け入れ、「利一のことは 俺にまかせておけ」「悔いがないように やれ…」と彼女を送り出しました 。
深見が部屋に入った後、父は一人、ニュースを見ながら「藤田美優…」「あの事件と 関係があるのか…?」と、何かを知っている様子で不穏に呟くのでした 。
【棲ミタイ街】17話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、ついに儀式の具体的な内容が判明し、事件の輪郭がはっきりと見えてきた回でした。
25年前の遺跡隠蔽という、現代の闇が過去の因習と繋がっていく展開が非常に巧みです。幹夫さんが良かれと思って「きれいに補修した」ことが、結果として石に刻まれた儀式の詳細を隠してしまっていたという皮肉には、唸らされました 。
そして、深見と青木がその沓掛石を柳下教授の元へ「そのまま持ってくる」という、常識外れな行動力には笑ってしまいました 。罰当たりだと怒りながらも、嬉々として石を鑑定する柳下教授も魅力的です。
石に刻まれていた「罪深き五人の面」 、「穢れなき器」 、「鳥はまた飛ぶ」 というキーワードは、新たな謎を提示すると同時に、カオトリの目的が「あと3人」の顔面を集めることだと示唆しており 、背筋が寒くなりました。
最後のシーン、深見の父が「あの事件」という意味深な言葉を口にしたのも気になります 。彼は一体何を知っているのか。優しい祖父の顔の裏に、街の暗部を知る元刑事の顔が見え隠れする、不穏なエンディングでした。
【棲ミタイ街】17話のネタバレまとめ
- イーグルモール建設時の担当者・幹夫さんから、25年前に『沓掛石』と呼ばれる遺跡が発見されていたことが判明します 。
- 当時の社長は「上」の圧力で調査を断念し、石を河川敷に移設していました 。
- 幹夫さんが補修した石の裏側を削ると、儀式の詳細が刻まれていました 。
- 石には、儀式に必要な供物が「罪深き五人の面」であると記されていました 。
- 儀式の目的は「五人の罪人の面を 穢れなき器に注ぎ 神に捧げれば 鳥はまた飛ぶ(=復活?)」というものでした 。
- カオトリの儀式完遂には「少なくとも あと3人」の犠牲者が必要である可能性が浮上します 。
- ラストシーンで、深見の父が「藤田美優」と「あの事件」という言葉を結び付け、過去に何かを知っていることが示唆されます 。
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