【イクサガミ】原作ベースでキャラクターの相関図を解説

Netflixドラマや原作小説で話題の「イクサガミ」。明治時代を舞台にした壮大な物語は、非常に多くの登場人物が複雑に絡み合い、その関係性を追うだけでも読み応えがあります。
主人公の嵯峨愁二郎と、彼が守る少女・双葉。愁二郎を追う京八流の義兄弟たちと、宿敵・幻斎。そして、このデスゲーム「蠱毒」を仕組んだ黒幕と政府の要人たち。
この記事では、「イクサガミ」の複雑な人間関係を解き明かすため、登場人物たちの相関図を分かりやすく整理し、それぞれの立ち位置や関係性についてネタバレを含みつつ解説していきます。
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- 主人公・愁二郎と仲間たちの関係
- 京八流の義兄弟と宿敵の相関
- 蠱毒の参加者と敵対者の概要
- 物語の黒幕と政府側の人物像
イクサガミ相関図:主人公と仲間
- 主人公・嵯峨愁二郎
- ヒロイン・香月双葉
- 仲間・柘植響陣
- 京八流 義兄弟との関係
- その他の蠱毒の参加者
主人公・嵯峨愁二郎
本作の主人公であり、京八流(きょうはちりゅう)という古流剣術の卓越した使い手です。かつて幕末の動乱期には「人斬り刻舟(ときふね)」と恐れられたほどの剣客でしたが、多くの命を奪ったことへの悔恨から、人を斬ることに強い嫌悪感を抱くようになります。
そして、流派の継承者を決めるための義兄弟同士の殺し合い「継承戦」を拒否し、全てを捨てて逃亡したという過去を持っています。
物語開始時点では、故郷の村がコレラに侵され、妻子も病に倒れている状況を救うため、莫大な賞金十万円(現代価値で46億円以上)を求め、デスゲーム「蠱毒」への参加を決意します。
ドラマ版では岡田准一さんが演じており、その卓越した剣術と、守るべき者のために再び剣を握らなくてはならない葛藤が、物語の中核として描かれます。
ヒロイン・香月双葉
愁二郎が「蠱毒」開始直後の京都・天龍寺で出会い、旅を共にすることになる12歳の少女です。彼女もまた、丹波(亀岡)でコレラに罹患した母を救うための薬代を稼ぐために、無謀にも蠱毒に参加しました。
戦闘力は皆無であり、過酷なデスゲームの中では最も弱い存在です。しかし、その純粋さや、誰も傷つけさせたくないと願う優しさが、殺伐とした参加者たちの中で異彩を放ちます。
愁二郎をはじめ、響陣やカムイコチャなど、多くの実力者たちが彼女を守ろうとすることで、物語に大きな影響を与えていきます。彼女の「誰も殺さない」という姿勢は、ゲームの主催者側にとっても想定外の「イレギュラー」な存在として注目されます。
原作小説では、多くの仲間たちの犠牲の末、最終的に彼女一人が賞金を手にする到達者となりました。ドラマ版では藤﨑ゆみあさんが演じています。
仲間・柘植響陣
元伊賀忍者の柘植響陣(つげ きょうじん)は、愁二郎と双葉が最初に出会う仲間の一人です。天龍寺で双葉に自分の木札を譲るなど、当初から謎めいた行動を見せます。
陽気な上方訛りで話し、飄々とした態度を見せますが、その実態は冷静沈着な策士です。戦闘能力も高いですが、彼の真価は情報収集、潜入、暗号解読といった伊賀忍びとしての諜報活動にあります。
愁二郎たちと利害が一致することから同盟を結び、行動を共にします。その過程で、この「蠱毒」の背後に隠された巨大な陰謀、そして黒幕の正体に迫っていきます。
原作では、吉原で働く幼馴染・陽奈を人質に取られるという苦悩も描かれ、最終的には愁二郎たちを先に進ませるために壮絶な最期を遂げます。ドラマ版では東出昌大さんが演じました。
京八流 義兄弟との関係
愁二郎の背景と物語の核心を語る上で欠かせないのが、京八流の義兄弟たちの存在です。京八流には、選ばれた8人の義兄弟が最後の1人になるまで殺し合う「継承戦」という非情な掟がありました。
愁二郎はこの殺し合いを拒否して逃亡したため、彼を含む生き残りの義兄弟たちは、流派の始末人・岡部幻斎から追われる身となります。
| 義兄弟 | 奥義(原作) | 備考 |
| 赤池一貫 | 北辰(眼) | 故人。愁二郎に奥義を託す。 |
| 嵯峨愁二郎 | 武曲・北辰 | 主人公。継承戦を拒否。 |
| 三助 | 禄存(耳) | 聴覚特化。幻斎から彩八を守り死亡。 |
| 化野四蔵 | 破軍 他 | 義兄弟最強格。幻斎を倒すが刀弥に敗れる。 |
| 風五郎 | (不明) | 故人。幻斎に殺害された。 |
| 甚六 | 貪狼(防御) | 防御特化。愁二郎を守り死亡。ドラマ版は岡崎体育さん。 |
| 七弥 | (不明) | 故人。妻子と共に幻斎に殺害された。 |
| 衣笠彩八 | 文曲(虚像) | 義兄弟の紅一点。幻斎に敗れ死亡。ドラマ版は清原果耶さん。 |
「蠱毒」には、愁二郎、三助、四蔵、甚六、彩八という生き残りの義兄弟が参加していました。彼らは、愁二郎への恨みや誤解、そして幻斎という共通の敵を前に、時に敵対し、時に共闘するという複雑な関係性の中で、それぞれの運命と向き合うことになります。
その他の蠱毒の参加者
「蠱毒」には当初292名もの猛者が参加しており、その中には愁二郎たちと深く関わる主要な参加者も数多く登場します。
菊臣右京(きくおみ うきょう)
没落した名家の誇りを取り戻すために参加した、美しき剣豪。正々堂々とした戦いを好み、弱い者いじめを許さない高潔な人物です。序盤で双葉を助けたこともあります。物語序盤、貫地谷無骨との戦いに敗れ死亡。ドラマ版では玉木宏さんが演じました。
貫地谷無骨(かんじや むこつ)
金よりも血を求める戦闘狂。「乱切り無骨」の異名を持ちます。愁二郎との戦いを渇望し、執拗に追い続けます。原作『人』編で愁二郎と蒸気機関車での死闘を演じ、戦いの中で死ねることに満足して最期を迎えます。ドラマ版では伊藤英明さんが演じました。
カムイコチャ
アイヌの戦士。和人に奪われた故郷の土地を取り戻すための大金(34,300円)を求めて参加。「子供は殺さない」というアイヌの掟を持ち、双葉を守るため最強の敵・天明刀弥に挑みます。ドラマ版では染谷将太さんが演じました。
ギルバート
英国陸軍軍人。友好的な人物で、愁二郎たちと情報を交換することもありました。原作終盤、双葉を逃がすために天明刀弥に挑み、故郷の妻子に誇れる戦いとして命を落とします。
狭山進次郎(さやま しんじろう)
当初は愁二郎を襲うチンピラの一人でしたが、捕らえられた後、蠱毒の「失格」ルールを探るための実験台とされます。双葉の優しさに触れて改心し、原作『人』編では銃を手に覚醒。双葉を守るために格上の敵を倒す成長を見せました。
イクサガミ相関図:敵と黒幕
- 宿敵・岡部幻斎
- 最強の敵・天明刀弥
- 刺客・人斬り半次郎
- 政府の要人・大久保利通
- 黒幕・川路利良
宿敵・岡部幻斎
岡部幻斎(おかべ げんとうさい)は、京八流の「お目付け役」であり、流派の掟を破った愁二郎たち義兄弟全員を抹殺するために送り込まれた始末人です。
「仕込み杖の爺さん」として蠱毒に参加し、その老獪さと圧倒的な実力で愁二郎たちを苦しめます。
原作では、愁二郎の義兄弟である三助、七弥、風五郎、一貫(直接ではないが)を殺害し、彩八にも致命傷を負わせた、京八流にとって最大の宿敵です。
愁二郎たち義兄弟の奥義や癖を知り尽くしており、その知識と経験に裏打ちされた剣術は、最強クラスの実力を誇ります。
原作では、義兄弟最強の四蔵との死闘の末に倒されました。ドラマ版では阿部寛さんが演じています。
最強の敵・天明刀弥
天明刀弥(てんみょう とうや)は、原作小説において最強の敵として君臨する剣士です。彼は戦いの中で相手の技を吸収し、無限に強くなっていくという、規格外の戦闘才能を持っています。
黒幕の川路利良とは一切関係がなく、ただ純粋に強者と戦うことだけを求めて蠱毒に参加しました。
原作の後半戦では、カムイコチャ、ギルバート、そして義兄弟最強の四蔵といった実力者たちを次々と葬り去りました。
愁二郎が、亡き義兄弟全ての想いと奥義を受け継ぎ、「イクサガミ」として覚醒して初めて互角に渡り合えた、物語の最終ボスとも言える存在です。ドラマ版シーズン1のラストに横浜流星さん演じる姿で登場し、シーズン2以降の最大の脅威となることが示唆されています。
刺客・人斬り半次郎
幕末に「人斬り半次郎」として恐れられた実在の剣客、桐野利秋(きりの としあき)です。
本作では、黒幕である川路利良に雇われたイレギュラーな刺客として登場し、蠱毒の後半戦に介入します。ドラマ版では「櫻」という名前で登場し、愁二郎の元仲間というオリジナルの設定も加わり、淵上泰史さんが演じています。
大久保利通暗殺の場(紀尾井坂)で、大久保を護衛しに来た化野四蔵と激突し、互角以上の壮絶な死闘を繰り広げました。原作の後半戦では主人公の愁二郎とも剣を交える、最強クラスの剣客の一人です。
政府の要人・大久保利通
実在の人物であり、明治政府のトップに立つ内務卿です。ドラマ版では井浦新さんが演じました。
愁二郎はかつて薩摩藩時代に大久保の護衛を務めた縁があり、その人脈を頼って蠱毒の黒幕の情報を伝え、国家的な陰謀を阻止しようと試みます。
大久保もまた、部下である川路利良の不穏な動きに気づいていましたが、先手を打った川路と半次郎(櫻)の策略により、紀尾井坂にて暗殺されてしまいます(史実の紀尾井坂の変)。
黒幕・川路利良
本作における全ての元凶であり、「蠱毒」を主催した黒幕です。彼もまた実在の人物であり、日本の警察制度を作り上げた警視庁のトップ(初代大警視)を務めています。ドラマ版では濱田岳さんが演じました。
彼の真の目的は、賞金十万円(現代価値で46億円以上)を餌に、新時代に不満を持つ危険な元侍たちを全国から集めて一掃すること。そして、その混乱を鎮圧するという名目で、まだ警棒しか持てなかった警察官に「拳銃携帯の許可」を政府から得ることでした。
彼と、彼に協力する四大財閥、そして愁二郎の元上司であり政府内の良識派である前島密(ドラマ版:田中哲司)らとの対立も、物語の大きな軸となります。
イクサガミの相関図まとめ
- 主人公・嵯峨愁二郎は、妻子を救うため「蠱毒」に参加
- 道中で12歳の少女・香月双葉を守りながら旅を続ける
- 元伊賀忍者の柘植響陣が仲間としてサポートする
- 愁二郎には「京八流」の義兄弟(彩八、四蔵、甚六、三助)がおり、複雑な関係にある
- 京八流の始末人・岡部幻斎が、義兄弟全員の命を狙う宿敵として立ちはだかる
- 蠱毒にはカムイコチャや貫地谷無骨など、多くの猛者が参加している
- 物語の黒幕は、警視庁トップの川路利良
- 川路の目的は、元侍の一掃と警察の武装化
- 川路は人斬り半次郎(櫻)を刺客として雇っている
- 大久保利通は川路の陰謀に気づくも、暗殺される
- 前島密(愁二郎の元上司)は、政府内部から愁二郎たちを助けようとする
- 天明刀弥は、黒幕とは無関係に「最強」を求めて戦う、物語の最終ボス
- 最終的に愁二郎は、全ての義兄弟の想いを継ぎ「イクサガミ」として天明刀弥と対決する
- 物語は、愁二郎と仲間たち、京八流の因縁、そして黒幕である政府、という三つの勢力が複雑に絡み合って展開する


