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【偽物家族に復讐します】1話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【偽物家族に復讐します】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

物語は、光が降り注ぐ美しい大聖堂と、多くの参列者に祝福される幸せそうな結婚式の回想シーンから幕を開けます。主人公のディアーナは、厳格ながらも自分を愛してくれる父と、穏やかな愛を育んできた夫、そして目に入れても痛くないほど愛らしい娘に囲まれ、自分は誰よりも『幸せな人間』だと信じて疑いませんでした。しかし、ディアーナが信じていたその温かな日常は、すべてが残酷な嘘と裏切りの上に成り立っていたのです。

幸せな結婚生活と突然の悲劇

名門であるペレシュテ侯爵家の一人娘として生まれたディアーナは、父から溢れんばかりの愛情を受けて育ちました。大切に育てられすぎたゆえか、少し婚期を逃してしまいましたが、やがてエレンスト家の大公であるカリプソという男性と結婚することになります。二人の間に燃え上がるような情熱的な恋愛感情はありませんでしたが、お互いを尊重し合う穏やかな愛情があり、その結晶として可愛い娘のキャサリンも授かりました。

ディアーナにとって、夫と娘と共に過ごす日々は、かけがえのない本当に幸せな時間でした。しかし、ある日突然、その幸福を打ち砕く悲劇が訪れます。まだ幼い娘のキャサリンが、庭で遊んでいる最中に誤って毒草を口にしてしまったのです。命に別状はなかったものの、毒の影響でキャサリンは視力を完全に失ってしまいました。

幼馴染の医師からの提案

光を失い、暗闇への恐怖から「お母様」と泣き叫ぶキャサリンの姿に、ディアーナは胸を締め付けられるような痛みを覚えます。自分の命を代えてでも娘を救いたい、どうにかして助ける方法はないかと嘆く彼女に、幼馴染であり、侯爵家の専属医師も務めるアリシアがある提案を持ちかけました。

それは、古くから伝わる『聖なる力を使えば、他人に自分の視力を譲り渡すことができる』という秘術の話でした。

通常であれば躊躇するような提案ですが、ディアーナにとってキャサリンは自分の命よりも大切な存在です。彼女は迷うことなく、愛する娘が再び光を取り戻せるならと、自分の視力をすべて娘に捧げることを即座に決意しました。

光を失った世界と夫の裏切り

視力を譲渡する儀式は無事に成功し、キャサリンは視力を取り戻しましたが、その代償としてディアーナは両目の光を完全に失いました。目元を白い布で覆い、何も見えない暗闇の中で生活することになった彼女は、慣れない不自由な生活に苦労します。それでも、愛する娘が光を取り戻し、元気に走り回っているという事実だけを心の支えにしていました。

また、提案者である幼馴染のアリシアも、以前にも増して頻繁に屋敷を訪れ、目の見えないディアーナを気遣い、献身的に支えてくれているように感じられました。家族の愛と友人の優しさに包まれ、すべてが良い方向に向かっているとディアーナは信じていたのです。あの日、夫と親友の本当の会話を聞いてしまうまでは。

扉の向こうから聞こえた嘲笑

ある日、誰かが夫であるカリプソに対して、「愛しているわ」と愛情を伝えます。聞き間違いかと思いましたが、そんなことはなく、見えないながらもディアーナが空気の違和感を覚えていると、そこには親友のはずのアリシアも同席していました。二人はディアーナの目の前で、まるで恋人同士のように親密に振る舞い、あろうことかディアーナのことを『鈍い女』だと嘲笑したのです。

夫のカリプソは、最初からディアーナのことなど愛していませんでした。彼はディアーナが視力を失い、何も見えないことをいいことに、妻の目の前で堂々とアリシアと浮気行為を繰り返していたのです。さらに、すべてを捧げたディアーナのことを『どこまでバカなのかしら』と罵り、彼女の純粋な愛情と自己犠牲をあざ笑いながら踏みにじりました。

突きつけられた残酷な真実

夫と親友による裏切りを知ったディアーナは絶望の涙を流しますが、彼女を待っていた残酷な現実はそれだけでは終わりません。アリシアは、視力を失い利用価値のなくなったディアーナを、屋敷から追い出すよう冷酷に部下へ命じました。

元大公妃として扱われることはおろか、人間としての尊厳さえも奪われ、ディアーナは敷地内の外れにある薄暗いボロボロの小屋に幽閉されてしまいます。着ていた美しいドレスは汚れ、寒さを防ぐこともできません。食事も満足に与えられず、家畜以下の悲惨な扱いを受けることになりました。

闇の中で触れた小さな優しさ

孤独と飢え、そして寒さに震えながら死を待つだけのディアーナのもとに、こっそりと食事を運んでくれる人物が現れました。投げ入れられるのは干からびた硬いパンだけでしたが、誰かが自分を気にかけてくれているという事実は、絶望の淵にいるディアーナにとって唯一の救いでした。

その人物は、新しい屋敷の女主人として君臨したアリシアたちの「ディアーナには何も与えるな」という命令を無視して、自分の身に危険が及ぶことを承知で、必死にディアーナを助けようとしてくれていたのです。

明かされた「すり替え」と実の娘の最期

しかし、その微かな希望の光さえも、無惨に打ち砕かれる時が来ます。小屋に現れたアリシアと、美しく着飾り成長した「キャサリン」が、ディアーナに衝撃の事実を突きつけました。

『キャサリンはあなたの娘じゃないわ』

ディアーナが命を懸けて守り、大切な視力まで捧げたキャサリンは、実は赤の他人の子供であり、本当の娘とは生まれた直後にすり替えられていたのです。血の繋がりこそが何よりも重要だと語るアリシアは、この「キャサリン」こそが自分とカリプソの子供であり、本当の母親であることをほのめかしました。

では、ディアーナがお腹を痛めて産んだ本当の娘は、一体どこにいるのでしょうか。アリシアは邪悪な笑みを浮かべながら、ボロボロになった「ある人物」をゴミのようにディアーナの元へ投げ込みました。

変わり果てた娘との再会

床に乱暴に投げ出されたのは、先ほどまでディアーナに危険を冒して食事を運んでくれていた、あの心優しい人物でした。彼女こそが、ディアーナの実の娘だったのです。

実の娘は、自分が令嬢であることを知らされぬまま、屋敷でずっと「メイド」としてこき使われ、虐げられて生きてきました。それでも、血の繋がった母親であるディアーナのことを本能的に慕い、厳しい命令を無視してまで助けようとしていたのです。しかし、その慈悲深い行為が見つかり、彼女は折檻され、変わり果てた姿になっていました。

虫の息で、掠れた声で「お母様…」と呼ぶ娘の声を聞き、ディアーナは悲鳴のような絶叫を上げます。そんな親子を見下ろしながら、アリシアは「最期くらいは実の娘と一緒にいさせてあげる」と、あまりにも残酷な言葉を吐き捨てました。

絶望の中での誓いと逆行

アリシアは情け容赦なく猛毒の粉を部屋に撒き散らし、高笑いを残して立ち去ります。毒に蝕まれ、身体の自由が利かなくなっていく中で、ディアーナは冷たくなっていく実の娘の身体を力強く抱きしめました。

偽物の家族に愛を注ぎ、本当の娘がすぐそばで使用人として苦しんでいることに気づけず、あろうことかメイドとして酷使させてしまった自分の愚かさ。「守ってあげられなくてごめんね」と涙ながらに謝り続け、ディアーナの心には激しい後悔と、自分たちを陥れた裏切者たちへの凄まじい憎悪の炎が燃え上がります。

『来世が来るなら、そのときは絶対にあなたを見つけるから』

復讐を固く誓いながら、ディアーナは愛する本当の娘と共に、静かに息を引き取りました。

戻ってきた時間

死んだはずのディアーナでしたが、次に目を覚ますと、そこは冷たい小屋の床ではなく、見慣れた自分の寝室のベッドの上でした。驚いて体を起こし、周囲を見渡すと、失ったはずの視力が完全に戻っていることに気づきます。

窓の外には明るい日差しが降り注ぎ、壁に掛けられたカレンダーの日付は「帝国暦22年1月」を示していました。ディアーナは、視力を失う前、そしてあのすべての悲劇が始まる前の時間に戻っていたのです。

彼女は震える手で自分の顔を覆いながら、これが死後の夢ではないことを確認します。そして、今度こそ実の娘を地獄のような境遇から守り抜き、自分たちを弄んだすべての裏切者たちへ徹底的な復讐をすることを誓うのでした。

【偽物家族に復讐します】1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話からあまりにも救いのない、胸が張り裂けるような展開の連続で、ディアーナが受けた非道な仕打ちには言葉を失いました。特に許せないのは、母親としての無償の愛情を徹底的に利用し、踏みにじった点です。子供のためなら自分の目さえも差し出すという、親として最も尊い決断さえも、彼らにとっては嘲笑の対象でしかなかったことが本当に悔やまれます。

一番の衝撃であり、最も心が痛んだのは、やはり「実の娘」に関する真実でしょう。自分の子だと信じて全てを捧げた相手が赤の他人で、本当の娘はすぐそばでメイドとして虐げられ、粗末な扱いを受けていたなんて、あまりにも残酷すぎて涙なしには読めませんでした。ボロボロになりながらも、幽閉された母に食事を運び続けた実の娘の健気さと、最期まで母を想って死んでいった姿が本当に切なく、心に残ります。

夫のカリプソと親友のアリシアの人間とは思えない非道ぶりも際立っていました。単に浮気をするだけでなく、実の娘をメイドにし、さらにその命まで奪うとは、悪役としても許容範囲を超えています。だからこそ、最後に時間が巻き戻った瞬間のカタルシスは非常に大きかったです。すべての真実を知ったディアーナが、今度こそ実の娘を救い出し、あの二人にどのような報いを受けさせるのか、今後の展開を全力で応援したくなります。

【偽物家族に復讐します】1話のネタバレまとめ

  • 主人公ディアーナは、娘だと思っていたキャサリンの失明を治すため、自分の視力を捧げる秘術を行った。
  • 視力を失ったディアーナに対し、夫カリプソと親友のアリシアは目の前で浮気を見せつけ嘲笑した。
  • ディアーナは小屋に幽閉されたが、屋敷でメイドとして働く名もなき少女が、危険を冒して食事を運んでくれていた。
  • キャサリンは赤ん坊の頃にすり替えられた偽物で、食事を運んでいたメイドこそが虐げられていた実の娘だと判明した。
  • 実の娘は折檻を受け変わり果てた姿で小屋に投げ込まれ、ディアーナと共にアリシアの手によって毒殺された。
  • 死の間際に強い復讐を誓ったディアーナは、奇跡的に視力を失う前の過去へと逆行し、人生をやり直すことになった。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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