【聖ラブサバイバーズ】1話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【聖ラブサバイバーズ 】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

物語は、主人公である相澤ハルの現在と、運命が動き出した8年前の過去が交差する形で幕を開けます。

ハッピーエンドの先にあるものが、必ずしも幸せな結末とは限らないことを予感させる、少しビターな大人の恋愛模様が描かれていきます。

名前も知らない相手との25分間

物語の冒頭、ハルはベッドの上で目を覚ましました。部屋を出て行こうとする男性に、彼女はあわてて声をかけます。

男性は配達員の仕事をしているようで、次の配達までの「インターバル(休憩時間)」を利用してハルの部屋にいたようです。彼は「25分はおいてもらってるんで大丈夫ですよ」と、事務的な言葉を残して去っていきました。

ハルは一人残された部屋で、シャワーを浴びる時間すら含まれた、たった20分足らずの行為を振り返ります。

相手の名前すら知らない、ただの行きずりの関係。それでも、ハルにとってその時間は永遠のように感じられ、同時に虚しさも抱えていました。初めての絶頂を感じた余韻の中で、彼女は複雑な表情を浮かべます。

8年前、憧れが現実に変わった日

場面は一転し、8年前の冬へ。

当時のハルは、まだ何者でもない新人ライター見習いでした。彼女は撮影スタジオで、あるバンドの到着を今か今かと待ちわびています。

やってきたのは、人気バンド「サフラジェット・シティ」。

ハルにとって彼らは雲の上の存在であり、特にメンバーの一人である「王子和弘」は、たった数行の記事で彼女を恋に落とした憧れの人物でした。

緊張と興奮の初対面

バンドの解散が決まり、最初で最後になるかもしれないインタビューの現場。ハルは緊張のあまり、飲み物の入った紙コップを押しつぶしてしまうほど動揺していました。

先輩ライターのヨシダに紹介され、ハルは震える声で自己紹介をします。

「サフラさんの大ファンなんです」

精一杯の勇気を振り絞って伝えた言葉に、目の前の「本物」たちが反応します。ハルは、デビュー当時の記事を今も大切に持っていることを告白しました。憧れの王子・和弘が目の前で動いている現実に、ハルの心臓は早鐘を打っています。

甘い地獄への招待状

和弘は、そんな初々しいハルの様子を面白がるように見つめていました。

彼は不意にハルに近づくと、彼女の頬に触れんばかりの距離でこう囁きます。

「俺のこと好きでしょ」

その言葉は質問ではなく、確信に満ちた確認でした。憧れのスターに見透かされた瞬間、ハルの中で何かが決定的に変わります。

ハルの決意

ハルは直感しました。これから関わろうとしている世界が、決して平穏な場所ではないことを。

それでも彼女は、どんな役回りでもいいから、この人の人生に入り込みたいと強く願います。これから待ち受けているのが『甘い地獄』であったとしても、この出会いを絶対に後悔はしない。

東京の街並みを見下ろしながら、ハルは自身の人生と愛、そして性をかけた冒険に身を投じる覚悟を決めるのでした。

【聖ラブサバイバーズ 】1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話を読んでまず衝撃を受けたのは、冒頭の生々しい描写と、過去のキラキラした思い出との強烈なコントラストです。

現在のハルが名前も知らない配達員と体を重ね、わずかな「隙間時間」で処理されるような扱いを受けているシーンは、読んでいて胸が苦しくなりました。しかし、そこに悲壮感だけではなく、ある種の達観や渇望が混じっているのが非常にリアルです。

そして8年前の回想シーン。憧れのバンドマン・和弘に出会った瞬間のハルの高揚感は、誰しもが一度は経験したことのある「推し」への感情そのものでした。

ただ、そこで和弘が放った「俺のこと好きでしょ」というセリフには、ゾクリとするような支配欲が見え隠れしています。普通の少女漫画なら胸キュンシーンですが、この作品では『地獄への入り口』として描かれているのが印象的でした。

ハルがこれからどのような「戦友たち」と共に、この甘い地獄をサバイブしていくのか。タイトルの意味がこれからどう回収されていくのか、続きが気になって仕方ありません。

【聖ラブサバイバーズ 】1話のネタバレまとめ

  • 物語は現在のハルが、名前も知らない配達員の男性と短時間の情事を終えたシーンから始まる。
  • 8年前、新人ライターだったハルは、憧れのバンド「サフラジェット・シティ」の取材現場に立ち会う。
  • ハルはずっと恋焦がれていたメンバー「王子和弘」と対面し、ファンであることを伝える。
  • 和弘はハルの好意を見抜き、「俺のこと好きでしょ」と挑発的な態度をとる。
  • ハルはたとえ『甘い地獄』が待っていたとしても、和弘の人生に関わることを決意する。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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