【聖ラブサバイバーズ】9話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

第9話では、前話のラストで夫から投げかけられた心無い言葉に対する冬実の激しい怒りと、ついに友人に「夫婦の秘密」を打ち明けるハルの姿が描かれます。

前回の第8話では、冬実が子宮筋腫の手術を勧められると同時に、夫から「子供は一人くらいがちょうどいい」と言われ、女性としての尊厳を傷つけられる場面で終わりました。

【聖ラブサバイバーズ 】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

第9話では、冬実が抱く夫への不満の正体と、ハルが抱える「セックスゼロ」の悩みが交錯します。

既婚者の先輩である冬実からの鋭いアドバイスを受け、ハルは自分の本当の気持ちと向き合う覚悟を決めます。

夫の「やんわり上から目線」への怒り

物語の冒頭は、冬実と夫の会話の続きから始まります。

「子供は一人くらいが僕らにはちょうどいいよ」

夫のこの言葉に対し、冬実の内心は煮えくり返っていました。「ちょうどってなに?それはあなたがジャッジすること?」と、彼女は心の中で強く反発します

彼女が何よりも許せなかったのは、自分の体や子宮、そして人生に関わる重大な事柄を、夫が勝手に決めつけていることでした 。夫の態度は常に優しげに見えますが、冬実にとっては「やんわりとした上から目線」に他なりません

今の冬実なら戦えるかもしれませんが、当時の彼女はただその言葉を飲み込むことしかできませんでした

ついに告白「セックスレスじゃなくてゼロ」

場面は変わり、ハルと冬実がサシ飲みをしている居酒屋へ。

ビールを3杯飲んでようやく、ハルは涙ながらに現状を告白します

「セックスレスでもなく…セックスゼロなんだよう〜〜〜」

自分のことばかり話して甘えてしまったと反省するハルですが、冬実は「そっか、わかってた」と冷静に受け止めます

冬実が気づいていた理由

冬実は、ハルのSNSの様子から異変を察知していました 。もし夫婦仲が順調であれば、もっと幸せを「匂わせる」ような投稿があるはずだと踏んでいたのです

ハルは「どういうことだと思う?」と原因を尋ねますが、冬実は「人それぞれだからわからない」と答えます 。そこで冬美は一縷の望みをかけて、「王子、意外と童貞説は?」と問いかけますが、ハルは即座に「ないよ!!!!」と否定しました 。

目撃者が語る「王子の過去」

ハルがそこまで断言できるのには理由がありました。彼女はかつて、仕事の打ち上げで王子が「肉食」ぶりを発揮している現場を目撃していたのです。

バリバリ現役だった頃の姿

まだ王子がライブなどで精力的に活動していた頃、ハルは彼が打ち上げ会場から女性を連れ出し、ホテルへ向かう姿を見ていました 。

「どっちかというと肉食雑食だったよ…」

さらに、元カノである小谷慧子とは2年以上続いており、王子が性的な関心を持たない人間ではないことは明白でした

これを聞いたハルは、「なんで私だけダメなんだと思う?」と落ち込み、王子の不可解な態度に悩みます

「したいかどうか」自分の欲を認めること

悩み続けるハルに対し、冬実は核心を突く質問を投げかけます。

「ハルが彼とセックスしたいかどうかだよ」

結婚の常識や王子の気持ちではなく、ハル自身の欲望はどうなのか。そう問われたハルは、言葉に詰まってしまいます。

女性が抱える「受け身」の呪縛

ハルは、世間一般にある「Hは男性から求められてこそ価値がある」「自分からしたいなんて惨め」という価値観に縛られていました 。もし自分から誘って拒絶されたら、立ち直れないという恐怖もあったのです

しかし冬実は、そんなハルの背中を押すように語りかけます。

「本当の欲も気持ちも、自分がまず認めてあげないと」

まずは自分自身が「したい」という気持ちを肯定することで、今よりも楽になれるとアドバイスします

ハルの決意と後悔

冬実の言葉には、不思議な説得力と迫力がありました。ハルは彼女を見ながら、「欲望に正直に生きている女の輝き」のようなものを感じ取ります

優先順位の問い直し

ハルは自問自答します。今の穏やかな関係を壊してまで、セックスがしたいのか 。自分の人生において、それは優先順位の高いことなのか

自宅のマンションを見上げながら、ハルは一つの結論に達しました。

「私はきっと、ここで間違えてしまったんだ」

王子への恋心が強すぎて、自分の欲望が見えなくなっていたことに気づいたハル 。彼女は震える声で、ある言葉を口にしようとします。

「私…セッ…」

【聖ラブサバイバーズ 】9話を読んだ感想(ネタバレあり)

第9話を読んで、冬実のアドバイスの深さと、ハルの抱える葛藤のリアルさに胸を打たれました。

特に印象的だったのは、ハルが王子の過去を暴露するシーンです。「意外と童貞説」にすがる冬美に対し、「外でバックでやるかな!!!」と具体的な目撃談をぶちまけるハルの容赦のなさが、逆に清々しく感じられました。変な期待を持たせるよりも、現実を突きつけることが本当の優しさなのかもしれません。

そして、ハルが囚われていた「女から誘うのは惨め」という感覚。これには共感する読者も多いのではないでしょうか。傷つきたくないという防衛本能が、結果として二人の距離を遠ざけていたのだと気づかされます。

ラストシーンで、ハルがついに自分の欲望を認めようとする姿は、彼女の大きな成長を感じさせます。「恋しすぎて自分の欲が見えなかった」という独白は切なくも美しく、この気づきが王子の心を動かすきっかけになることを願わずにはいられません。

【聖ラブサバイバーズ 】9話のネタバレまとめ

  • 夫に人生や体を勝手にジャッジされた冬実は、強い憤りを感じていた 。
  • ハルは冬実に、王子とは「セックスレス」ではなく一度もない「セックスゼロ」だと告白する 。
  • 冬実は、ハルのSNSに「匂わせ」がないことから、夫婦仲の問題を察していた 。
  • 王子は過去に「肉食雑食」であり、決して性欲がないわけではないことが判明する 。
  • 冬実はハルに、一般論ではなく「自分がしたいかどうか」を認めるべきだと諭す 。
  • ハルは、恋心ゆえに自分の欲望を抑え込んでいた間違いに気づき、行動を起こそうとする 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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