【聖ラブサバイバーズ】12話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

第12話では、前回のラストで「この人とセックスがしたい」と自分の欲望を自覚したハルに、朝から刺激的な展開が訪れます。
前回の第11話では、悪夢の中で「蝶(性欲)」が溢れ出したハルが、目覚めた後に王子の残り香を感じ、自分の本音を再確認するシーンで終わりました。
【聖ラブサバイバーズ 】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する
第12話では、朝のハプニングとスーツ姿の王子に翻弄されるハルの姿、そして友人・秋菜との会話を通じて浮き彫りになる「対等になれない関係」への葛藤が描かれます。
朝のハプニングと「穿いた?」の破壊力
物語は、寝ているハルに王子が顔を近づけ、ふと我に返ったように「…あ わり 悪い…」と呟くシーンから始まります 。
ハルが目を覚ますと、そこにはビシッとスーツを着こなした王子の姿がありました。ハルは「眼福すぎ!!!!!」と興奮しますが、すぐに自分が下着(ズボン)を穿いていないことに気づき、パニックになります 。
「さっきの声?聞かれた…!?」と、夢の中で漏らしたかもしれない声や寝言を心配するハル 。王子は何も言わず、「鍵かけとけよー」と玄関へ向かいますが、ハルは残り香に王子の気配を感じてときめきます 。
すると、出て行ったはずの王子が戻ってきて、ハルに悪戯っぽい笑顔でこう尋ねました。
「穿いた?」
その一言と色気に、ハルは完全にノックアウトされてしまいます。
「ワンオブゼム」だった過去の記憶
王子を見送った後、ハルは彼がつけていた香水の香りから、昔のことを思い出します。
まだ王子がギラギラしていた頃、ハルにとって彼は雲の上の存在であり、「ワンオブゼム(大勢の中の一人)」ですらない、「ゼム(その他大勢)」でしかありませんでした 。
普段は飄々とからかってくれる優しい夫ですが、ふとした瞬間に見せる表情や、今回のような「穿いた?」という Sっ気のある言動に、ハルは彼との埋められない距離を感じてしまいます 。
秋菜との電話と「対等」への渇望
その後、ハルは街を歩きながら友人の秋菜に電話をかけます。新婚のノロケ話を聞きたがる秋菜に対し、ハルは「ビタイチ相手にされてない男にさげすまれた朝4時の西麻布の交差点」を思い出すような、惨めな気分だと語ります 。
それに対し、秋菜は「ないスね」とバッサリ 。彼女は「彼女持ちは寝取りプレイで燃えるか、斬って次!」という肉食かつ合理的なスタンスの持ち主です 。
秋菜の「欲望に忠実」な生き方を眩しく感じながら、ハルは彼女の言葉を反芻します。
「セックスして欲しいのが、対等に欲情してほしいってことだとすると」
ハルたちが抱える問題の本質は、単にセックスがないことではなく、二人の関係が「対等ではない」ことにあるのかもしれません。
「ひれ伏してしまう」ハルの敗北宣言
仕事中もハルの頭の中は王子のことでいっぱいです。
「私たちはスタートの立ち位置から何もかも違いすぎる」
ファンとスターという絶対的な格差から始まった関係。もし仮に身体の関係を持てたとしても、それは対等な愛の営みではなく、ハルが一方的に与えられるだけの「あんな形」にしかならないのではないか。
ハルはそう予感しながらも、キーボードを叩く手を止め、顔を覆って震えます。
「…死ぬほど気持ちよかった… 絶対にひれ伏してしまいそう…」
それは、夢の中での出来事か、あるいは朝の王子の接近によるものか。いずれにせよ、ハルはたとえ惨めな形であっても、王子に翻弄され、彼にひれ伏してしまう自分自身の業(ごう)を受け入れざるを得ない心境に陥っていました。
【聖ラブサバイバーズ 】12話を読んだ感想(ネタバレあり)
第12話は、王子の不意打ちの破壊力と、ハルの乙女心の葛藤が最高潮に達した回でした。
前半の「穿いた?」のシーンは、全読者がハルと同じように赤面したのではないでしょうか。普段は「おかん」扱いされているハルですが、この瞬間の王子は明らかにハルを「女」として、それも少し弄ぶような目線で見ていました。スーツ姿の殺傷能力と合わせて、王子の底知れない魅力を再確認させられます。
しかし、後半のハルの独白は切実です。秋菜のように「次!」と割り切れたらどんなに楽かと思いますが、ハルにとって王子は長年の「推し」であり、崇拝の対象でもあります。「スタートの立ち位置から違う」という言葉には、ファンとアイドルの結婚という夢物語の裏にある、残酷な現実が込められていました。
ラストの「死ぬほど気持ちよかった」というセリフは、ハルがプライドよりも快楽(王子への愛)を選んでしまうことを示唆していて、切なくも色っぽい名シーンでした。この「ひれ伏す」覚悟が、今後の二人の関係をどう変えていくのか楽しみです。
【聖ラブサバイバーズ 】12話のネタバレまとめ
- 寝ているハルに王子が顔を近づけるが、「悪い」と言って離れる意味深な幕開け 。
- スーツ姿の王子にときめくハルだが、下を穿き忘れており、戻ってきた王子に「穿いた?」と聞かれ動揺する 。
- 香水の香りから、ハルは「その他大勢」だった頃の自分と、スターだった王子の距離感を思い出す 。
- 秋菜との会話で、ハルは自分が王子に対して「対等に欲情してほしい」と願っていることに気づく 。
- ハルは、たとえ対等でなくても、王子に与えられる快感に「ひれ伏してしまう」自分を自覚し、苦悩する 。
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