【聖ラブサバイバーズ】22話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

第21話では、バンド再結成のニュースに沸く一方で、王子との間に横たわる「会話の欠如」に気づき、ハルが虚しさを覚える様子が描かれました。 楽しい時間を過ごしても、核心に触れなければ二人の距離は縮まりません。 第22話(第2巻最終話)では、そんなハルがついに覚悟を決め、王子に対して「ある決定的な言葉」を投げかけます。

【聖ラブサバイバーズ】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

「ストッパー」をかけていたのは自分自身

物語は、ハルの深い内省から始まります。 彼女はこれまでの王子との関係を振り返り、「最初からそうだったんだ」と痛感します 。 好かれるか拒絶されるかの賭けのようにただ押し続け、奇跡的に結婚できたものの、肝心な部分には常に「ストッパー」がかけられていました

ハルは、王子がかわしたり、自分が確かめなかったりすることで、嬉しいこともモヤモヤすることも、すべて友人やSNSにぶちまけるだけで消化していたと気づきます 。 夫婦でありながら、一番大切な相手と「何も伝えあっていない」という現実に、ハルは正面から向き合いました

過去の思い出ではなく「今」の喜びを伝える

店では、王子が昔の温泉旅行や解散ライブの打ち上げの話を楽しそうに語っていました 。 しかし、今のハルにとって重要なのは過去の栄光ではありません。 ハルは「触れあおうとしてないのは私も同じ」だと自覚し、勇気を出して口を開きます

「私…嬉しかったよ」 。 突然の言葉に、王子は「眠い?」と茶化したり、「なに再結成、そんな…」と話題を逸らそうとしたりします 。 しかしハルは「違う」ときっぱり否定し、自分の言葉で想いを伝えました

「朝抱きしめてくれて、王子が笑ってしゃべってくれて、私すごく嬉しいよ」 。 遠回しな表現ではなく、王子の具体的な行動が自分を幸せにしたのだと、真っ直ぐに伝えたのです。 その言葉を聞いた王子は、少し驚いたような表情を見せながらも、静かに受け止めます。

帰り道のハプニングと「コンプラ」の壁

店を出た二人は、寒空の下を歩いて帰ります 。 その途中、ハルが躓いて転びそうになり、王子がとっさに支えるというハプニングが起きました 。 王子はいつもの調子で「ドジっ子って歳じゃないだろおめ…」と憎まれ口を叩こうとしますが、ハルの真剣な眼差しに気づき、「あ…いやハルちゃん」と言い直します

さらに王子は、「歳とかもコンプラ案件ですからっ!」と冗談めかして笑い、空気が深刻になるのを避けるような態度をとりました 。 王子なりの照れ隠しかもしれませんが、ハルはもう流されません。 王子の手をしっかりと握りしめながら、ハルは確信します。 夫婦の間に「暗黙の了解」なんてものは存在せず、こうやって伝え合い、確かめ合った先にしか未来はないのだと

衝撃の告白「あなたとセックスしたい」

帰り道、王子は「コンビニ寄る?さみーけどアイス…」と、あくまで日常の延長として振る舞おうとします 。 しかし、ハルはその流れを断ち切るように「…王子っ」と彼を呼び止めました

足を止めた王子に対し、ハルは震える声で、しかしはっきりと自分の欲望を言葉にします。 「私、あなたとセックスしたい」

それは、これまで「フィジカルなし」という条件で蓋をしてきたパンドラの箱を開ける、決定的な一言でした。 王子の目が見開かれ、驚きを隠せない表情が映し出されます 。 そして物語は、ハルの意味深なモノローグで幕を閉じます。 『まさかこの告白が、私の本当のセックスの冒険に出るきっかけになるなんて』 。 この言葉は、単に夫婦生活が改善するというハッピーエンドではなく、予想もしない波乱の展開が待ち受けていることを予感させます。

【聖ラブサバイバーズ】22話を読んだ感想(ネタバレあり)

第22話は、これまでうじうじと悩んでいたハルが、ついに殻を破る記念すべき回でした。 特に「暗黙の了解なんて多分なくて」というハルの気づきは、多くの読者の心に刺さるのではないでしょうか。 夫婦だから言わなくても分かるはず、というのは幻想で、言葉にしなければ伝わらないことがたくさんあります。 その事実に気づき、過去の思い出話に逃げる王子を引き戻して、「今のあなたが好き」と伝えたハルの姿勢は本当に立派でした。

そして何より、ラストの告白シーンのインパクトが凄まじいです。 「セックスしたい」という、シンプルにして最強の言葉。 これを言えずに何十話も悩んできたわけですから、ハルにとっては清水の舞台から飛び降りるほどの勇気が必要だったはずです。 王子の驚いた顔を見る限り、彼もハルがそこまで直球で来るとは思っていなかったのでしょう。

しかし、気になるのは最後のモノローグにある「本当のセックスの冒険」という不穏なフレーズです。 素直に夫婦円満になるのなら「幸せへの第一歩」と書くはず。 あえて「冒険」という言葉を使っている点から、もしかすると王子との関係がこじれてしまうのか、あるいはハル自身が別の扉を開いてしまうのか…第3巻への引きとして、あまりにも完璧で気になりすぎる終わり方でした。

【聖ラブサバイバーズ】22話のネタバレまとめ

  • ハルは、これまで夫婦間で肝心なことを避け、SNSや友人に愚痴るだけで何も伝え合っていなかったと反省した 。
  • ハルは王子に対し、「朝のハグ」や「笑顔での会話」が嬉しかったと、具体的な感謝の気持ちを伝えた 。
  • 帰り道で躓いたハルを王子が支え、冗談で「コンプラ案件」と言いながらも、二人は手を繋いで歩いた 。
  • ハルは「暗黙の了解」に頼るのをやめ、言葉で伝え合うことの重要性を確信した 。
  • 王子が日常会話(コンビニへの誘い)で誤魔化そうとするのを遮り、ハルは「あなたとセックスしたい」と直球で告白した 。
  • この告白が、ハルにとっての「本当のセックスの冒険」の始まりになることが示唆され、物語は第3巻へと続く 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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