【聖ラブサバイバーズ】29話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

第28話では、王子に啖呵を切って家出したハルが、冬実の家に居候した後、秋菜の部屋で女性用風俗『恵比寿ボーイズ倶楽部』のキャストたちと合流する様子が描かれました。 「デリバリー最高!」と癒やされたハルですが、第29話ではついにその場の雰囲気に流されず、自分の本能と向き合う瞬間が訪れます。

【聖ラブサバイバーズ】第29話をネタバレありでわかりやすく解説する

「デリバリー」の癒やしとハルの決意

秋菜の部屋での飲み会は盛り上がっていました。 秋菜は「HP(体力)削られる感ないっすよね!普通の合コンとかと違って」と、気を遣わなくていいプロの接客(デリバリー)を絶賛します 。 ハルも、秋菜がキャストのナオキといい雰囲気になっているのを見て、「あんな優しそうでエロいのか…そら沼だわ」と納得しつつ、不倫の恋に悩む冬実のことも気にかけていました

そんな中、ハルの中で一つの決意が固まります。 「そーだ!男子は他にもいっぱいいるんだし!どうして私はずっと王子だけにこだわってたんだろ…もっとライトに…」 。 ハルは、王子への執着を捨て、目の前の男性たちと楽しむことで前に進もうと考えました。

その時、強面(こわもて)のキャスト・漆原夏生(うるしばら なつお)と目が合い、「…あんた気が合うな」と話しかけられます 。 しかし、ハルは彼のワイルドな雰囲気に圧倒されたのか、「わあああっ…しっこ(トイレ)行く」と慌ててその場を逃げ出してしまいました

テンプレート通りの「急接近」作戦

休憩を挟んだハルは、自分に言い聞かせます。 「まずは馴染みやすそうな男子から…新婚なのにレスの上浮気疑惑!?ハルちゃんもヤッちゃってもいいんじゃーん」 。 ハルは、女性誌のコラムで何度も書いてきた「男友達に悩み相談して急接近!」というテクニックを、人生で初めて実践しようと試みます

ターゲットにしたのは、大学生のハクトです。 ハクトは「ハルちゃん手ちいちゃーい、可愛いね」と甘い言葉をかけ、手を握ってきます 。 さらに、「ここ知ってる?感度よくなるツボ~」とあざとくスキンシップを図ってきました 。 その頃、秋菜とナオキは別の部屋に籠もってしまい、ハクトも「僕らもどっか行かなーい?」とハルを誘います

生理的な拒絶と意外な救世主

ハクトは若くて可愛く、決して悪い相手ではありません。 しかし、いざ二人きりになろうとした瞬間、ハルの体に異変が起きました。 「…なんだろ…さっきまで全然平気だったのに…ぶっちゃけあの怖いおにーさん(漆原)より…なんか…全然ダメだ…!」 。 頭では「良い子」だと分かっていても、ハルの本能が彼を生理的に拒絶してしまったのです

ハルがベランダに逃げ出すと、そこに現れたのは先ほどハルが避けた漆原でした。 彼は窓を開け、ベランダの柵に座り込んでいるハルを見つけます。 「…来いよ。飛んだら受け止めるから」 。 漆原は裸足でベランダに出ると、両手を広げてハルを待ち受けました。

堕ちていく夜

ハルは漆原の真っ直ぐな瞳に吸い寄せられるように、柵から彼に向かって飛び込みます。 漆原は言葉通り、しっかりとハルを受け止めました。 その後、場面は布団の上へと移ります。 漆原はハルの手を強く握りしめ、優しく、しかし情熱的に口づけを落とします。 ハクトの時のような拒絶反応はなく、ハルは涙を浮かべながらも、彼に身を委ねていました。 これまで王子以外の男性を知らなかったハルが、ついに「他者」との一線を越える瞬間が訪れました。

【聖ラブサバイバーズ】29話を読んだ感想(ネタバレあり)

第29話は、ハルの心が大きく揺れ動く様子がリアルに描かれていました。 「頭で選んだ相手(ハクト)」と「本能が選んだ相手(漆原)」の違いが明確に表現されていて、恋愛や性の難しさを感じさせます。 ハクトのような「分かりやすい優しさ」や「可愛さ」は安全ですが、傷ついたハルの心の奥底に触れるには軽すぎたのかもしれません。 一方で、漆原のような少し危険な香りのする男性が、言葉少なく「受け止める」という行動を示したことに、ハルは救いを感じたのでしょう。

ベランダから飛び込むシーンは、ハルがこれまでの「いい妻」「王子のファン」という殻を破り、新しい世界へダイブする象徴のように見えました。 ついに一線を越えてしまったハル。 これが単なる一夜の過ちで終わるのか、それとも漆原との関係が続いていくのか。 そして、この事実を知った時、王子はどうなるのか。 泥沼化していく展開にハラハラしつつも、ハルが自分の欲望に正直になれたことには、どこか安堵も感じてしまいます。

【聖ラブサバイバーズ】29話のネタバレまとめ

  • 秋菜や冬実がそれぞれの時間を楽しむ中、ハルは「王子以外の人とも楽しもう」と決意した 。
  • ハルは強面のキャスト・漆原に話しかけられたが、怖気づいて逃げてしまった 。
  • ハルは「馴染みやすい」大学生のハクトといい雰囲気を作ろうとしたが、いざ誘われると生理的に拒絶してしまった 。
  • ベランダに逃げたハルに対し、漆原が「飛んだら受け止める」と手を広げた 。
  • ハルは漆原の胸に飛び込み、そのまま彼と肉体関係を持つことになった。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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