【やさしい嘘で抱きしめて】3話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

2話では、中学の同級生・雨宮律と再会した紗和子が、彼の経営者としての成功や変わらぬ優しさに触れ、高級レストランでのデートを楽しんだ後、一夜を共にしてしまう展開が描かれました。雨宮が最後に残した「事故とでも思って」という言葉の真意が気になるところで終わりました。

【やさしい嘘で抱きしめて】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

「事故」発言の意外な真意と逆転の論理

朝を迎え、ベッドの上で目を覚ました紗和子は、隣で眠る雨宮の姿を見て昨夜の出来事を後悔し、謝罪の言葉を口にします。しかし、目を覚ました雨宮の反応は意外なものでした。「なんで俺が謝られてんの?普通逆じゃない?」と、不思議そうな顔を向けます。

紗和子は、自分のような相手と一夜を共にしてしまったことへの謝罪のつもりでした。けれど雨宮は、「俺は謝らないよ」ときっぱり言い切ります。彼は昨夜の出来事を、ただの一夜の過ちや「事故」として片付けるつもりはなかったのです。

むしろ謝るということは、昨夜のことを「悪いこと」だと思っているのかと問いただします。そして、言葉に詰まる紗和子に対し、彼は悪戯っぽい笑顔を浮かべながら、衝撃的な一言を放ちました。

『じゃあ責任とって。俺と付き合ってよ』

通常であれば女性が口にするような「責任とって」という言葉を、彼は交際を申し込むための口実として使ったのです。

明かされた過去の想いと「お試し」の関係

突然の告白に、紗和子は思考が追いつきません。イケメンで、優しくて、会社経営者。そんな完璧な彼を周囲が放っておくはずがないし、自分のような平凡な女性を選ぶ理由がわからないからです。

混乱する紗和子に、雨宮は真っ直ぐな瞳で語りかけます。「俺ね、蓮見さんのこと中学の頃好きだったんだ」。それは、紗和子が全く覚えていない中学時代からの想いでした。

彼は、まずは「お試し」でもいいからと食い下がります。仕事を辞め、将来への展望もなく、心に空虚な穴が空いたままの紗和子。彼女は、今の自分には何もないけれど、心の拠り所があれば変われるかもしれないという淡い期待を抱きます。

「じゃあ……よろしくお願いします」

紗和子がそう答えると、雨宮は感極まったように瞳を潤ませ、心からの喜びを表情に滲ませました。ずっと憧れていた人と付き合えることが、彼にとってどれほど嬉しいことなのかが伝わってくる瞬間でした。

幸せな朝とこれからの約束

交際(仮)がスタートした直後、雨宮は「昨晩はもっと可愛かったけど、もうやめて〜」とじゃれつき、二人は甘い時間を過ごします。紗和子の髪に触れ、キスを交わす彼の姿からは、長年の想いが成就した喜びが溢れていました。

「またデートしようね。なにしにたい?」と尋ねる雨宮に、紗和子は「天気がいい日にお出かけしたいな」とリクエストします。それに対し雨宮は「ジョギングでもする?健全なデート(笑)」と冗談を返し、二人は笑い合います。

こうして、かつての同級生との不思議な再会から始まった関係は、恋人としての新しい一歩を踏み出すことになりました。紗和子は心のどこかでまだ信じられない気持ちを抱えつつも、彼に身を委ねることを決意するのでした。

【やさしい嘘で抱きしめて】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

雨宮くんの策士ぶりが光る回でした。「事故とでも思って」という冷たい突き放しのような言葉から、「責任とって付き合って」という甘い告白への落差。この展開には完全に心を持っていかれました。

特に印象的だったのは、交際を承諾された時の雨宮くんの表情です。それまでの余裕綽々な経営者としての顔から一変し、まるで少年のように目を潤ませて喜ぶ姿は、見ていて胸が熱くなります。「中学の頃好きだった」という言葉が真実であることを物語っているようでした。

一方で、紗和子の「空っぽ」な心情も丁寧に描かれていて切なくなります。仕事を失った喪失感を埋めるために彼の手を取ったようにも見えますが、この選択が彼女にとって良い方向へ進むことを願わずにはいられません。

ただ、やはり「完璧すぎる」雨宮くんには、まだ何か裏があるのではないかと勘繰ってしまいます。タイトルにある「嘘」が、まだ明かされていない気がしてなりません。幸せな朝の描写が美しいだけに、今後の展開に潜む影が気になります。

【やさしい嘘で抱きしめて】3話のネタバレまとめ

  • 雨宮は昨夜のことを「過ち」にしたくないため、謝罪を拒否する
  • 雨宮は『責任とって』という言葉を使い、紗和子に交際を申し込む
  • 雨宮が中学時代から紗和子のことが好きだったと判明する
  • 仕事を失い空虚感を抱える紗和子は、心の拠り所を求めて「お試し」での交際を承諾する
  • 二人は恋人として甘い時間を過ごし、次の「健全なデート」の約束を交わす

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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