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【冥王家の花嫁、偽りの愛に別れを】16話ネタバレ解説

ずっちー

15話では、アイソンがダフネの言葉を信じ、シンシアが宝のために自分を捨てたのだと思い込みました。さらに、黎明の宮殿の宝物庫が空になったという報告を受け、アイソンはシンシアを『宝のために自分を捨てた残酷な女』だと決めつけます。一方で、ダフネはアイソンのそばにいることを望み、彼はダフネを愛していると自分に言い聞かせました。しかし心の奥には、シンシアを失った時の痛みが消えずに残っていました。

【冥王家の花嫁 偽りの愛に別れを】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

アイソンはダフネへの埋め合わせをしようとする

第16話は、婚礼後の神殿から始まります。

白亜の大聖堂のような美しい場所で、ダフネの足元が映ります。高いヒールが床を鳴らし、その先には、黒と金の婚礼用マントをまとったアイソンが立っています。

アイソンの表情は晴れやかではありません。

ダフネと結ばれたはずなのに、彼の心にはどこか重たい影があります。シンシアが冥界へ去った時に感じた胸の痛みが、まだ消えていないのでしょう。

それでもアイソンは、ダフネへ向き直り、式の時の埋め合わせがしたいと語ります。

「君が望むものなら」と言いかける彼の声は、優しいようでいて、どこか義務的です。

ダフネは人間界の市場へ行きたいと望む

ダフネはその言葉を聞いた瞬間、表情を輝かせます。

そして、人間界の街にある市場へ行きたいと甘えるように頼みます。

アイソンは、それを快く受け入れます。

この時点で、アイソンはまだダフネを大切にしようとしています。前話で彼は、ダフネこそ自分が愛している相手だと自分に言い聞かせました。

だからこそ、彼女の望みを叶えることで、自分の選択が正しかったのだと確かめようとしているようにも見えます。

けれど、その市場への外出は、ダフネの本性をアイソンに見せるきっかけになっていきます。

人間界の市場で、ダフネは物欲を見せる

場面は、人間界の市場へ移ります。

中世の街並みのようなにぎやかな場所で、露店が並び、人々が行き交っています。アイソンとダフネは手をつなぎながら歩いています。

ダフネは、美しい宝石やネックレスが並ぶ店に目を留めます。

大ぶりのゴールドのネックレスを手に取り、自分の首元に当てながら、嬉しそうに鏡を見ます。

そして、並んでいるネックレスを「すべていただくわ」と言います。

アイソンは黙って支払う

アイソンは、ダフネの望みに逆らいません。

彼は彼女を満足させるように、黙って代金を支払います。

この場面だけを見ると、アイソンは妻を喜ばせようとする夫のように見えます。

けれど、どこか空虚です。

ダフネは欲しいものを次々と求め、アイソンはそれを与える。そこには、かつてシンシアがアイソンの安全や幸せを祈ってお守りを贈った時のような、相手を想う深さは感じられません。

物を与えれば満たされる関係。

そんな薄さが、少しずつ見え始めます。

従者がイチジクの蜂蜜漬けを運んでくる

次に場面は、円形闘技場のような石造りの広い場所へ移ります。

アイソンとダフネは並んで腰掛けています。

そこへ、白い衣服を着た金髪の従者が、ひざまずきながら料理を運んできます。お盆の上には、美しく盛られたフルーツがあります。

従者は、それが『イチジクの蜂蜜漬け』だと告げます。

本来なら、丁寧にもてなそうとしただけの場面です。

けれど、ダフネはその料理を見た瞬間、表情を一変させます。

ダフネは従者を激しく叱りつける

ダフネは怒りに目を見開きます。

彼女は、リンゴを頼んだはずだと激しく怒鳴ります。

さらに、自分の好物さえ覚えられないのかと責め、従者に跪いて謝れと命じます。

従者は恐怖に震え、床に平伏して謝ります。そばにいた商人も怯え、頭を下げます。

ここでのダフネは、これまでアイソンの前で見せていたか弱く優しい女性とはまったく違います。

少しでも自分の思い通りにならないと、相手を見下し、怒鳴り、屈服させようとする。

その傲慢さが、はっきり表に出ます。

アイソンはダフネの本性に疑念を抱く

その様子を見たアイソンは、言葉を失います。

彼の表情には、強い衝撃が浮かんでいます。

これまでアイソンは、ダフネを優しく穏やかな女性だと思っていました。彼女を守るためにシンシアを疑い、シンシアを傷つけ、ついにはシンシアを失いました。

そのダフネが、目の前で従者を理不尽に怒鳴りつけている。

アイソンは心の中で問いかけます。

本当に彼女は、自分の知っている優しく穏やかな女性なのか、と。

ダフネはすぐに取り繕う

アイソンの冷たい視線に気づいたダフネは、すぐに態度を変えます。

先ほどまで怒鳴っていた顔を引っ込め、か弱く泣きそうな表情を作ります。

そして、昔シンシアに無理やり食べさせられていたのだと語ります。思い出すと吐き気がするのだと、涙を浮かべて謝ります。

またしても、シンシアの名前が使われます。

ダフネは、自分の怒りを自分の性格の問題として認めません。代わりに、過去のシンシアのせいにします。

これまでと同じです。

何か都合の悪いことが起きれば、シンシアを悪者にする。自分は傷ついた被害者の位置に戻る。

この癖が、今回もはっきり出ています。

アイソンは過去の約束を思い出しかける

ダフネの言葉を聞いたアイソンの脳裏に、過去の記憶がよみがえります。

そこには、シンシアの首元に赤い発疹が出ていた場面が浮かびます。かつてアイソンは、宮殿に蜂蜜を使ったものを一切置かないようにすると誓っていたようです。

この記憶によって、アイソンは気づきかけます。

その約束は、ダフネのためではなかったのではないか。

本当は、シンシアを守るためのものだったのではないか。

ねじ曲げられていた記憶

ここで重要なのは、アイソンの記憶が揺らぎ始めたことです。

ダフネは、自分がつらい目に遭ったように語ります。

しかしアイソンの中には、シンシアを守るために誓った記憶が残っています。

つまり、ダフネの話とアイソンの記憶が食い違い始めているのです。

これまでアイソンは、ダフネの涙を信じ、シンシアを疑ってきました。

しかし今回ばかりは、目の前でダフネの豹変を見ています。さらに、過去の約束もシンシアに関係するものだった可能性が浮かびます。

真実は、少しずつアイソンの前に姿を見せ始めています。

けれどダフネは、アイソンの胸に顔をうずめ、泣きじゃくるふりをします。

そして彼に見えないところで、邪悪な笑みを浮かべます。

アイソンは幸せのはずなのに、満たされない

場面は、帰還の馬車へ移ります。

豪華な金の馬車が大空を飛び、車内ではアイソンとダフネが並んで座っています。

ダフネは、市場で買ってもらった宝石の詰まった箱を嬉しそうに眺めています。

彼女は満足しているように見えます。

一方のアイソンは、窓の外に広がる雲海を見つめています。

彼の表情は沈んでいます。

愛する人と結ばれたはずなのに

アイソンは心の中で思います。

ついに愛する人と結ばれたはずなのに、何かが足りない。

この感覚こそ、第16話の大きなポイントです。

アイソンは、ずっとダフネを愛していると自分に言い聞かせてきました。シンシアが去ったあとも、ダフネと結婚することこそ本当の願いのはずだと思い込もうとしていました。

しかし、実際にダフネと結ばれても、心は満たされません。

むしろ、シンシアを失った喪失感だけが、彼の中で大きくなっているように見えます。

シンシアの「結婚祝い」が発動する

その時、空の様子が一変します。

突然、空が暗くなり、赤黒い不気味な雲が渦巻き始めます。

ダフネが抱えていた宝箱が、禍々しい赤黒い光を放ちます。

ダフネは驚き、目を見開きます。

そして上空の黒雲が割れ、巨大な冥界の黒いドラゴンの頭部が現れます。鋭い牙をむき出しにしたそのドラゴンは、馬車へ襲いかかります。

シンシアの復讐は、ダフネを狙っていた

ここで、シンシアの冷たい声が響きます。

一番愛する人と結ばれるよう手伝ってあげた。
私の結婚祝いは気に入ってくれるか。

この言葉によって、今回の異変がシンシアの仕掛けだったことが分かります。

シンシアは、ただ冥界へ逃げただけではありません。

ダフネとアイソンが結ばれるように見せかけ、その結末に罠を仕込んでいました。

ダフネにとっては、アイソンと結ばれることが勝利のはずでした。

しかし、その勝利こそがシンシアの『結婚祝い』の始まりだったのです。

黒いドラゴンがダフネへ襲いかかる

黒いドラゴンは、咆哮を上げながら馬車に迫ります。

馬車の中には、驚愕するダフネと、異変に気づいたアイソンがいます。

そこに、黒いドレスを着て冷酷に微笑むシンシアの幻影が重なります。

これは、シンシアが自分を傷つけた者たちへ向けて放った復讐の象徴です。

彼女は、ダフネにアイソンを奪われたまま泣き寝入りする女性ではありません。

自分を追い詰めた二人へ、忘れられない『結婚祝い』を贈ったのです。

第16話は、ダフネの本性とシンシアの罠が同時に始まる回

第16話では、ダフネの本性が大きく表に出ました。

従者に怒鳴りつける傲慢さ。
すぐに泣き顔を作ってシンシアのせいにする狡さ。
アイソンに見えないところで浮かべる邪悪な笑み。

アイソンは、ようやくダフネの違和感に気づき始めます。

同時に、シンシアの『結婚祝い』もついに動き出しました。

一番愛する人と結ばれるよう手伝う。

一見すると祝福のような言葉ですが、その中身は冷酷な復讐です。

アイソンが本当に欲しかったものを失い、ダフネが勝ったと思った瞬間に破滅へ向かう。

第16話は、シンシアの反撃が本格的に始まった回でした。

【冥王家の花嫁 偽りの愛に別れを】16話を読んだ感想(ネタバレあり)

第16話は、ダフネの本性がかなりはっきり見えた回でした。

これまでダフネは、アイソンの前ではいつも弱くて可哀想な女性を演じていました。けれど今回、人間界の市場で従者に怒鳴りつける姿は、完全に別人です。

「私の好物さえ覚えられないの?」と怒り、跪いて謝れと命じる場面には、彼女の傲慢さが強く出ていました。

そして、その直後にアイソンの視線に気づくと、すぐ泣き顔を作ってシンシアのせいにする。

ここが本当に怖いです。

ダフネはただ感情的なだけではありません。自分が不利になった瞬間、どうすればアイソンの同情を引けるかを分かっているように見えます。

一方で、アイソンがついに疑念を持ち始めたのは大きな変化でした。

これまで彼はダフネの涙を見れば、すぐシンシアを疑っていました。でも今回は、ダフネの豹変を目の前で見ています。さらに、蜂蜜に関する過去の約束も思い出しかけています。

真実に近づく気配が、ようやく出てきました。

ただ、それでもアイソンの心はまだ中途半端です。

ダフネと結ばれたはずなのに、何かが足りないと感じている。これは、もうシンシアを失った痛みをごまかせなくなっているということだと思います。

そしてラストのシンシアの結婚祝いが強烈でした。

ダフネをアイソンと結ばせること自体が、シンシアの復讐の一部だったという構図が面白いです。

ダフネは勝ったと思っている。
アイソンはダフネを選んだと思い込もうとしている。
でもその先に、シンシアの罠が待っている。

黒いドラゴンが現れるラストは、いよいよシンシアの反撃が目に見える形で始まった感じがあり、次回への期待が高まる終わり方でした。

【冥王家の花嫁 偽りの愛に別れを】16話のネタバレまとめ

  • アイソンは婚礼後の埋め合わせとして、ダフネの望みを叶えようとする
  • ダフネは人間界の市場へ行きたいと願う
  • 市場でダフネは美しいネックレスを見つけ、すべて欲しいと望む
  • アイソンはダフネのために黙って支払いをする
  • 従者が『イチジクの蜂蜜漬け』を運んでくる
  • ダフネはリンゴを頼んだはずだと激怒し、従者に跪いて謝るよう命じる
  • アイソンはダフネの凶暴な態度を見て、本当に優しく穏やかな女性なのかと疑い始める
  • ダフネはすぐに泣き顔を作り、昔シンシアに無理やり食べさせられていたと嘘のような言い訳をする
  • アイソンは、蜂蜜を使ったものを宮殿に置かないと誓った過去を思い出しかける
  • ダフネはアイソンに見えないところで、不敵な笑みを浮かべる
  • 帰りの馬車で、ダフネは買ってもらった宝石を嬉しそうに眺める
  • アイソンはダフネと結ばれたはずなのに、何かが足りないと感じる
  • ダフネの宝箱が赤黒い光を放ち、空に不気味な黒雲が広がる
  • 巨大な冥界の黒いドラゴンが現れ、馬車へ襲いかかる
  • シンシアの声が響き、これが彼女の『結婚祝い』であることが明かされる
  • 第16話は、ダフネの本性の露呈と、シンシアの復讐の開始を描いて終わる

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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