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【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】ネタバレ完全版|最終巻までのあらすじ感想まとめ

ずっちー

※本ページはプロモーションが含まれています

この記事を読んでいるあなたは、

「『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』の詳しいネタバレが知りたい」
「物語の結末はどうなったのか、最終回まで内容を知りたい」
「読んだ人の感想や評価も気になる」

そう考えて、情報を探しているのではないでしょうか。その気持ち、非常によく分かります。この作品は、一度触れるとその衝撃的な展開や登場人物たちの心の動きから目が離せなくなりますよね。

私自身、この「君が僕らを悪魔と呼んだ頃」を全14巻、最後まで読了し、その人間の本質に迫るような重いテーマと、息をのむストーリー展開に深く心を揺さぶられました。この記事では、そんな私の読書体験と、関連情報を徹底的に調査した結果に基づき、作品の概要から始まり、物語の核心に触れる重要なネタバレ、登場人物たちの関係性、そして様々な読者の声まで、網羅的に解説していきます。

この記事を読むメリットとしては、作品の全体像や重要なポイント、そして結末に至るまでの流れを効率的に把握できる点が挙げられます。物語への理解がより一層深まることでしょう。しかしその反面、デメリットもあります。この記事は「ネタバレ」を前提としているため、まだ作品を読んでいない方にとっては、物語の驚きや感動を先に知ってしまうことになります。ご自身で結末を確かめたいという方にとっては、読む楽しみが減ってしまう可能性がある点は、どうかご留意ください。

それでも、「内容を詳しく知りたい」「結末が気になる」という方は、ぜひこの先を読み進めて、「君が僕らを悪魔と呼んだ頃」の世界を深く探求してみてください。

※2025年7月16日(15:00現在) 3巻までネタバレ公開中|順次公開します

Contents
  1. 【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】ネタバレの前に概要を紹介
  2. 【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】全話ネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】ネタバレの前に概要を紹介

どんな話?あらすじをわかりやすく解説

この物語は、主人公である高校生、斎藤悠介(さいとう ゆうすけ)がある出来事をきっかけに過去の記憶をすべて失ってしまうところから始まります。彼は記憶がないながらも、バイトをしたり、彼女ができたりと、ごく普通の学生生活を送ろうとしていました。

しかし、悠介の失われた過去は、決して平凡なものではありませんでした。彼の前に、過去を知る人物が次々と現れます。バイト仲間のシュウや、元親友だという会澤(あいざわ)は、かつての悠介が「悪魔」と呼ばれ、他人を不幸に陥れて楽しむような、信じられないほど酷い行いを繰り返していたと告げるのです。悠介にはまったく身に覚えのない話ですが、彼らが語る過去の断片は、悠介を混乱させ、恐怖に陥れます。

物語の中心となるのは、悠介が失われた記憶、特に「自分が誰かを殺した」という断片的な記憶の真相を探る旅です。特に重要となるのが、一ノ瀬明里(いちのせ あかり)という女性の存在です。悠介は、自分が彼女を殺したと思い込んでいますが、記憶を辿る中で、彼女との複雑で歪んだ関係や、共に過ごした日々、そして別の衝撃的な真実が明らかになっていきます。

過去の自分が行ったとされる、いじめや暴力といった「悪魔」の所業。その事実に苦悩しながらも、悠介は現在の彼女である環(たまき)や、過去の共犯者でもある会澤といった人物たちに翻弄され、時には大切な人を守るために、再び「悪魔」に戻ることさえ迫られます。

この物語は、単なる記憶探しのミステリーではありません。「犯した罪は許されるのか」「人は本当に変われるのか」「贖罪とは何か」といった、非常に重く、答えの簡単には出ないテーマを読者に問いかけます。壮絶ないじめや暴力、読んでいて辛くなるような描写も多く含まれるため、注意が必要です。

物語は悠介の高校時代だけでなく、10年後、さらにその先の未来へと続いていきます。過去の罪から逃れられない悠介が、新たな出会いや事件を通して、どのように自分の人生と向き合っていくのか、その壮大なヒューマンドラマが描かれています。登場人物たちの複雑な心理描写や、散りばめられた伏線も見どころの一つです。

どんな世界観や設定?

この物語の舞台は、私たちが普段生活している現代の日本です。特別な魔法や超能力が出てくるファンタジーではなく、高校や街、寂れた港町など、どこかに本当にありそうな場所で物語が展開されます。そのため、登場人物たちが経験する出来事や感情が、よりリアルに感じられるかもしれません。

世界観の大きな特徴は、非常にダークでシリアスな雰囲気を持っている点です。物語の根幹には、主人公・斎藤悠介の「記憶喪失」と、彼が記憶を失う前に行っていたとされる「悪魔」のような酷い行いが存在します。いじめや暴力、時には犯罪と呼べるような出来事が、かなり直接的に描かれています。

この設定により、物語は常に緊張感に包まれています。登場人物たちは、過去の罪やトラウマ、憎しみ、罪悪感、依存といった、人間の暗い部分や複雑な感情と向き合わざるを得ません。単純な善悪では割り切れない、歪んだ人間関係も多く描かれます。

また、「人は罪を償えるのか」「過去の過ちから立ち直れるのか」といった、重く深いテーマが全体を通して問いかけられます。読んでいると、登場人物たちの苦悩や葛藤に、心が締め付けられるような場面も少なくありません。

物語のもう一つの特徴的な設定として、時間軸が大きく動くことが挙げられます。主人公の高校時代を描いた後、物語は一気に10年後、さらにその先の未来へとジャンプします。これにより、過去の出来事が登場人物たちの人生にどのような影響を与え続けたのか、そして彼らがどのように変化していったのか(あるいは変われなかったのか)が、長い視点で描かれる構成になっています。

このように、現実的な舞台設定の中で、人間の心の闇や罪と罰といった重いテーマを、時間軸を飛び越えながら深く掘り下げていくのが、この作品の世界観と設定の大きな特徴と言えるでしょう。

登場人物を紹介

この物語には、それぞれに複雑な過去や想いを抱えた、魅力的な(そして時には恐ろしい)登場人物たちが登場します。ここでは、物語の中心となる主な人物を紹介します。

斎藤悠介(さいとう ゆうすけ)

この物語の主人公です。物語が始まった時点では、過去半年間の記憶を失っている心優しい高校生として描かれます。しかし、失われた記憶の中には、周囲から「悪魔」と呼ばれていたほどの、残虐で冷酷な自分が隠されています。記憶を取り戻す過程で、過去の自分の罪と向き合い、激しく苦悩することになります。

一ノ瀬明里(いちのせ あかり)

悠介の同級生で、彼が過去に最も酷い仕打ちをしたとされる重要な女性キャラクターです。悠介は当初、自分が彼女を殺してしまったと思い込んでいます。しかし、物語が進むにつれて、彼女の生存や、悠介との間にあった想像を超える複雑で歪んだ関係性が明らかになっていきます。彼女の存在は、悠介の過去と未来を繋ぐ鍵となります。

大河原環(おおがわら たまき)

記憶を失った後の悠介の彼女です。ごく普通の、心優しい女の子に見えます。衝撃的な悠介の過去を知ってもなお、彼を見捨てずに支え続けようとする健気さを持っています。読者にとっては、この過酷な物語の中で、数少ない癒やしや共感を感じられる存在かもしれません。

会澤(あいざわ)

悠介の「元親友」を名乗る謎めいた青年です。右手に痛々しい穴が開いており、これも過去の悠介の仕業だと語ります。飄々とした態度で悠介に近づき、失われた記憶を取り戻させ、再びかつての「悪魔」として覚醒させようと画策します。彼もまた、悠介の過去の共犯者であり、物語をかき回す存在です。

シュウ

悠介のバイト仲間として登場しますが、実は中学時代に悠介から酷いいじめを受けていた被害者の一人です。悠介に対して強い憎しみと復讐心を抱いていますが、記憶を失い苦悩する現在の悠介に対しては、単純な憎しみだけではない複雑な感情を見せることもあります。

藤森蒼志(ふじもり そうし)・茜(あかね)・緑(みどり)

物語が10年後の世界に移った際に登場する3兄妹です。ある出来事をきっかけに悠介と出会い、奇妙な共同生活を送ることになります。彼らとの関わりは、過去の罪から逃れるように生きてきた悠介に、新たな変化や試練をもたらします。

米村(よねむら)

物語の後半に登場する刑事です。一連の事件を捜査する中で悠介と関わりますが、次第に彼自身が様々な事件の裏で暗躍している黒幕のような存在として描かれていきます。悠介にとって大きな敵対者となる人物です。

これらの登場人物たちが織りなす、愛憎入り混じる複雑な人間関係も、この物語の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】全話ネタバレ解説

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】1巻の解説はこちら

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】1話あらすじ・感想(ネタバレあり)

主人公の斎藤悠介は、高校入学以前の15年間の記憶を失っている高校生です。彼は、幼馴染の少女・環との平穏な日々を送っていました。しかし、その日常は、中学時代のいじめ被害者であるシュウの出現によって、一瞬にして崩れ去ります。シュウは、悠介こそが自分を地獄に突き落とした張本人であり、「悪魔」だったと告発し、壮絶な復讐を宣告するのでした。

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【感想】 物語の始まりは、どこにでもあるような学園ラブコメを思わせる雰囲気でした。それだけに、後半で明かされる悠介の「悪魔」という過去と、シュウの凄惨ないじめの告白には、心を強く揺さぶられます。人の良さそうな現在の悠介と、シュウが語る過去の悠介とのギャップが、この物語の底知れない恐怖の始まりを告げているように感じました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】2話あらすじ・感想(ネタバレあり)

シュウに殴られた悠介は病院で目を覚まします。迎えに来た母親との会話から、彼が1年前に半年間も失踪し、その結果記憶を失ったことが明らかになります。自宅に戻った悠介は、シュウの告発を否定するため中学の卒業アルバムを開きますが、そこに記されていたのは「完璧な優等生」としての自分でした。混乱する彼の前に、もう一人の復讐者、掌に痛々しい穴が空いた会澤陽二郎が不気味な笑みを浮かべて現れます。

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【感想】 シュウとはまた違う、知的な雰囲気をまとった会澤の登場で、物語の不気味さが一気に増したように感じます。母親が悠介の記憶喪失をひどく恐れている様子や、失踪事件の謎など、新たな伏線が次々と提示され、物語の奥行きが広がりました。完璧な優等生だったという過去が、逆に悠介の二面性を際立たせ、恐怖を煽ります。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】3話・4話・5話あらすじ・感想(ネタバレあり)

会澤は悠介の日常に巧みに入り込み、ついには彼の自宅にまで上がり込みます。そして、悠介の母親の前では「親友」を演じながら、二人きりになると、悠介が過去に行ったおぞましい所業の数々を卒業アルバムを元に語り始めます。それは、シュウや会澤自身への暴力だけでなく、複数の女子生徒を脅迫し、心身ともに踏みにじったという、まさに悪魔の記録でした。会澤は、悠介が記憶を取り戻すための「手助け」と称し、歪んだ協力関係、悪魔の契約を悠介に結ばせるのです。

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【感想】 この中盤の展開は、会澤というキャラクターの異常性が際立つパートでした。彼は単なる復讐者ではなく、悠介を精神的に追い詰め、コントロールすることに喜びを見出す、狡猾なゲームマスターです。次々と明かされる過去の罪は、どれも胸が悪くなるほどの内容で、悠介が本当に救われるべき存在なのか、読者として考えさせられます。会澤の目的が、悠介の記憶の奥にある「何か」であることも示唆され、ミステリー要素がさらに深まりました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】6話・7話あらすじ・感想(ネタバレあり)

会澤は悠介を、かつての「遊び場」であった山奥の廃校舎へと連れて行きます。そこで悠介は、自身の脳裏に焼き付いていた血塗られた教室の光景が、紛れもない現実であったことを、床に残る血痕によって確認させられます。記憶が戻らない悠介に業を煮やした会澤は、偶然その場に現れたカップルを使い、過去の「ゲーム」を再現するという、あまりにも残酷な記憶喚起の儀式を開始します。

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【感想】 廃校舎という舞台設定が、物語の閉鎖的で陰鬱な雰囲気を高めています。会澤が案内する「思い出ツアー」は、悠介の悪行を追体験させるようで、読んでいて非常に辛いものがありました。そして、無関係なカップルを巻き込んで、過去の罪を強制的に再現させようとする展開は、常軌を逸しています。会澤の狂気が、静的なものから動的なものへと変わった瞬間であり、物語の緊張感が頂点に達したように感じます。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】8話・9話あらすじ・感想(ネタバレあり)

会澤は、悠介の恋人・環を人質にとり、見知らぬ女性を犯すか、環が犯されるのを見るか、という究極の選択を迫ります。環を守るため、苦渋の決断を下した悠介。彼が、目の前の女性に手をかけようとした瞬間、極限の精神的ストレスが引き金となり、ついに殺人の記憶が完全に蘇ります。彼は、1年前にこの場所で、ある人物を自らの手で殺害したことを思い出すのでした。

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【感想】 1巻のクライマックスにふさわしい、壮絶な展開でした。愛する人を守るために罪を犯すという、悠介の悲痛な決断には胸が締め付けられます。この極限状況が記憶のトリガーになるという展開は、非常に説得力がありました。「俺が、この手で殺した」。ついに過去の罪を自覚した悠介の絶望は、計り知れません。彼が殺してしまった相手は誰なのか。物語最大の謎の答えまで、あと一歩のところで1巻は幕を閉じます。続きが気になって仕方ありません。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】2巻の解説はこちら

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎10話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

廃校舎での残酷な「ゲーム」によって、ついに自分が犯した殺人の記憶を取り戻した悠介。彼が殺したと記憶する少女の名前は、かつて非道なイジメの標的だった一ノ瀬明里でした 。悠介がその名を口にするのを、会澤は現場にいた女性に聞かせないよう、慌てて制止します 。その後、会澤は女性に口外しないという誓いを立てさせ、脅迫材料として写真を撮ることで、その場を収拾しました 。悪夢のような夜から一週間後、悠介は別人のように無気力になり、友人や恋人だった環とも距離を置きます。彼は、自分が環に惹かれたのは、彼女の面影がどこか明里に似ていたからだと気づいてしまうのです 。そして、悠介は会澤に衝撃の事実を告げます。自分と一ノ瀬明里は、誰にも知られずに付き合っていた、と 。彼は、明里の死の真相を突き止めるため、次なる手がかりである彼女の実家へと向かう決意を固めます

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【感想】 この第10話は、物語の前提を根底から覆す、まさに驚天動地の展開でした。殺した相手が、単なるいじめの被害者ではなく「秘密の恋人」だったという事実は、この物語を一気に複雑で深みのあるミステリーへと昇華させましたね 。なぜ悠介は愛していたはずの彼女を殺さなければならなかったのか。この新たな謎が、読者の考察意欲を強く刺激します。これまでは会澤に翻弄されるだけだった悠介が、自らの意志で過去の謎を解き明かそうと決意したことも大きな変化です。「私を忘れるコトは許さない」という明里の幻影は、悠介にとっての呪いであると同時に、前に進むための唯一の道しるべのようにも感じられました

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎11話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

一ノ瀬明里の死の真相を探るため、悠介と会澤は彼女の実家を訪れます。二人は明里の祖母に「友人」として接し、彼女の生前の様子を尋ねました。祖母の口から語られたのは、両親を亡くしながらも気丈に明るく振る舞っていたこと、そして暴行事件の後、誰にも頼らず「捜さないでほしい」という置き手紙を残して姿を消したという、悲しい過去でした。その後、祖母の留守中に家に侵入した悠介は、簡素な明里の部屋で、彼女と穏やかに笑い合った幸せな日々の記憶を思い出すのでした。

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【感想】 この回は、これまで被害者としてしか描かれてこなかった一ノ瀬明里という少女の、人間的な側面に深く触れるエピソードでした。祖母に心配をかけまいと無理に明るく振る舞う姿や、たった一度の「ワガママ」として警察沙汰にしなかった彼女の優しさが、胸に迫ります。そして最後に蘇る、悠介との幸せそうな記憶。二人の関係が、単なる加害者と被害者ではなかったことを強く示唆しており、なぜ彼が彼女を殺すに至ったのか、謎がより一層切実なものに感じられました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎12話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

明里の部屋で、悠介は彼女との歪で純粋な関係の記憶を完全に取り戻します。それは、明里が自ら提案した、加害者と被害者が密室で対峙し続ける「サバイバルゲーム」でした。いつ襲われるか分からない緊張感の中、他愛のない会話を交わす日々。悠介はその中で、生まれて初めて他者と真剣に向き合い、明里に恋をします。そして、彼が愛を告白したことで、二人の奇妙なゲームは終わりを迎えたのでした。現在に戻った悠介は、殺人現場の不自然さに気づき、「きっとそこに一ノ瀬もいる」と確信し、再び廃校舎へ向かいます。

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【感想】 被害者が加害者に仕掛ける「サバイバルゲーム」という発想が、非常に斬新で衝撃的でした。恐怖によって相手を支配するのではなく、自ら危険な状況に身を置くことで相手の心に変化をもたらそうとした明里の強さに、キャラクターとしての魅力を強く感じます。悪魔だった悠介が、そのゲームを通して恋を知るという展開も、この物語のただならぬ深みを示しているようでした。幸せな結末を迎えたはずの二人に何があったのか、ミステリーの核心がすぐそこに見えてきたような回です。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎13話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

再び廃校舎を訪れた悠介たちは、明里が飼っていた黒猫「ユースケ」に導かれ、彼女の最後の願いであった「お花畑」へとたどり着きます。悠介の記憶の中で、明里は「私の目的は、あなたの心に罪悪感という楔を打ち込むこと」だと、ゲームの真の目的を告げていました。そして、もし自分が死んだら、女の子らしく花畑に埋めてほしい、と。その言葉を頼りに、悠介は荒れた花壇の土を掘り始めます。やがて、彼のスコップは硬い何かに当たり、土の中からは予想だにしなかったものが見つかるのでした。

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【感想】 明里の本当の目的が、悠介への復讐ではなく、「罪悪感」という人間らしい感情を取り戻させることだった、という事実には心を打たれました。彼女は最後まで、悠介という人間の更生を信じようとしていたのかもしれません。そんな彼女の悲しい願いが眠る花壇を掘り起こすシーンは、非常に緊張感がありました。そして、ラストで悠介が掘り当てた「何か」と、彼の恐怖に満ちた表情。亡骸を見つけるだけでは終わらない、さらなる謎を予感させる見事な引きだったと思います。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎14話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

花壇から掘り起こされた腐乱死体を目の当たりにし、悠介の脳裏に新たな記憶が蘇ります。それは、雨の保健室で、仲間たちと共に明里を輪姦したという、おぞましい罪の光景でした。当時の悠介は、自分の罪を実感するために、明里に「悪魔と罵ってくれ」と懇願します。現在の悠介は、その記憶に苛まれながらも、彼女に裁かれるためにと、必死に土を掘り進めました。しかし、完全に掘り起こされた亡骸は、服装も体格も、どう見ても男のものでした。

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【感想】 物語の前提が、またしても根底から覆されました。悠介の犯した罪の中でも、特に陰惨な過去が描かれたことで、彼の「悪魔」性が強調される一方、ラストのどんでん返しで、読者の頭は再び混乱の渦に突き落とされます。悠介が埋めたのは、明里ではなかった。では、この男は誰なのか。そして、本当の明里はどこへ消えたのか。一つの謎が解けるたびに、さらに大きな謎が生まれる、この作品の構成の巧みさに改めて唸らされる回でした。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎15話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介が掘り当てたのは、男の亡骸だけではありませんでした。そこには、かつて悠介たちが犯した悪行の数々を記録した、写真やビデオテープなどの「証拠品」も一緒に埋められていたのです。それこそが、会澤が探し求めていた「宝物」でした。目的を果たした会澤は、悠介との契約終了を宣言します。しかし、悠介は「もし俺が全てを警察にぶちまけたら?」と、今度は自らが会澤を脅迫し、二人の主従関係を逆転させるのでした。

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【感想】 この回のパワーバランスの逆転劇は、読んでいて非常にスリリングでした。自分の身を守るためだけに悠介を利用していた会澤が、今度は悠介によって支配される。悠介の中に、かつての「悪魔」の片鱗が蘇った瞬間であり、彼がただの被害者意識に沈むだけの人間ではないことを示しています。そして、会澤が最後に悠介に突きつけた、「真実を追い求めるか、全てを忘れて生きるか」という選択は、この物語の核心的なテーマであり、悠介の今後の生き方を決定づける、重要な問いかけだと感じました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎16話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

真実を追い求めることを選んだ悠介ですが、明里に繋がる手がかりは途絶え、2ヶ月もの月日が経過します。友人たちとも距離を置き、孤独に調査を続ける彼は、苦肉の策として、明里が飼っていた黒猫を「迷い猫」としてネットに掲載し、関係者からの連絡を待つことにしました。そして、その罠に掛かり、待ち合わせ場所に現れたのは、彼の日常を地獄へと突き落とした最初の復讐者、シュウでした。

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【感想】 一度物語が大きく動いた後、時間が経過し、事態が膠着するという展開は、非常にリアルだと感じました。真実の探求が、そう簡単にはいかないことを示しています。そして、行き詰まった状況で悠介が考えた「迷い猫作戦」と、そこに現れたのがまさかのシュウであったという展開は、意表を突かれました。なぜ彼が現れたのか、その目的は何なのか。物語が再び、原点であるシュウとの関係に戻ったことで、新たな緊張感が生まれました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎17話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

ファストフード店で再会した悠介とシュウ。悠介は、シュウがかつて口にした「アイツを殺したのも」という言葉の真意を問いただします。シュウは、悠介が直接手を下したわけではなく、沢村という別の被害者が、悠介の「遊び」によって自殺に追い込まれたことを明かしました。そして、シュウは現在の悠介が、自分の知る「悪魔」とは別人であり、ただの心優しい高校生に変わってしまったことを認め、「もう何も思い出すな」と、過去の探求を諦めるよう懇願するのでした。

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【感想】 シュウの心境の変化が、非常に丁寧に描かれた回でした。彼が憎んでいたのは悠介という個人ではなく、彼の中にいた「悪魔」性だったのです。そして、その悪魔が消えた今、彼は悠介が再び悪魔に戻ることを恐れている。被害者が加害者に「忘れてくれ」と頼む構図は、とても切なく、考えさせられるものがあります。シュウのこの変化は、悠介にとって救いとなるのか、それとも新たな足枷となるのか、今後の展開が気になる終わり方でした。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎18話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

シュウの言葉に揺れながらも、悠介は母親との間に穏やかな日常を取り戻そうと努めます。夜遅くまで勉強に励み、母のためにカレーを作るなど、不器用ながらも優しさを見せる悠介。その姿に、母は涙ぐみながら喜び、記憶を失ってからの不安な気持ちを打ち明けます。「ここからちゃんと始めればいい」。母の温かい言葉と、久しぶりに囲む食卓は、悠介の心に一筋の光を灯しました。しかし、彼の周囲では、依然として復讐者たちによるものと思われる、陰湿な嫌がらせが続いていました。

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【感想】 これまでの凄惨な展開の中で、一服の清涼剤となるような、非常に温かいエピソードでした。親子の絆が、絶望的な状況にある悠介にとって、どれほど大きな救いであるかが伝わってきます。特に、カレーを食べるシーンは、失われた日常が少しずつ戻ってきたことを象徴しているようで、感動的でした。しかし、その一方で続く嫌がらせの描写が、この平和がいつ壊れてもおかしくない、脆いものであることを示唆しており、読者としては、この幸せが続いてほしいと願わずにはいられません。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎19話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介が掴みかけた穏やかな日常は、最悪の形で打ち砕かれます。彼の母親が、通り魔を装った何者かに襲われ、意識不明の重体に陥ってしまったのです。自分の過去が、ついに最も大切な人を傷つけてしまった。その事実に、悠介は深い罪悪感と絶望に苛まれます。会澤は、悠介に向けられた憎悪のダムが、ついに決壊を始めたのだと告げ、恐怖に震える悠介に、「悪魔に歯向かった愚か者がどうなってしまうのかを教えてあげる」と、不気味に囁くのでした。

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【感想】 前回の温かいエピソードがあったからこそ、この回の絶望感は計り知れないものがありました。最も罪のない母親が犠牲になるという展開は、この物語の容赦のなさを改めて突きつけてきます。会澤の言う「憎悪のダム」という表現も、これまで悠介が犯してきた罪の重さを的確に表しており、非常に秀逸だと感じました。守るべきものを失いかけ、恐怖のどん底にいる悠介に、会澤がこれから何をしようとしているのか。物語は、再び息もつけないほどの暗闇へと引き戻されました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎20話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

母親が襲われたことで、悠介は会澤から究極の選択を迫られます。人間として復讐の波に流されるか、悪魔に戻ってその波を飲み込むか。病院で、意識が朦朧としながらも息子のためにカレーのレシピを伝えようとする母の姿を見た悠介は、ついに決断します。彼は、悲しみや悔しさといった人間らしい感情を捨て、自ら「悪魔」の仮面を被ることを選びました。「だって俺は悪魔なんだから」。そう呟く彼の顔には、全てを諦めたような、それでいて何かを固く決意したような、不気味な笑みが浮かんでいました。

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【感想】 悠介が「悪魔」になることを自ら選ぶ、という衝撃的な決断で幕を閉じた、非常に重い最終話でした。彼がそう決意した理由が、自己保身ではなく、母を守りたいという愛情から来ているという点が、この物語の悲劇性をより一層深めています。愛する者を守るために、人間性を捨てて怪物になる。その選択は、あまりにも切なく、痛々しいです。不気味な笑顔で終わるラストシーンは、これから始まるであろう、さらなる地獄を予感させ、続きが気になって仕方ありません。

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【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎21話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介が「悪魔」に戻る決意を固めた頃、新たな復讐者たちが動き出していました。かつて悠介の仲間だった者たちを束ね、現れたのは、眼鏡をかけた青年・三田村でした。彼は悠介の記憶喪失と弱体化が被害者たちの間に知れ渡ったことを告げ、力関係が逆転した今、「今度はお前たちが狩られる番だ」と宣言します。そして、自らの足に釘を打ち付けるという狂気的な行動で、過去に受けた痛みと屈辱を、悠介にそっくりそのまま返そうとするのでした。しかし、完全に「悪魔」として覚醒した悠介は、その復讐の舞台を逆に利用し、恐怖で彼らを支配する新たな「ゲーム」を始めてしまいます。

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【感想】 この回は、三田村という新たな復讐者の登場によって、物語の緊張感が一段と高まりました。自らの体を傷つけることも厭わない彼の狂気的な復讐心には、これまでの復讐者とは違う、底知れない執念を感じます。しかし、それ以上に衝撃的だったのは、悠介の反応です。彼は、恐怖するどころか、その状況さえも自分の「ゲーム」の駒として利用してしまう。その姿は、彼が完全に過去の「悪魔」へと回帰したことを、読者に強く印象付けました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎22話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

三田村の回想によって、彼が復讐に駆られる理由が明かされます。彼には、いつも守ってきた大切な妹・陽子がいましたが、彼女は三田村の目の前で、悠介たちによって無残に凌辱されてしまったのです。事件後、陽子は絶望する兄を支え、「私も悪魔退治、協力するから」と、共に戦う決意をします。現在の倉庫で、三田村兄妹は、かつて自分たちが受けたのと同じ仕打ちを、悠介の元仲間に再現していました。しかし、その復讐劇を、悠介はただ冷ややかに嘲笑うだけでした。「人間ごときが悪魔を退治しようだなんて」。その言葉に、三田村の心は完全に折れてしまいます。

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【感想】 三田村兄妹の悲しい過去には、同情を禁じえません。特に、被害者である陽子自身が、兄を支えて立ち上がろうとする姿は、非常に健気で胸を打たれました。しかし、彼らの復讐は、結局のところ暴力の連鎖でしかなく、本物の「悪魔」である悠介には全く通用しない。その無力さと、悠介の絶対的なまでの悪意が、この物語の持つ、救いのない恐ろしさを際立たせているように感じました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎23話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介は、入院中の母に手作りのカレーを届け、束の間の穏やかな時間を過ごします。その後の会澤との会話で、悠介が「悪魔」として振る舞ったことで、復讐者たちの動きが止まっていることが明らかになります。しかし、会澤は、悠介の悪魔としての振る舞いが、あくまで「演技」であり、限界が近いことを見抜いていました。そして、三田村たちを屈服させた時に何を感じたか、と問われた悠介は、「吐きたくなるほどの嫌悪感」と、その本心を吐露します。その答えに、会澤は「結局君は羽化もせずいつまでも蛹のままだね」と、静かに失望するのでした。

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【感想】 この回は、悠介の内面が深く描かれた、非常に重要なエピソードでした。彼が悪魔の仮面を被っているのは、あくまで大切なものを守るためであり、その本質は変わっていない。その事実に少し安堵する一方で、会澤の歪んだ期待には、新たな恐怖を感じました。彼が望むのは、悠介の更生ではなく、かつての悪魔の完全復活だったのです。悪魔にも人間にもなりきれない、悠介の「蛹」としての苦悩が、痛いほど伝わってきました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎24話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

母の入院費のために節約に励む悠介の元に、元カノの環が突然現れます。彼女は、会澤から、悠介の過去に関する全ての真実を聞かされていました。悠介が自分を振ったのは、彼女を事件に巻き込まないためだったことも。会澤は、環を「無能のお守り役」と罵り、彼女の心を揺さぶることで、悠介をさらに追い詰めようとしていたのです。全てを知った環は、悠介に「嘘だと言って」と涙ながらに訴えますが、悠介は彼女を守るため、冷たく突き放します。しかし、環はその言葉を振り切り、悠介を強く抱きしめるのでした。

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【感想】 会澤の非道さが、ここに極まったと感じる回でした。悠介本人だけでなく、彼が最も大切に思う環の心まで利用するとは、まさに悪魔の所業です。しかし、そんな絶望的な状況の中で、環が見せた強さには、心を打たれました。真実を知ってもなお、悠介のそばにいると決めた彼女の覚悟は、この物語における、一筋の光のように感じられます。彼女の存在が、悠介をどう変えていくのか、目が離せません。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎25話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介に寄り添おうとする環。しかし、悠介は彼女を突き放し、自分は「悪魔」に戻ったのだから、お前の存在は邪魔だと告げます。その言葉に、環は「本当に悪魔だと言うなら、私を犯してみせて」と、自らの身を賭して、悠介の良心を信じようとします。悠介はその挑発に乗ろうとしますが、やはり彼女を傷つけることはできず、泣き崩れてしまいました。環は、そんな悠介を優しく受け入れ、「あなたが大好きだからだよ」と、揺るぎない愛を告げます。しかし、二人が結ばれた翌朝、悠介は見知らぬ海辺の部屋で目を覚ますのでした。

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【感想】 環の覚悟と愛情が、ついに悠介の固い仮面を打ち破った、感動的な回でした。悠介が悪魔になりきれない、心ある人間であることが証明された瞬間は、読者として、本当に救われた気持ちになりました。しかし、その感動的な結末を、ラストの謎のシーンが、一瞬にして覆します。幸せな朝は、夢だったのか。それとも、また新たな事件に巻き込まれてしまったのか。一瞬の希望の後に、さらに深い謎を提示する、見事な構成でした。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎26話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介が見た海辺の町の光景は、失われた記憶の断片でした。環と会澤の協力の元、悠介はその記憶をスケッチに描き起こし、ついにその場所を特定します。そこは、悠介が半年間失踪していた間に暮らしていた町でした。もし、そこに一ノ瀬明里が生きているとしたら、自分はどうすればいいのか。迷う悠介に、環は「謝るの。許してもらえるまで」と、ただ一つの道を示します。そして、彼らがついに思い出のアパートにたどり着いた時、悠介は、明里が「私があなたの代わりに、あいつを…」と、血に濡れたナイフを握る幻影を見るのでした。

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【感想】 この回は、環の存在が、悠介にとっての「道徳」や「良心」の象徴として、より強く描かれていると感じました。彼女の言葉があったからこそ、悠介はただ過去に怯えるだけでなく、罪と向き合う覚悟を決められたのでしょう。そして、ラストで示唆された、明里が悠介の代わりに誰かを殺した、という可能性。悠介の殺人という、物語の前提が覆るかもしれない、衝撃的な展開に、息を呑みました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎27話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

思い出の町へ向かう電車の中、環は、恐怖に沈む悠介を元気づけようと、「これはただのデート」だと、旅の意味を明るく言い換えます。そして、彼女が事前に会澤と対峙し、悠介を守る覚悟を伝えていたことも明らかになります。その芯の強さに、悠介は明里の面影を重ねていました。町に到着し、記憶の場所を目の前にして、再び足がすくむ悠介。その手を、環は「大丈夫だよ、一緒に行こう」と、強く握るのでした。

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【感想】 悠介と環、二人の絆の深さが、とても丁寧に描かれた、美しい回でした。環が、ただ守られるヒロインではなく、自ら考えて行動し、悠介を導く対等なパートナーとして成長している姿が、非常に魅力的です。悠介が、彼女の強さの中に明里の面影を見るシーンは、彼の愛情の根源を示唆しているようで、とても印象的でした。手を取り合って、過去へと歩き出す二人の姿は、この物語の希望そのものだと感じます。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎28話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

思い出の町を歩いても、悠介の記憶はそれ以上蘇らず、彼は焦りを感じます。そんな悠介に、環は、二人が初めて出会った時の話をし始めました。記憶を失った悠介からの、あまりに唐突な告白。そのドラマチックな状況に、自分が惹かれてしまったこと。そして、悠介が自分を、一ノ瀬明里の面影と重ねているのではないか、という不安。その問いに、悠介は「きっかけは一ノ瀬かもしれねーけど、今俺が好きなのは…」と、環への本当の気持ちを告白するのでした。

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【感想】 この回は、悠介と環の関係にとって、一つの到達点と言えるエピソードでした。悠介が、過去の明里への想いと、現在の環への愛情を、自分の中で整理し、本当の気持ちを自覚する。その過程が、二人の出会いを振り返るという形で、自然に描かれていたのが見事です。環も、ただ嫉妬するのではなく、悠介の過去ごと受け入れようとする。その覚悟が、二人の関係を、より本物へと昇華させたのだと感じました。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎29話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

思い出のアパート「みどり荘」にたどり着いた二人。そこにいた漁師の男性は、悠介を「ユーサク」、環を「チサト」と呼びます。失踪中、悠介が偽名を使い、環によく似た少女・チサト、そして一ノ瀬明里と共に、この町で暮らしていたことが判明しました。さらに、大家の男性から、2ヶ月前にチサトが訪れ、悠介宛に手紙を預けていったことを聞かされます。明里が生きていると確信した悠介。しかし、その手紙を前にして、彼は恐怖に襲われます。そして、部屋に入った瞬間、全ての記憶が蘇るのでした。

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【感想】 「ユーサク」と「チサト」という、新たな名前の登場によって、失踪していた半年間の謎が一気に深まりました。環にそっくりな少女とは、一体何者なのか。そして、明里を含めた三人の関係とは。読者の興味を掻き立てる、見事な展開でした。そして、全ての記憶を取り戻した悠介が、環に「俺達が犯した罪の全てを」と語りかけるラストシーン。いよいよ、物語の全ての真相が明かされるのだと、期待が最高潮に達する、完璧な引きだったと思います。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎30話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

全ての記憶を取り戻した悠介は、環に、中学卒業から失踪に至るまでの経緯を語り始めます。それは、彼が計画した、人生の「リセット」計画でした。中学までの悪行は、高校で「平穏で幸せな日常」を手に入れるための布石であり、卒業を機に「悪魔の皮」を脱ぎ捨て、新たな自分として生きるつもりだったのです。彼は、一ノ瀬明里との最後の「ゲーム」を終え、計画通りに新しい町で高校生活をスタートさせました。しかし、彼を待っていたのは、輝かしい日常ではなく、記憶喪失という「地獄」の始まりだったのです。

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【感想】 悠介の行動原理が、ただの快楽殺人鬼のようなものではなく、「普通の幸せ」を求める、あまりに歪んだ願望から来ていた、という事実には、改めて彼のサイコパスとしての恐ろしさを感じました。自分の目的のためなら、他者の人生を踏みにじることを何とも思わない。その思考回路は、理解を超えています。そして、彼の完璧な計画が、謎の記憶喪失によって破綻するという皮肉。運命の残酷さを感じさせる、非常に秀逸な構成の回でした。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎31話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

悠介の回想は続きます。新しい高校で、「普通の高校生」を演じようとした悠介ですが、友人たちの他愛のない会話や、部活動の情熱に、彼は全く共感できず、退屈と苦痛を感じるだけでした。彼の心は、かつて味わった、他者を支配するスリルと快感を、渇望していたのです。「人間の皮被って生き続けるなんて無理だった」。そう悟った彼が、全てを投げ出そうとした、その時でした。彼の目の前に、一ノ瀬明里が現れたのです。

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【感想】 この回は、悠介というキャラクターの、根源的な部分を深く掘り下げていました。彼にとっての「幸せ」は、我々の常識とは全く違う場所にある。その価値観のズレが、彼を「悪魔」たらしめているのだと、改めて感じさせられます。そして、彼が人間でいることを諦めた、まさにその瞬間に、全ての原因である明里と再会するという展開は、あまりに運命的で、鳥肌が立ちました。ここから、二人の逃避行が始まるのですね。

【君が僕らを悪魔と呼んだ頃】︎32話のあらすじ・感想(ネタバレあり)

橋の上で再会した悠介と明里。彼女もまた、新しい高校で「悪魔によって汚された女」という噂に苦しみ、普通の生活を送ることに絶望していました。彼女は、自分にかけられた呪いを解けるのは、呪いをかけた悠介しかいないと信じ、「一緒にどっか行っちまうか」と、二人での逃避行を提案します。「悪魔」を演じることに限界を感じていた悠介と、「人間」として生きることに限界を感じていた明里。互いに限界だった二人は、その手を取り合い、半年に及ぶ失踪の旅へと出発するのでした。

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【感想】 悠介だけでなく、明里もまた、過去の呪縛に苦しみ、限界を迎えていた。その事実が、二人の逃避行に、切なくも、どこか共犯者としての強い絆を感じさせます。加害者と被害者が、手を取り合って過去から逃げるという構図は、非常に斬新で、物語のテーマの深さを感じさせました。こうして、全ての謎の中心である「失われた半年間」の物語が、いよいよ始まります。二人の逃避行の先で、一体何が起きたのか。次巻への期待が、最高潮に達する終わり方でした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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