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【問題な王子様】7話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】7話をネタバレありで解説する

第6話で、社交界デビューに向けてマイアー伯爵夫人という強力ながらも計算高いシャペロン(後見人)を得たエルナ。第7話では、彼女の運命を大きく左右する王宮の舞踏会当日が描かれます。一方、ビョルン王子もまた、自身の意に反してその舞踏会へと足を運ぶことになります。二人の道が、ついに劇的な形で交差するのです。

エルナのデビュタントドレスとマイアー伯爵夫人の深謀

エルナが王宮の舞踏会で身にまとうデビュタントドレスは、一見すると伝統に則った純白のものでした。しかし、そのデザインは肩や胸元が大胆に開いた、非常に型破りなもの。このドレスを選んだのは、他ならぬシャペロンのマイアー伯爵夫人でした。彼女の狙いは明確で、20歳という遅いデビューで注目を集めるためには、平凡なドレスではなく、むしろ破格な装いで人々の度肝を抜き、話題の中心になることでした。

継母ブレンダは、そのあまりの大胆さに「正気の親が娘に着せるようなものではない」と内心で毒づきながらも、娘を高く売り出したいという野望を持つ父親としては、この奇策を受け入れざるを得ませんでした。エルナ自身も、この肌もあらわなドレスに強い抵抗を感じます。しかし、メイドのリサが「このドレスを着せないと追い出されてしまう」と涙ながらに訴えるのを見て、肩をレースのショールで覆うというささやかな抵抗をすることで、何とか妥協するのでした。

ビョルン王子、不本意ながらも舞踏会へ

その頃、ビョルン王子は、普段よりもずっと早い時間に叩き起こされ、王宮の舞踏会への準備を進めていました。彼にとって、この舞踏会への出席は父である国王からの半ば脅迫に近い命令によるものであり、決して本意ではありません。しかし、「デナイスタとして守ってきた人生の適正ライン」として、最小限の責務は果たすという彼なりのけじめでもありました。

馬車の窓から差し込む光の中を漂う金色の埃を目で追いながら、彼はどこか上の空です。フィツ夫人が道中の混雑を心配しても、「それも悪くない」と気のない返事をし、まるでこれから起こる騒動を予期しているかのような、あるいは単にすべてが退屈で仕方がないといった様子で、王宮へと向かうのでした。

波乱の幕開け、舞踏会場への遅刻

エルナたちハルディ一家を乗せた馬車は、シュベリンから首都ベルネへ向かう道中、予期せぬ馬車の事故に巻き込まれ、王宮への到着が大幅に遅れてしまいます。ただでさえ大胆なドレスに身を包み、緊張と不安で胸がいっぱいだったエルナは、この遅刻によってさらに精神的に追い詰められていきます。「馬車から飛び降りたい気分」とまで思いつめるエルナ。そんな彼女の心情をよそに、ハルディ子爵は「教えた通りにうまくやれ」とプレッシャーをかけるばかりでした。

ようやく王宮にたどり着いたエルナたちを待っていたのは、怒りに満ちたマイアー伯爵夫人でした。すでに国王夫妻は臨席し、今シーズンにデビューする令嬢たちの紹介も終わってしまっているという最悪の状況。しかし、百戦錬磨の伯爵夫人は、この絶体絶命のピンチを逆手に取ることを瞬時に思いつきます。「多くの若い女性の一人として登場するより、こちらの方がずっとお得だ」と。彼女は、エルナが最後の砦として肩にかけていたレースのショールを一気に奪い取り、「さあ、行きなさい!」と冷たく命じて、エルナの背中を強く押し、華やかなホールへと送り出すのです。

運命の瞬間、二人の出会い

眩い光と人々の喧騒の中に、まるで放り出されるように一人足を踏み入れたエルナ。あまりの緊張と恐怖に、心臓は張り裂けそうになり、息もまともにできません。震える足でどうにか数歩進んだものの、自分がどんな姿をしているのかを思い出し、再び立ち尽くしてしまいます。助けを求めるように周囲を見回しますが、目に入るのは見慣れない顔と目まぐるしい光ばかり。

まさにその時、「シュベリン大公、ビョルン王子の登場です!」という侍従の叫び声がホールに響き渡ります。エルナが恐怖と混乱の中で身動き一つ取れなくなっている、まさにその瞬間、ビョルン王子がホールへと足を踏み入れてくるのでした。この劇的な鉢合わせが、エルナとビョルンの運命を大きく動かすことになるのです。第7話は、この息をのむような出会いの場面で幕を閉じ、読者を物語の核心へと一気に引き込みます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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