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【問題な王子様】9話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】9話をネタバレありで解説する

運命的な、しかし波乱に満ちた出会いを果たしたエルナとビョルン。第9話では、舞踏会での出来事が引き起こした余波と、エルナを取り巻く厳しい現実、そしてビョルン王子のエルナに対する複雑な心境が描かれます。

舞踏会の後日譚、エルナへの評価とビョルンの不信感

あの衝撃的な舞踏会の夜の後、エルナ・ハルディの名前は瞬く間にレチェンの社交界に知れ渡りました。ビョルン王子が目を奪われたという噂は、彼女を一躍「今シーズンの社交界の花」へと押し上げたのです。しかし、その一方で、**「豪勢に詐欺に遭って家勢が傾き、娘を売ろうとするハルディ子爵家」「品位と自尊心を捨て、喜んでその企みに同調する娘」**といった辛辣な悪評もまた、彼女の周囲に渦巻いていました。

ビョルン王子自身は、舞踏会場でエルナが見せた怯えた様子や、その後のぎこちない振る舞いを、マイアー伯爵夫人が仕組んだ計算高い演技だと断じていました。エルナの類まれな美貌は認めつつも、「女の憎たらしい演技に巻き込まれた」と感じ、彼女に対して不信感を抱いています。弟のレオニード王太子から「本当に何もない仲なのか」と問われても、「さあ」「殿下が望むなら、築くこともできる」とエルナをからかうような、あるいは道具のように扱うかのような冷めた態度を崩しません。

国王夫妻の憂慮とエルナへの微かな注目

国王フィリップ3世と王妃イザベルは、長男ビョルンの奔放な行状と、元妻グレディス・ハードフォートの帰還に頭を悩ませていました。彼らは、ビョルンがこれ以上スキャンダルを起こすことなく、まともな家庭を築くことを切に願っています。そんな中、舞踏会でビョルンと関わりを持ったエルナ・ハルディという存在が、彼らの目に留まります。

国王は、「あのお嬢さんは本当にビョルンとは何の関係もないのか」と王妃に尋ねるなど、エルナに対して微かな関心を示し始めます。それは、グレディスとの復縁という最悪の事態を避けたいという思惑と、もしかしたらエルナがビョルンを変えるきっかけになるかもしれないという淡い期待が入り混じったものでした。かつてビョルンは、グレディスとの間に子供が生まれたその夜に、王太子の座を退き離婚すると宣言し、両親を深く悲しませた過去があります。その苦い記憶が、国王夫妻のエルナへの視線に複雑な影を落としているのでした。

街角での再遭遇とビョルンの胸騒ぎ

舞踏会の騒動から数日後、エルナはメイドのリサとシュベリンの街を散歩していました。その時、エルナは偶然、社交クラブのテラスで友人たちとカードゲームに興じるビョルン王子の姿を見かけます。エルナはビョルンと目が合うと、驚いて踵を返し、走り去ってしまいます。その姿は、つばの広い帽子に日傘、そしてレースだらけの古風なドレスという、以前ビョルンが駅で見かけた時と同じ、どこか滑稽で、それでいて印象的なものでした。

ビョルンは、逃げるように去っていくエルナの姿を見ながら、「もしハルディという名前とビクトリア・マイアー(シャペロン)の存在がなければ、あの女に、うっかり騙されていたかもしれない」と内心で呟きます。彼は、エルナの純粋そうに見える態度の裏に、計算高い策略が隠されていると信じて疑いません。しかし同時に、彼女の存在がどこか彼の心をざわつかせているのも事実でした。まるで、どこへ行っても「エルナ」という名前を聞いているような、奇妙な感覚に囚われるビョルン。彼は、この得体の知れない感情の正体にまだ気づいていません。

第9話は、エルナとビョルンが直接的な言葉を交わすことなく、互いの存在をより強く意識し始める様子を描いています。エルナは謂れのない悪評に苦しみ、ビョルンはエルナへの不信感と微かな興味の間で揺れ動きます。そして、国王夫妻もまた、エルナという存在に注目し始めており、物語は新たな展開に向けて静かに動き出していくのでした。

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コマさん(koma)
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野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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