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【問題な王子様】17話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】17話をネタバレありで解説する

夜明けの広場での衝撃的な事件から3日。エルナはハルディ子爵家の自室に閉じこもり、誰にも会おうとしませんでした。ビョルン王子から受けた仕打ちは、彼女の心に深い傷を残し、その記憶は何度もエルナを苦しめます。一方、ビョルン王子もまた、エルナの「襲撃」の余波と、新たな社交の舞台への準備に追われていました。

エルナの心の慰め、パーベルからの手紙

エルナは、あの屈辱的な出来事を誰にも打ち明けられずにいました。手首を掴まれた感触、首筋にかかった熱い息、そして体を重ねられた重み。その記憶を消そうとすればするほど、鮮明に思い出され、彼女を苦しめます。「毒キノコ」というリサの警告が、今更ながらエルナの脳裏に蘇るのでした。

そんなエルナの元に、待ち望んでいた手紙が届きます。差出人は、幼馴染の画家パーベル・ロアー。その名を見た瞬間、エルナの沈んでいた表情に、ようやく明るい笑顔が戻ります。手紙には、「今日の夕方、一緒に川辺を散歩できないか」という誘いが書かれていました。エルナは急いで返事を書き、使いの少年に託します。パーベルに会って、このやり場のない悔しさや悲しみを打ち明けたい。エルナにとって、パーベルは唯一心を許せる存在だったのです。

ビョルン王子の思惑とハーバー公爵夫人のパーティー

一方、ビョルン王子は、エルナに鹿の角のトロフィーで殴られた背中のあざを確認しながらも、どこかその状況を楽しんでいるかのような余裕を見せていました。彼はエルナのことを「暴悪な猛獣」「大胆な泥棒」と呼びながらも、彼女が持ち去ったトロフィーのことを考えています。

そんな彼のもとに、フィツ夫人がハーバー公爵夫人主催のパーティーへの招待状が届いていることを報告します。ハーバー公爵夫人はビョルンの大叔母にあたり、広い人脈を誇る社交界の重鎮。ビョルンは当初、そのパーティーへの出席を断るつもりでしたが、フィツ夫人が「グレディス王女も招待されている」と告げると、一転して出席を決めるのです。その胸の内には、元妻グレディスへの当てつけと、そして何よりも「トロフィーを盗んだ泥棒」であるエルナと再会し、彼女との「債務関係」をはっきりさせたいという思惑が隠されていました。

再会の約束、エルナとパーベルの穏やかな時間

約束の時間より少し早く、エルナはメイドのリサと共に、大公の橋(シュベリン宮殿と市街地を結ぶ橋)へと向かいます。美術展で偶然再会したパーベルは、彼女にとって大きな心の支えとなっていました。社交界の複雑さや貴族たちの思惑に翻弄されるエルナにとって、パーベルの存在は故郷バフォードの穏やかな日々を思い出させてくれる、かけがえのないものだったのです。

橋のたもとで待っていたパーベルは、エルナの姿を見つけると、温かい笑顔で彼女を迎えます。エルナもまた、小花柄のドレスにリボンと花飾りがついた帽子という、かつてのバフォードでの姿と変わらない出で立ちで、パーベルに駆け寄ります。「今日もロアーさんと呼ばなければならないのか」と尋ねるエルナに、パーベルは「いや、パーベルでいい」と優しく答え、二人は久しぶりの再会を喜び合います。ビョルン王子との緊迫した関係とは対照的な、穏やかで心安らぐ時間が、エルナとパーベルの間に流れていくのでした。

第17話は、エルナがパーベルとの再会によって心の傷を少し癒やす一方で、ビョルン王子はエルナとの再会と「決着」を求め、新たな社交の場へと駒を進める様子を描いています。ハーバー公爵夫人のパーティーで、エルナとビョルンはどのような形で再会するのでしょうか。そして、パーベルの存在は、二人の関係にどのような影響を与えていくのでしょうか。物語は新たな波乱を予感させながら、次へと続いていきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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