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【問題な王子様】19話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】19話をネタバレありで解説する

第18話で、エルナはパーベルとの友情を再確認し、心の支えを得ました。しかし、その姿を目撃したビョルン王子はエルナへの誤解を深めてしまいます。そして迎える、波乱の予感に満ちたハーバー公爵夫人のパーティー。第19話では、このパーティーを舞台に、エルナとビョルンが再び対峙し、彼らの関係に新たな火花が散ることになります。

華やかなパーティーとエルナの緊張

ビョルン王子の悪評高い大叔母、ハーバー公爵夫人が主催するパーティーは、その規模と影響力で社交界に知られていました。エルナは、シャペロンであるマイアー伯爵夫人に伴われ、この華やかながらもどこか不穏な空気が漂うパーティーへと足を踏み入れます。豪華な装飾、きらびやかな衣装をまとった貴族たち、そして飛び交う噂話。エルナは、圧倒的な雰囲気に気圧されながらも、淑女としての品位を保とうと必死でした。

彼女の胸中には、以前美術展でビョルン王子から受けた屈辱的な扱いへの怒りと、そして何よりも、彼が持ち去った(とエルナは思っている)「鹿の角のトロフィー」のことがありました。あの夜明けの広場で、泥酔した彼からエルナが奪い取った、あの奇妙な金色の物体です。エルナは、いつかそのトロフィーの弁償をしなければならないと考えていましたが、まさかこんなに早くその機会(あるいは試練)が訪れるとは思ってもみませんでした。

ビョルンとの再会と「弁償はダンスから」

パーティー会場の喧騒の中、エルナはついにビョルン王子の姿を見つけます。彼はいつものように友人たちに囲まれ、余裕綽々の態度で談笑していました。エルナは意を決して彼に近づき、あの「鹿の角のトロフィー」の件について話を切り出そうとします。しかし、ビョルンはそんなエルナの緊張を面白がるかのように、「ああ、私の金泥棒さん。ちょうどお話があるところでした」と、からかうような言葉で彼女を迎えます。

エルナがトロフィーの弁償について真剣に訴えようとすると、ビョルンは周囲に聞こえよがしに、「ほう、弁償ですか。結構な心がけですね」と芝居がかった口調で言い放ちます。そして、驚くエルナに向かって、彼はとんでもない提案をするのです。「その弁償は、まずダンスから始めていただきましょうか、ハルディさん」と。ちょうどホールでは、最初のダンスの始まりを告げるワルツの音楽が流れ始めていました。

エルナは、あまりのことに言葉を失い、顔を真っ赤にしてビョルンを睨みつけます。しかし、ビョルンはそんな彼女の抵抗を楽しむかのように、優雅な仕草でダンスの相手を申し込むのです。断ればさらなる醜聞の的となり、受ければ彼の思惑通り。エルナは再び、この「問題な王子様」の掌の上で踊らされることになるのでしょうか。

グレディス王女の視線と社交界の注目

このエルナとビョルンのやり取りは、当然のことながらパーティー会場の全ての注目を集めていました。特に、元妻であるグレディス王女は、複雑な表情で二人を見つめています。彼女の心中には、ビョルンへの未練、エルナへの嫉妬、そして社交界の噂の中心にいることへの優越感などが入り混じっていたのかもしれません。

また、社交クラブでエルナを巡る賭けをしているビョルンの友人たちも、固唾をのんでこの状況を見守っていました。ビョルンが本気でエルナを口説き落とそうとしているのか、それとも単なるゲームとして楽しんでいるのか、彼らにも見当がつきません。

第19話は、ハーバー公爵夫人のパーティーという華やかな舞台で、エルナとビョルンが「鹿の角のトロフィー」を巡って再び火花を散らし、そしてビョルンがエルナにダンスを強要するという衝撃的な展開で幕を閉じます。このダンスは、二人の関係にどのような変化をもたらすのでしょうか。そして、虎視眈々と二人を見つめるグレディス王女は、次なる行動を起こすのでしょうか。物語は、ますます予測不可能な方向へと進んでいきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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