アニメ

【問題な王子様】26話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】26話をネタバレありで解説する

ハルディ子爵家での度重なる虐待と、社交界からの心無い仕打ち。心身ともに限界だったエルナは、雪の降る夜、親友パーベルの元へと身を寄せました。第26話では、パーベルの献身的な看病と、エルナが未来に向けて新たな一歩を踏み出そうとする姿が描かれます。

パーベルの優しさとエルナの心の変化

パーベルの家で温かく迎えられたエルナは、彼が出してくれたホットミルクを飲み終えると、ぽつりと「私は馬鹿だった。父のような人を信じてはいけなかった」と呟きます。これまで気丈に振る舞ってきた彼女が、初めて見せる弱音でした。当てもなく家を飛び出し、パーベルの元へたどり着くまでの道のりで、多くの涙を流し、感情を吐き出したおかげか、エルナの心は意外なほど落ち着いていました。もはや、父ウォルター・ハルディに対する執着は、彼女の中から消え失せていたのかもしれません。

パーベルは、そんなエルナを「よくやった」と優しく励まし、「助けが必要になったら、必ず自分を訪ねて来るよう言ったではないか」と、彼女の行動を肯定します。そして、冷え切ったエルナの肩に、祖母が作ってくれたパッチワークの毛布をそっと掛けてあげるのでした。その温かい毛布の感触は、エルナの心に安らぎを与え、彼女の強張った表情を少しだけ和らげます。

逃亡か、それとも新たな道か?パーベルの提案

しかし、問題は解決したわけではありません。エルナは、父ウォルターと交わした「1年間社交界に出る代わりに、バーデン家の邸宅を買い戻してもらう」という契約に縛られています。「父親の思い通りに素直に売られることはない」と決意を固めるエルナですが、契約を破棄すれば、愛する祖母が住む家を失ってしまう可能性があります。

そんなエルナの苦悩を見抜いたパーベルは、思いがけない提案をします。「いっそのこと、家を諦めたらどうか。エルナがバーデン家の邸宅をどれほど大切に思っているかはよく分かっているけれど、あの家は、エルナの人生よりも大切ではないはずだ。男爵夫人も、そう思うだろう」と。そして、彼はさらに驚くべき言葉を続けるのです。「自分が手伝う。大金ではないけれど、今月末には絵を売った金が入って来る。それで、エルナと男爵夫人、そして二人の使用人たちが暮らせる田舎の借家を手に入れる程度にはなるだろう」と。

パーベルの言葉は、エルナにとってまさに青天の霹靂でした。しかし、彼は冷静に続けます。「ハルディ子爵は、秋が終わる前にエルナを売るつもりだ。それまでにエルナ自身が家族の生活を支えるだけのお金を集めるのは不可能だ。貸すのだから心配いらない。後で、自分を守れるようになった後にゆっくり返してくれればいい。まずは父親から離れることだけを考えるように」と。

パーベルの真摯な言葉は、エルナの心を揺さぶります。今のエルナに必要なのは、必ずしも最善の道ではなく、「最悪よりマシなこと」。その言葉は、絶望の淵にいたエルナにとって、一条の光のように感じられたのかもしれません。彼女の心の中で、新たな決意が芽生え始めていました。

ビョルン王子の知らないところで…

エルナが人生の大きな岐路に立たされている頃、ビョルン王子はまだ彼女の苦境を知る由もありませんでした。社交クラブでは、エルナ・ハルディが姿を消したことが話題に上り始めています。友人たちは、彼女がボートレースの日にも現れなければ、自分たちの賭けはどうなるのかと、相変わらず下世話な会話に興じていました。ビョルンは、そんな友人たちの会話をどこか他人事のように聞き流しながら、一人リンゴをかじっています。エルナの不在が、彼の日常にまだ大きな影響を与えているようには見えません。

第26話は、パーベルという心強い支えを得て、エルナが父親の支配から逃れ、新たな人生を歩み出す可能性を示唆して終わります。彼女はパーベルの提案を受け入れ、バフォードへ帰る道を選ぶのでしょうか。そして、エルナの失踪は、ビョルン王子の心にどのような変化をもたらすのでしょうか。物語は、エルナの決断と、それを取り巻く人々の思惑が複雑に絡み合いながら、次なる展開へと進んでいきます。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【問題な王子様】25話ネタバレ完全版
【問題な王子様】25話ネタバレ完全版

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【問題な王子様】27話ネタバレ完全版
【問題な王子様】27話ネタバレ完全版
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました