【問題な王子様】38話ネタバレ完全版

【問題な王子様】38話をネタバレありで解説する
エルナの突然の失踪は、多くの人々に衝撃を与えました。彼女はどこへ向かったのか、そして彼女を待つ運命とは? 第38話では、エルナが再びパーベルの元へと身を寄せ、ビョルン王子がエルナに対して抱く複雑な「感情の借金」が描かれます。
再びパーベルの元へ、エルナの最後の頼みの綱
ビョルン王子のタウンハウスを抜け出したエルナが向かった先は、やはり幼馴染である画家パーベル・ロアーの家でした。父ウォルターからの度重なる暴力、そしてビョルン王子との間で深まる誤解と恐怖。心身ともに疲れ果てたエルナにとって、パーベルは唯一頼ることのできる存在だったのです。
パーベルは、再び傷つきやつれた姿で現れたエルナを温かく迎え入れます。彼は、エルナからこれまでの経緯――ハルディ子爵からの虐待、そしてビョルン王子との間で起こった出来事――を聞き、改めてハルディ子爵への激しい怒りを覚えるとともに、エルナを必ず守り抜こうと固く決意するのでした。そして、二人は以前話し合った「夜逃げ」計画を具体的に進め始めます。バーデン男爵夫人が警察に捜索願を出したことは、エルナにとって新たな悩みの種でしたが、今はまずこのシュベリンから逃れ、安全な場所で祖母と再会することだけを考えるしかありませんでした。
ビョルン王子の「感情の借金」とエルナへの執着
一方、エルナが自身のタウンハウスから姿を消したことを知ったビョルン王子は、表面的には冷静を装いながらも、内心では激しく動揺していました。エルナが残していったものはほとんどなく、まるで最初から存在しなかったかのように綺麗に片付けられた部屋。しかし、そこにはエルナの微かな残り香や、彼女が使っていた品々の記憶が漂っていました。
ビョルンは、エルナの純粋さ、健気さ、そして彼女が受けてきた理不尽な仕打ちを思い返し、これまで感じたことのない**「感情の借金」**を抱え込んでいることに気づき始めます。彼女を単なる「面白い玩具」や「利用価値のある駒」としか見ていなかったはずなのに、彼女の不在はビョルンの心に大きな空虚感をもたらし、言いようのない苛立ちを感じさせていたのです。彼は、エルナが再びパーベルを頼ったのではないかと考え、その事実に得体の知れない不快感を覚えます。
フィツ夫人からエルナの行方について尋ねられても、ビョルンは「心配ない。彼女は賢い女だ」などと嘯き、本心を隠そうとします。しかし、その言葉とは裏腹に、彼の心はエルナのことでいっぱいでした。社交クラブでの「エルナを巡る賭け」も、もはや彼にとってはどうでもいいことのように感じられていました。
王室とハルディ家のそれぞれの思惑
エルナの失踪は、王室にも静かな波紋を広げていました。国王夫妻は、エルナの身辺調査の結果と、彼女が置かれている過酷な状況を知り、ビョルンとの関係を案じています。ハルディ子爵夫妻は、エルナという「金づる」を失ったことへの焦りと、警察の捜査が自分たちに及ぶのではないかという恐怖に駆られていました。
第38話は、エルナとパーベルが未来への一歩を踏み出そうとする一方で、ビョルン王子がエルナへの複雑な感情と向き合い始めるという、それぞれの心の動きが描かれる重要なエピソードとなりました。エルナとパーベルの逃亡計画は成功するのでしょうか。そして、ビョルンはエルナへの「感情の借金」をどのように清算しようとするのでしょうか。物語は、登場人物たちの秘めた想いが交錯する中で、次なる展開へと進んでいきます。
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