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【問題な王子様】44話ネタバレ完全版

ずっちー

【問題な王子様】44話をネタバレありで解説する

結婚式を間近に控え、エルナの心は期待よりも不安でいっぱいでした。そんな中、彼女はビョルン王子と久しぶりに二人きりで昼食を共にすることになります。第44話では、この昼食の席でエルナがビョルンに伝える「結婚式でのお願いしたいこと」と、それに対するビョルンの意外な反応、そして再び登場する「鹿の角のトロフィー」が描かれます。

久しぶりの二人きりの昼食とエルナの緊張

大公邸の応接室。エルナは緊張した面持ちでビョルン王子を待っていました。前夜の独身最後のパーティーで深酒をしたのか、約束の時間に少し遅れて現れたビョルンは、どこか気だるげな様子。しかし、エルナの姿を認めると、その口元にはいつもの皮肉な笑みが浮かびます。

昼食の席についても、二人の間の空気はどこかぎこちなく、エルナはなかなか言葉を切り出すことができませんでした。食事中に新聞や報告書を読むのが常であったビョルンですが、その日は珍しくエルナに視線を向けています。エルナは、そんな彼の真意を測りかね、ますます緊張を深めていくのでした。

エルナの切実な願い「結婚式でお願いしたいこと」

デザートが運ばれてくる頃、エルナはようやく意を決し、ビョルンに「結婚式でお願いしたいこと」があると切り出します。それは、**「新婦は父親と手をつないで入場するのが伝統だけれど、もし自分がその伝統に従わなければ、レチェン王室と王子様に大きな迷惑をかけることになるでしょうか」**という、非常にデリケートな質問でした。

エルナの心には、実の父親ウォルター・ハルディへの強い拒絶感がありました。「父親であることを自ら放棄した者と手をつないで、新しい人生が始まる道を歩きたくない」――それが、彼女の偽らざる気持ちだったのです。しかし、王室の伝統や体面を重んじる貴族社会において、その願いがどれほど受け入れ難いものであるか、エルナは十分に理解していました。

そして、エルナはさらに勇気を振り絞り、「もし別の方法があるなら、自分は王子様の手を握る。王子様に連れて行って欲しいのです」と、ビョルンにエスコート役を懇願するのでした。その瞳は、不安に揺れながらも、強い意志の光を宿していました。

ビョルンの反応と、再び現れた「鹿の角のトロフィー」

エルナの予想外の申し出に、ビョルンは一瞬驚いたような表情を見せますが、すぐにいつものように口の端を歪めて微笑みます。彼は、エルナの真剣な眼差しをじっと見つめた後、おもむろに懐から何かを取り出しました。それは、エルナにとって忌まわしい記憶の象徴とも言える、あの**金色の「鹿の角のトロフィー」**だったのです。

ビョルンは、そのトロフィーをエルナの前に差し出し、「これはハルディさんにあげる。お詫びのプレゼントだ。自分が守った」と、冗談とも本気ともつかない言葉を口にします。エルナは、その言葉の意味を理解できず、ただ呆然とトロフィーとビョルンを見つめるばかり。「狼には角がない」とエルナが反論すると、ビョルンは「もう切られたから」と、さらに彼女を混乱させるようなことを言うのでした。

エルナは、この男の真意が全く読めず、怒りと屈辱、そしてわずかな期待の入り混じった複雑な感情に襲われます。ビョルンは、エルナの切実な願いにどう答えるつもりなのでしょうか。そして、この「鹿の角のトロフィー」は、二人の関係にどのような意味をもたらすのでしょうか。

第44話は、結婚式を目前に控えたエルナの切実な願いと、それに対するビョルン王子の不可解な行動が描かれ、読者の心を強く揺さぶる展開となりました。ビョルンはエルナの願いを受け入れるのか。そして、この「鹿の角のトロフィー」は、二人の未来を暗示する吉兆となるのか、それともさらなる波乱の序章となるのか。物語は、結婚式という大きな節目に向けて、ますます目が離せない状況へと進んでいきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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