【壊職代行】全話ネタバレ完全版|あらすじや感想、最終回の結末を考察してみた

- 各話の詳しいあらすじを読んで、物語の結末を知りたい
- 登場人物がどのような運命を辿るのか、話の順番を整理しながら確認したい
- 作品を読む前に、全体としてどのような物語なのかを把握しておきたい
といった思いから、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。この物語は、理不尽なブラック企業で心身ともに限界まで追い詰められた一人の青年が、謎のサービス「壊職代行」と出会うことで、自分を虐げた者たちへ壮絶かつ巧妙な復讐を遂げていく、痛快な社会派サスペンス作品です。
この記事を最後までお読みいただければ、『壊職代行』の第1話から最終話までの全ての出来事を、詳細なネタバレありで一気に把握することができます。
ただし、『壊職代行』の結末や重要なターニングポイントが全て記載されているため、これから初めて作品を読む予定の方にとっては、初見の驚きや感動が薄れてしまう可能性があります。この記事が持つメリットとデメリットをご理解いただいた上で、読み進めていただければ幸いです。
【壊職代行】ってどんなあらすじ?世界観や登場人物を解説(ネタバレあり)
どんなあらすじ?世界観や設定をわかりやすく解説!
【壊職代行】の世界観の核となるのは、法では裁ききれない悪を、悪をもって制する謎の組織「壊職代行」の存在です。彼らは、パワハラや過重労働などで人々を使い潰すブラック企業、またその経営者や上司をターゲットに活動します。依頼者から相談を受けると、ターゲットの社会的信用、財産、人間関係、そして精神そのものを完膚なきまでに破壊し、二度と立ち直れないよう社会から抹殺することが目的です。
その手口は単なる暴力や脅迫に留まりません。ターゲット自身の欲望やプライドを巧みに利用して自滅へと誘導したり、SNSやメディアを駆使して社会的に断罪したりと、緻密な計画に基づいて遂行されます。ブラック企業を超える「漆黒」の存在として、被害者の無念を晴らしていくダークヒーロー的な物語が、この作品の大きな魅力となっています。
主要な登場人物を紹介
鈴木貴広(すずき たかひろ)
本作の主人公です。真面目でお人好しな性格が災いし、勤務先のブラック企業「フマホーム」で地獄のような日々を送っていました。全てを失い自殺を考えていたところを「壊職代行」に救われ、自らも依頼者となります。フマホームへの復讐を果たした後は、自分と同じように苦しむ人々を救うため、覚悟を決めて壊職代行の見習いとして加わりました。被害者の痛みがわかる、心優しき復讐者です。
火室静香(ひむろ しずか)
壊職代行の中心的な役割を担う、クールでミステリアスな女性です。卓越した頭脳と演技力を持ち、様々な人物になりすましてターゲットに接近します。緻密な計画を立案し、ターゲットの心理を完璧に読んで地獄の底へと突き落とす、まさに壊職のプロフェッショナルといえる存在です。冷徹に見えますが、依頼者に寄り添う一面も持っています。
フマホームの加害者たち
物語序盤のターゲットとなるブラック企業の社員たちです。鈴木から手柄を奪う同僚の三木姫華、パワハラを繰り返す上司の中宮健也、そして全ての元凶である社長の間々田楓馬などが登場します。彼らは壊職代行によって、それぞれの罪状に合わせた方法で社会的に抹殺されました。
金賀一族(かねが いちぞく)
フマホーム壊職後に登場する、新たなターゲットです。地域一帯を牛耳る一族経営の企業で、社長の金賀星蔵を筆頭に、その妻・成子や息子・覇星などが、社員に対して常軌を逸したパワハラや暴力を繰り返しています。
漫画「壊職代行」のネタバレ解説・あらすじまとめ
1話ネタバレはこちらから
ブラック企業「フマホーム」に勤務する鈴木貴広は、上司による日常的なパワハラや同僚からの悪質な嫌がらせにより、心身ともに疲弊していました。ついには駅のホームで自らの命を絶つことを考えるほど追い詰められます。しかし、退職の意思すら社長に言いくるめられてしまい、クレーム対応という名の地獄へ追いやられます。最終的に、連帯保証人である母親が会社からの圧力で自殺未遂に追い込まれたことをきっかけに、自身もビルの屋上から身を投げようとした瞬間、彼のスマートフォンに謎のサービス「壊職代行」からのメッセージが届き、物語の歯車が動き始めます。

【感想】 第1話は、読んでいるこちらの胸が苦しくなるほど、ブラック企業の非道さがリアルに描かれていました。主人公の鈴木が、その優しく真面目な性格ゆえに搾取され、逃げ場を失っていく姿は非常に痛々しいです。絶望の淵で現れた「壊職代行」というミステリアスな存在が、今後の復讐劇への大きな期待を抱かせる、見事な導入だったと感じます。
2話ネタバレはこちらから
鈴木からの依頼を受理した「壊職代行」は、最初のターゲットとして、彼の契約を横取りした同僚・三木姫華の社会的抹殺計画を開始します。まず、わざとぶつかって飲み物をこぼし、法外な慰謝料を要求する彼女の強欲な本性を引き出しました。そして、大金を気前よく支払うことで「当たり屋は楽に稼げる」と錯覚させ、さらに「セレブ婚活サロン」という甘い罠へと誘い込み、偽りの幸福の頂点へと導いていくのでした。

【感想】 第2話から、壊職代行の鮮やかかつ非情な手口が炸裂し、一気に物語に引き込まれました。ターゲットの性格や欲望を徹底的に分析し、自ら破滅の道を選ばせるというやり方は、直接的な暴力よりもはるかに恐ろしいと感じます。偽りの幸福を手に入れて有頂天になっている三木の姿が、この先に待つ壮絶な破滅を予感させ、続きが気になって仕方ありませんでした。
3話ネタバレはこちらから
壊職代行の計画通り、三木のパパ活の実態がSNSで大炎上し、彼女の個人情報は瞬く間にネット上で特定され、社会的に完全に孤立します。彼女が最後の望みをかけてすがろうとした婚活サロンも消え、騙し取られた1000万円は「不法原因給付」という法律知識によって取り返す術もありません。とどめに、パパ活相手の妻たちから高額な慰謝料請求を突きつけられ、彼女は完全なる破滅を迎えることになりました。

【感想】 SNSでの炎上から始まり、法律、そして被害者の家族まで巻き込んだ、多角的で徹底的な社会的抹殺計画には戦慄を覚えました。あれほど強気だった三木のプライドが、一つ、また一つと打ち砕かれていく様は、自業自得とはいえ強烈なインパクトがあります。壊職代行の容赦のなさと、計画の緻密さを改めて思い知らされた回でした。
4話ネタバレはこちらから
次のターゲットは、パワハラ上司の中宮健也です。彼の過去のパワハラ音声がネットで拡散されて会社をクビになると、絶望する彼の前に静香がヘッドハンティングを装って接触します。「年収3000万円」という破格の条件で彼を釣り上げ、新しい職場として送り込んだ先は、なんとオレオレ詐欺のアジト(を装った壊職代行の舞台)でした。

【感想】 中宮の「自分は部下のためを思って指導している」という歪んだ正義感を逆手に取り、共感者を装って地獄へ誘う手口が見事でした。彼が最も得意としていたパワハラを、今度は自分が受ける側になるという展開は、これ以上ない皮肉であり、最高のカタルシスを感じさせます。まさに「目には目を、歯には歯を」を体現した復讐劇です。
5話ネタバレはこちらから
詐欺グループのアジトで精神的に追い詰められた中宮は、静香の色仕掛けの罠にもハマり、女性への暴行犯に仕立て上げられます。命乞いをする彼に、壊職代行は「臓器売買」か「遠洋漁業」かという究極の選択を迫りました。死の恐怖から、彼は自ら遠洋漁業の船に乗るという地獄を選びます。一方、静香は最後のターゲットである社長・間々田を内部から破壊するため、「出資者の孫娘」としてフマホームに潜入するのでした。

【感想】 中宮を破滅させる最終手段が、肉体的な恐怖と絶望的な選択を迫るという、極めてえげつないものでした。彼の壊職が完了し、物語の矛先がラスボスである間々田社長に向かう展開は、最終決戦の始まりを告げるようで興奮が収まりません。静香が敵の本拠地に乗り込むシーンは、スパイ映画のような緊張感があり、これからの展開に大きな期待を抱かせました。
6話ネタバレはこちらから
会社に潜入した静香は、間々田社長の最大の弱点である「学歴コンプレックス」を全社員の前で暴露し、彼のプライドを木っ端微塵にします。さらに、下剤を盛って電車内で脱糞するという失態を演じさせ、その醜態をSNSで拡散させました。屈辱にまみれた間々田は、静香への復讐を決意しますが、それこそが壊職代行の仕掛けた次なる罠の始まりだったのです。

【感想】 間々田社長への精神攻撃は、これまでのターゲットとは次元が違いました。人間の最も触れられたくない部分を的確に攻撃し、公衆の面前で社会的な尊厳を奪う手口は、もはや悪魔的です。しかし、間々田はこれまでのターゲットと違い、屈辱をバネに反撃を企てます。その怒りや行動すらも、すべて壊職代行の計算の内であるという計画の深さに、ただただ舌を巻くばかりでした。
7話ネタバレはこちらから
間々田は、静香の祖父役が仕向けた人気投資番組「マネーのカブト」に出演します。しかし、そこは彼の悪事を全国に生放送で暴露するための公開処刑場でした。かつて彼に虐げられた元社員たちが次々と登場し、パワハラや犯罪行為を涙ながらに告発。最後に、元社員一同から「集団告訴」を宣言され、間々田の社会的生命は完全に絶たれます。全てを失い、夜の街をさまよう彼の前に、鈴木をはじめとする被害者たちが静かに立ちはだかり、物語は幕を閉じました。

【感想】 最終話にふさわしい、壮大で痛快な復讐劇でした。テレビ番組をジャックして公開処刑の舞台にするという発想と、これまで登場した被害者たちが最後に集結して巨悪を打ち倒すという展開は、最高のカタルシスを生み出しています。社会的に抹殺された間々田が、最後に被害者たちと直接対峙するシーンは、法による裁きだけでは終わらない、本当の意味での「落とし前」を予感させる見事な締め方だったと感じます。
8話ネタバレはこちらから
社会的に破滅した社長・間々田楓馬に懲役5年の実刑判決が下されますが、壊職代行の復讐はそれで終わりませんでした。静香は弁護士になりすまし、出所後に元部下から殺される恐怖を植え付けることで、間々田を精神的な生き地獄へと突き落とします。それから半年後、かつての依頼者である鈴木貴広は、壊職代行の見習いとして活動していました。新たなターゲット「金賀一族」が経営するスーパーで働く中、彼らの非道な行いによって自殺に追い込まれた青年の存在を知り、鈴木は自らも誰かを救う側になることを固く決意します。

【感想】 前章の完璧な締め括りと、次章への見事な導入を両立させた、非常に密度の濃いエピソードでした。社会的な制裁だけでなく、精神を永遠に苛む「生き地獄」を与える壊職代行のやり方には、改めてその恐ろしさを感じさせられます。そして何より、絶望の淵から救われた鈴木くんが、今度は自ら「誰かを救いたい」と願い、代行人としての一歩を踏み出す姿には胸が熱くなりました。新たな敵である金賀一族の圧倒的な外道っぷりも描かれ、次なる復讐劇への期待が大きく膨らむ回です。
9話ネタバレはこちらから
第9話では、新たなターゲット「金賀一族」の女帝、専務取締役の金賀成子が登場します 。彼女はタイムカードを切らせた後に社員を私用に使うなど、公私混同のパワハラを繰り返す悪質な人物です 。新入社員として潜入した静香は、さっそく成子に目をつけられ、バツイチの息子との結婚を強要されるセクハラまがいの扱いを受けます 。これに対し静香が「前時代的な価値観を押し付けないでください」「死んでも嫌です」と毅然と反論すると、逆上した成子は静香に平手打ちを食らわせました 。

【感想】このエピソードで最も恐ろしいのは、暴力そのものよりも、成子が「同調圧力」を巧みに利用して周囲の社員に嘘の証言をさせ、静香を完全に孤立させる場面です 。権力者の前では誰も真実を口にできないという、現実にも通じる地獄絵図は読んでいて非常に胸が苦しくなります。しかし、そんな絶望的な状況の中で、鈴木が「誰かを救うためなら黒にだって染まってみせます!」と強い覚悟を持って壊職代行に加わった過去が描かれ、物語に一本の筋が通ったように感じました 。
彼の成長と決意が、この陰湿な戦いにおける大きな希望の光です。物語の最後には、成子が孫の運動会への強制参加と、社員30人分の弁当を自腹で手作りするよう静香に命じるという常軌を逸したパワハラで畳みかけます 。読者の怒りが最高潮に達したところで鳴る静香のスマホの通知音は、壮絶な反撃の開始を告げるゴングに他ならず、次回の展開が待ちきれません 。


