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【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】4話をネタバレありで解説する

第3話では、岩子(いわこ)と白蘭(びゃくらん)が互いの衝撃的な秘密と過酷な運命を知ることになりました。白蘭の残り少ない命、そして彼を救う唯一の可能性が「神の乙女」である岩子との交わりにあると示唆されたものの、岩子自身は自分にそんな力はないと絶望します。第4話は、そんな二人の複雑な心境と、彼らを取り巻く新たな人間模様が描かれます。

絶望の中の共感と白蘭の優しさ

物語は、岩子の「イワナガヒメ様の力など何ひとつ使えないし 使えるすべも知り得ない・・・ なんの役にも立たないただの岩のような女でございます・・・」という自己否定の言葉から始まります 。一縷の望みをかけて自分を娶ってくれた白蘭に対し、何の役にも立てないという罪悪感と絶望に打ちひしがれる岩子。

しかし、白蘭はそんな彼女を責めることなく、静かに語りかけます。「俺は生まれながらに死が決まった絶望の人生だったが あなたもまた神の力で苦しんだ人生を歩んでいたのだな」と 。そして、「同じ苦しみを知り得る人間に出会えて 少し心が休まった ありがとう」と、意外な感謝の言葉を口にするのでした 。彼は自分の死を運命として受け入れるつもりであり、岩子が気負う必要はないと伝えます 。さらに、「たとえあなたに力があっても 辱められた女を抱くつもりはない」と、彼女の意志を尊重する姿勢を見せ、ただ静かに「おやすみ」と告げてその場を去るのでした

新たな出会い、女中・キネの登場

翌朝、岩子の部屋を訪れたのは、女中のキネと名乗る快活な女性でした 。彼女は「岩子様のお世話をさせていただきます!」とてきぱきと朝食の準備を始めます 。包帯が取れたままの自分の姿を気にする岩子に対し、キネは全く動じる様子を見せません。

それどころか、白蘭の恐ろしい噂(生物兵器、殺人鬼など)について触れつつも、「でも実際はとてもお優しいお方なので 初対面の花嫁さんには何もできないと思っておりました」と、白蘭の本当の姿を理解しているような言葉を口にします 。そして、昨夜の様子を尋ねるなど、気さくに話しかけてくるのでした

白蘭の噂の真相とキネの価値観

キネは、白蘭が「生物兵器」と呼ばれるようになった噂の真相を語り始めます。本来、国に仇なす敵国兵士には自我を失う呪いがかけられており、白蘭はその呪いを解ける唯一の存在なのだと 。戦場で彼らの呪いを解いて回る際、呪いが解かれた兵士は心臓を握りつぶされたように動かなくなるため、それが誤解を広めたのだろうと説明します

「そんな白蘭様を見てきているので 噂や見目で人は判断できないと私は思っております もちろん岩子様のことも」というキネの言葉は、外見でしか人を判断しようとしない岩子の家族とは対照的でした 。そこに白蘭が現れ、「キネのおしゃべりに付き合う必要はないぞ 岩子」と声をかけます

仮初めの夫婦、同胞としての絆

キネが去った後、白蘭は岩子に改めて語りかけます。「これは仮の結婚な上 余命3ヶ月の夫であるが 逆らえぬ運命の同胞として お前が最期に側にいてくれればありがたい」と 。その言葉を聞いた岩子の心に、「3ヶ月…その間にもし私が神の力を使えるようになれば この方の命を助けることができる…?」という、新たな、そして切実な思いが芽生えるのでした 。この忌まわしい人生を、初めて誰かのために役立てることができるかもしれない、と。

一方その頃、妹の咲子は何やら結婚式の準備を進めている様子で、「大好きなお姉様もぜひ招待したいわ お客様に最高の見世物を楽しんでいただかなきゃ」と、不穏な言葉を口にしていました

【岩肌の花嫁は愛で溶かされる】第4話を読んだ感想まとめ

第4話は、前話の衝撃的な展開から一転し、白蘭様の意外な優しさや人間的な側面が描かれていて、少し心が温まる部分がありました。「同じ苦しみを知り得る人間に出会えて 少し心が休まった」という白蘭様の言葉には、彼もまた孤独を抱えて生きてきたのだなと感じさせられ、岩子ちゃんとの間に、恋愛とはまだ違うかもしれませんが、確かな共感が生まれた瞬間のように思えました。

そして、新キャラクターの女中・キネさんの登場は、この重苦しい物語の中での清涼剤のようでしたね!彼女の明るさや、噂や外見で人を判断しないという真っ直ぐな価値観は、岩子ちゃんにとって大きな救いになるのではないでしょうか。「もちろん岩子様のことも」と言ってくれた時には、本当に嬉しくなりました。

白蘭様が「生物兵器」と呼ばれるようになった経緯も明らかになり、彼がいかに誤解されてきたのかが分かりました。ただ優しいだけでなく、彼なりの正義感や苦悩を抱えていることが伺えます。

最後の「逆らえぬ運命の同胞として お前が最期に側にいてくれればありがたい」という白蘭様の言葉は、切ないけれど、どこか岩子ちゃんの存在を認めているような響きがあって、岩子ちゃんの中に「この人のために何かしたい」という気持ちが芽生えるのも自然な流れだと感じました。

一方で、咲子ちゃんの不穏な動きは相変わらずで、また何か岩子ちゃんを苦しめるようなことを企んでいるのかと思うと、本当に腹立たしいです。「最高の見世物」だなんて、姉のことを何だと思っているのでしょうか。

白蘭様の命の期限が3ヶ月と改めて示されたことで、物語の緊張感はさらに高まりました。岩子ちゃんが神の力を開花させ、白蘭様を救うことができるのか、そして二人の関係が「仮の夫婦」からどう変化していくのか、目が離せない展開が続きそうです。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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