【タコピーの原罪】第12話「2022年のきみへ」あらすじから結末まで全てネタバレ解説

第11話「日本縦断 しずかツアー」 しずかちゃんとタコピーは東京でしずかちゃんのお父さんと再会しますが、お父さんには新しい家族ができておりチャッピーもいませんでした。衝撃の事実にしずかちゃんは常軌を逸した行動を示唆し、絶望したタコピーはハッピー星人としての使命を思い出し、気づけば全ての始まりであるまりなちゃんとの最初の出会いに戻っていました。
【タコピーの原罪】第12話「2022年のきみへ」をネタバレありで解説する
前話でタコピーは、まりなとの最初の出会いに時間を遡るという衝撃的な展開を迎えました。第12話「2022年のきみへ」では、再び始まった2022年で、タコピーがまりなをハッピーにするために奮闘する様子、そしてまりなが抱える家庭環境の過酷さ、さらにしずかに関する新たな事実が描かれます。
再び始まった日常とタコピーの使命
時間を遡り、再びまりなと出会ったタコピー。自己紹介するタコピーに対し、まりなは「ごみくそって呼ぶわ」と投げやりな態度を見せます 。それでもタコピーは、「ごみくそ」という名前を受け入れ、まりなをハッピーにするという使命感に燃えます。
聖クリスティーナ女子学園に通うまりなは、顔の傷のことで周囲から「まるでヤクザですわ・・・」などと噂されています 。タコピーは、そんなまりなを元気づけようと「お花ピン」や「土星ウサギの声が出るボールペン」といったハッピー道具を渡そうとしますが、まりなは「家では大人しくしててよね」とタコピーを静止します 。
まりなの荒んだ家庭環境
まりなの家庭環境は劣悪でした。母親は精神的に不安定で、コンブチャを作りながらアルコールに依存し、「ママにはこんな安酒がお似合いかな」と自嘲し、まりなに対しても「だからそんなんだから男が寄りつかないの!!!!」と辛く当たります 。
まりなの顔の傷は、幼い頃に母親を怒らせてしまい、ガラスのコップでつけられたものであることが示唆されます 。タコピーは、まりなが自分(タコピー)を強く触ることを、母親の子育ての真似事だと勘違いしてしまいますが、実際にはまりなが母親からの暴力におびえている様子がうかがえます 。それでもタコピーは「まりなちゃんもきっといいお母さんになれるっピ!」「ぼくがママになるお手伝いをするっピよ!」と純粋にまりなを助けようとし、一緒に「いいパパ」を探しに行こうと提案します 。
東との出会い、そして母娘の会話
ある日、まりなは母親に、東直樹と偶然再会し付き合うことになったと報告します 。母親は、東があのクリニックの息子だと知り、将来を期待するような言葉をかけます 。この時の母娘の会話は、以前よりも穏やかなものに見えました。
まりなはタコピーに対し、東と出会えたこと、そしてタコピーがいたから東と出会えたかもしれないと感謝の言葉を口にします 。孤独だったまりなにとって、東の存在は心の支えになりつつあるようです 。
しずかの影と不穏な記憶
まりなは東との会話の中で、何年か前に転校してきた生徒のことを思い出します。その生徒は「すっごい美人」だったが、「昔いろいろあった」と噂されていたといいます 。そして、その生徒が「自殺未遂したっていう」「なんかロープが切れたって・・・」と話したところで、まりなは何かを思い出したかのように動揺し、持っていたものを落としてしまいます 。この転校生こそ、後の物語に深く関わってくる久世しずかでした。
このループした世界でも、登場人物たちの過去や関係性が少しずつ明らかになり、新たな不穏な影が差し始めます。
まとめ【タコピーの原罪】第12話「2022年のきみへ」を読んだ感想
第12話「2022年のきみへ」は、タコピーが時間を遡り、まりなとの関係をやり直そうとする新たなスタートが描かれましたが、やはり一筋縄ではいかない過酷な現実が提示されました。まりなの家庭環境の劣悪さ、特に母親の精神的な不安定さとまりなへの辛辣な言葉は、読んでいて非常に心が痛みます。顔の傷の理由も明らかになり、まりなが抱えるトラウマの深さが改めて感じられました。
そんな中で、タコピーの純粋で健気な行動は、一服の清涼剤のようでありながらも、彼の善意が必ずしも良い結果に結びつかないこれまでの展開を思うと、どこか危うさも感じてしまいます。「ごみくそ」という名前をつけられてもめげずにまりなをハッピーにしようとする姿は応援したくなりますが、彼のハッピー道具や提案が、まりなの複雑な問題を本当に解決できるのか、見守る側としては不安が募ります。
まりなが東と出会い、少しずつ前向きな気持ちになっている描写は、このループした世界での数少ない希望のように感じられました。母親との会話も、以前のループよりは穏やかな雰囲気があり、ほんの少しの変化が未来を良い方向に変える可能性も示唆しているのかもしれません。
しかし、最後に差し込まれたしずかの過去に関するエピソードは、新たな不穏要素です。彼女の自殺未遂の噂は、彼女が抱える闇の深さと、まりなや東との間に今後どのような関係性が築かれていくのか、そしてそれがどのような悲劇に繋がっていくのか、先の見えない展開に引き込まれます。タコピーのやり直しは、果たして登場人物たちを本当のハッピーエンドに導くことができるのでしょうか。
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