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【復讐の王子様】43話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【復讐の王子様】第43話をネタバレありで解説する

協力者である緑原先生が、黒幕・鴨志田妃菜乃(かもしだ ひなの)に宣戦布告を果たした前回。そして、響(ひびき)の母の覚醒という、新たな希望の光が見えました。第43話では、物語の最終章に向け、響が、全ての元凶である妃菜乃を、最も効果的に、そして最も残酷に追い詰めるための、新たな計画に乗り出します。

最後の標的、その「母」

響が次なるターゲットとして見据えたのは、妃菜乃本人ではありませんでした。彼が狙いを定めたのは、妃菜乃の歪んだ価値観を形成し、全ての元凶とも言える、彼女の母親だったのです。

妃菜乃の母、登場

妃菜乃の母親は、有能な経営者としての一面を持っています。しかし、秘書が辞めてしまったことで、仕事が思うように進まず、苛立ちを隠せないでいました。彼女は、後任探しに頭を悩ませながら、カフェで仕事に打ち込んでいます。

カフェでの運命的な出会い

そのカフェで、妃菜乃の母は、他の客が「あそこの店員ヤバくない?」「めっちゃイケメンじゃん!」と噂しているのを耳にします。騒がしいと一瞥した彼女の目に、その「イケメン店員」の姿が映りました。その瞬間、彼女の表情は驚きに変わります。「あら あの子…」。

復讐の王子、潜入する

そのイケメン店員こそ、彼女の娘が通う学園で、今、最も注目を集めている生徒、美馬響でした。

新たなアルバイト

響は、妃菜乃の母親が頻繁に利用するこのカフェを突き止め、アルバイトとして潜入していたのです。全ては、彼女に接近するための、計算され尽くした計画でした。

「美馬響と申します」

響は、何気ない様子で彼女のテーブルに近づき、「ご注文ですか?」と声をかけます。妃菜乃の母は、その完璧な容姿に目を奪われながら、彼に名前を尋ねました。響は、にこやかに、しかしその目の奥に冷たい光を宿しながら、こう名乗ります。「美馬響といいます」。ついに、復讐の王子様は、全ての元凶である、悪の女王の懐へと、その一歩を踏み入れたのです。

新たな復讐の幕開け

響の目的は、妃菜乃の母親に、直接的な危害を加えることではありません。

ターゲットは母娘

彼が狙うのは、妃菜乃の母親の、歪んだ「美」への執着。そして、その母親からの愛情に飢えている、妃菜乃自身の心の隙間です。響は、自らが妃菜乃の母親の「お気に入り」となることで、母娘の間に、修復不可能な亀裂を生じさせようとしているのです。

まとめ【復讐の王子様】43話を読んだ感想

第43話は、響の復讐計画が、新たな、そして最も恐ろしいステージに突入したことを示す、非常にスリリングな回でした。ラスボスである妃菜乃本人ではなく、その母親にターゲットを定めるという、その発想の転換と、計画の狡猾さには、もはや感嘆しかありません。

妃菜乃の母親が、絵に描いたような「美」の信奉者であることが、これまでの回想で示されてきました。そんな彼女にとって、響の存在は、まさに理想の「作品」であり、「息子」なのでしょう。響は、その歪んだ愛情を逆手に取り、妃菜乃から、彼女が人生で最も欲しているであろう「母親からの承認」を、根こそぎ奪い去ろうとしているのです。

これまでの復讐劇とは異なり、今度の計画は、より時間をかけ、じわじわと相手の心を蝕んでいく、心理的拷問となることでしょう。妃菜乃を育てた母親の「価値観」そのものを利用して、妃菜乃を内側から崩壊させる。これ以上ないほどに、残酷で、そして美しい復讐のシナリオです。

響が、妃菜乃の母親にどう取り入っていくのか。そして、その時、妃菜乃はどのような反応を見せるのか。母娘の間に生まれるであろう、嫉妬と憎悪の渦。その全てが、響の掌の上で転がされていく様を、息をのんで見守りたいと思います。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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