【関係の終末】43話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【関係の終末】43話をネタバレありで解説する

前話、マサルは愛するユイを逃がすためにその命を散らし、残されたユイもまた、「悪魔」たちに捕らえられてしまいました。続く第43話では、全ての惨劇の後の、あまりにも残酷な真実と、決して終わることのない悪夢が描かれます。

惨劇の後始末、そして悪魔たちの「食料」

物語は、ユイが川に飛び込んで逃げた後の、「悪魔」たちの会話から始まります。彼らは、大雨で増水した川の流れでは水泳選手でも泳げないと冷静に分析し、ユイの死を確信します。そして、他の者たちの死体も同様に川に沈め、証拠を隠滅することを計画しました。

さらに、従業員だったマルは、警察の捜査が及ぶ前に、かつて自分が住んでいた下宿を新たな隠れ家として提案します。そして、大家が食料の心配をすると、彼女は笑いながらこう言いました。

「肉ならたくさんあるじゃない!」

彼らが、殺害した者たちを「食料」と見なしていることが判明した瞬間でした。彼らの異常性は、単なる殺人鬼の域をはるかに超えていたのです。

生きていた復讐者、そして最悪の報せ

場面は、血と肉片が散らばる民宿の一室へ。そこで目を覚ましたのは、死んだはずのマサルでした。朦朧とする意識の中、彼が最初に探したのは、愛するユイの姿でした。そんな彼に、「悪魔」のリーダーであるハシラは、無慈悲な事実を告げます。

「(ユイは)逃げてる途中に川に落ちたそうだ」「死んだよ」

ユイの死。それは、マサルの心を完全に破壊する、最悪の報せでした。彼の口からは、もはや言葉にならない、絶望の叫びだけが響き渡ります。

「復讐したい?」、新たな地獄への誘い

愛する人も、守るべきものも、全てを失ったマサル。そんな彼に、ハシラは悪魔の問いを投げかけます。

「復讐したい?」 「まだ続ける気?」

しかし、マサルの心はすでに折れていました。彼はただ、「もう…嫌だ!」「俺も…殺してくれ!」と、死による解放だけを願うのでした。

「あなたも一緒に行かないと」、終わらない悪夢

マサルの願いに対し、ハシラは静かに、しかしはっきりと首を横に振ります。そして、この物語の新たな展開を示唆する、最も恐ろしい一言を告げました。

「ダメだ」「あなたも一緒に行かないと」

死ぬことすら許されない。マサルは、彼の人生を破壊し、最愛の人を奪った「悪魔」たちの一員として、これからも永遠に地獄を生き続けなければならないのです。彼の戦いは終わっていませんでした。それは、形を変えた、新たな悪夢の始まりだったのです。

まとめ【関係の終末】43話を読んだ感想

今話は、読者の予想を裏切る、残酷かつ brilliantly twistedな展開でした。悪魔たちの食人趣味が明らかになった時点で、彼らの狂気には底がないことを悟りましたが、マサルが生きていると知った時は、一瞬だけ、何かが変わるかもしれないと期待してしまいました。

しかし、その生存は、死よりも残酷な罰でした。ユイの死(それが事実か、マサルを支配するための嘘かは不明ですが)によって彼の心を完全に折り、その上で「復讐を続けるか?」と問うハシラの非道さには、悪寒が走ります。

そして、「あなたも一緒に行かないと」という最後の宣告。これは、この物語が「関係の終末」ではなく、「新たな関係の始まり」であったことを示唆しています。いじめっ子たちとの歪んだ関係は終わりましたが、今度は悪魔たちとの、決して逃れることのできない関係が始まってしまったのです。

復讐者となった被害者は、その果てに、自身もまた加害者側の怪物として、永遠にその罪を背負わされる。これほどまでに救いがなく、そして深いテーマ性を感じさせる展開に、ただただ言葉を失います。物語がどのような地獄へ向かうのか、次話が気になって仕方がありません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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