【人間関係アディクション】3話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第3話をネタバレありで簡単に解説する

第2話のラスト、憧れのホヨンが放った冷たい一言で凍りついた教室。第3話は、その衝撃的な介入によって、転校生チヒョクとの関係が一旦の決着を迎えるところから物語が始まります。しかし、それは新たな歪みと、底知れない狂気が姿を現す序章に過ぎませんでした。今回は、ダナの安堵と罪悪感、そしてホヨンの裏の顔が交錯する第3話の展開を、ネタバレありで徹底的に解説していきます。

王子様の冷徹な計算とダナの安堵

「ダナが困るだけだろ?」- ホヨンがチヒョクを追い詰める一手

前回のラストで、ホヨンはチヒョクに対し「ダナは他の男と結婚したいんだ」と告げました 。これは、チヒョクの突飛な行動を終わらせるための一撃でしたが、彼の追撃はまだ終わりません。

「それは昔の話だろ?」

だからもうそんなことは言うな ダナのことも忘れろ

ホヨンは静かに、しかし有無を言わせぬ圧力でチヒョクに語りかけます。そして、彼の心を最も揺さぶるであろう言葉を、的確に突き刺しました。

ダナが困るだけだろ?

この一言は、チヒョクにとって致命的でした。彼の表情が凍りつき、「ダナが…困る…?」と動揺する様子がはっきりと見て取れます 。純粋な好意(だと思い込んでいたもの)が、愛するダナ本人を苦しめているという事実は、彼にとって受け入れがたいものだったのでしょう。ホヨンは、暴力ではなく言葉だけで、チヒョクの行動の根幹を巧みに砕いてみせたのです。

安堵と芽生える優越感

ホヨンの冷徹な言葉に、チヒョクはついに「…わかった」と力なく頷きます 。あっけない幕切れに、ダナは「思ったより簡単に引きさがったわね?」と内心でホッと胸をなでおろしました

しかし、彼女の心に芽生えたのは単なる安堵だけではありませんでした。この状況を解決してくれたホヨンのやり方に対し、「ちょっとビックリしたけどいい方法かも…」と、どこか肯定的に捉えている自分がいたのです 。前述の通り、優越感という「甘い汁」の味を知ってしまったダナにとって、ホヨンの見せた冷酷さすらも、自分を守ってくれる力として魅力的に映ってしまったのかもしれません。

去り際の甘い罠と残された謎

「…ありがとう」- 2人きりの甘い時間

ドンフンとスギョンが教室から出ていくと、ダナはホヨンと2人きりになります 。彼女は、助けてくれた感謝を込めて、はにかみながら「…ありがとう」と伝えました

するとホヨンは、「どういたしまして」と優しい笑みを浮かべ、ダナの頭にそっと手を置きます 。そして、「また昼休みに会おうな」と約束を交わし、去っていくのでした 。この一連のスマートな振る舞いに、ダナの心は完全に奪われてしまいます。彼の背中を見送りながら、彼女は改めて強く確信するのです。

…やっぱりホヨンが好き

ホヨンは、人をいじめたり殴ったりするドンフンとは違う 、優しくて頼りになる王子様。ダナにとって、彼の存在はますます絶対的なものになっていきました。

ホヨンの本心 – ドンフンとの会話で見える裏の顔

しかし、その王子様は、廊下でドンフンと合流すると、全く別の顔を見せます。ドンフンは「久々にいいオモチャが見つかったと思ったのによ〜」と、チヒョクをいじめられなかったことに不満たらたらです 。そして、ホヨンにこう問いかけました。

「なんであの変態ヤローに手を出すなって言ったんだ?」

これに対するホヨンの返答は、彼の底知れない本性を明らかにするものでした。

手を出すななんて言ってないだろ?

俺はただ怖がらせるなと言っただけだ

彼は、チヒョクへの暴力を止めたわけではなかったのです。ただ、ダナの前で事を荒立てるなと釘を刺しただけでした。「お前の好きなようにしろ」とドンフンに告げるホヨンは、自らの手を汚すことなく、邪魔者を排除しようとする冷酷な策略家そのものです。ドンフンが中学時代に比べて落ち着いたな、と言うのに対し、「まああの程度なら…そこまでムカつかない」と呟く彼の表情からは、感情の起伏が全く読み取れません

置き去りにされた純情と新たな不穏

「本当にあれでわかったのかしら?」- 揺れるダナの心

授業中、ダナはチヒョクの様子をこっそり窺います 。彼が自分の方を見ていないことに安堵し、「一人で大騒ぎして勝手に失恋して…変なヤツ…」と心の中で見下します

ですが、彼女の心は完全に晴れたわけではありませんでした。心のどこかで、幼い頃の約束が引っかかっていたのです。

でもやっぱり気になるから家に帰ったら小学校のアルバムを見てみようかな

この小さな好奇心が、彼女の忘れてしまった過去の扉を、少しだけ開くことになるのかもしれません。

体育館裏の不穏な影

昼休みになり、スギョンからの「みんな体育館の裏に集まってる」というメッセージを受け、ダナは食堂を後にします 。しかし、途中でスギョンが「教室にタバコを忘れた」と言い出し、一人で先に向かうことになりました

スギョンなしで他のクラスのメンバーといるのは気まずいものの、「ホヨンもいるし」と自分に言い聞かせて歩いていると、角から出てきた女子生徒と肩がぶつかってしまいます 。ダナが驚いていると、相手は謝るどころか、鋭い目つきで彼女を睨みつけ、こう言い放ちました。

ぶつかっといて謝りもしねぇのか?なめやがって

見たことのない顔 。この攻撃的な女子生徒は一体何者なのでしょうか。ダナの周囲に、また新たな火種が生まれようとしています。

スギョンの好奇心と明かされるチヒョクの狂気

「見てやろ〜っと」- スギョンの無邪気な悪意

一方、教室に戻ったスギョンは、チヒョクの机に目を留めます

「あの転校生 勉強できんのかな?」「精神的にかなりヤバそうに見えたけど…」

そんな好奇心から、彼女は何の気なしに彼のノートを手に取り、中身を覗き見してしまうのです

最初は真面目に授業内容が書かれており、「思ったより普通ね…」「面白くないわね」とつまらなそうにその場を後にするスギョン 。しかし、彼女が去った後に風でパラパラとページをめくれるとその先には…。

ノートに刻まれたおびただしい執着

ノートの見開きには、赤いペンでびっしりと、おびただしい数の文字が書き殴られていました

ソル・ダナ」 「ダナは僕が好き」 「妨害者?」 「邪魔するな

それは、おとなしく引き下がった彼の姿からは想像もつかない、ダナに対する異常なまでの執着心と、周囲への憎悪が渦巻く、狂気の記録でした。スギョンがこのノートを開いてしまったことで、チヒョクの隠された本性は白日の下に晒されてしまいます。この発見が、彼の立場をさらに危険なものへと追い込んでいくことは、想像に難くありません。

まとめ【人間関係アディクション】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話を読んで、まず強く感じたのは、登場人物それぞれの「裏の顔」が一気に暴かれた回だったということです。特に、ホヨンのキャラクターの深掘りには、背筋が凍るような思いがしました。

ダナにとっては、自分を救ってくれる完璧な王子様。しかし、その裏ではドンフンという暴力装置を巧みに操り、決して自分の手は汚さない。彼の行動は全て計算され尽くしており、「怖がらせるな」という一見優しい言葉でさえ、実は「(俺の見ていないところでなら)好きにしろ」という残忍な許可証でした。彼こそが、この歪んだスクールカーストの頂点で、冷静に駒を動かす真の支配者なのだと痛感させられます。

一方で、謎の転校生チヒョク。「ダナが困る」という言葉だけで引き下がる純粋さを見せたかと思えば、ノートには狂気的な執着をびっしりと書き連ねている。彼の行動原理は、単純なストーカーという言葉では片付けられない、何か根深いものがあるように感じます。彼が本当にダナを守りたいのか、それとも自分のものにしたいだけなのか。その純粋さと狂気の境界線が非常に曖昧で、目が離せません。

そして、主人公のダナ。彼女はホヨンに守られて安堵し、恋心を募らせますが、彼の冷酷なやり方を「いい方法かも」と受け入れてしまう危うさも抱えています。彼女はもはや、いじめを前にして罪悪感を感じる段階を通り越し、自分の地位を守るためなら手段を選ばない思考に染まりつつあるのかもしれません。

スギョンによるノートの発見、そしてラストに登場した謎の不良女子生徒。穏やかになったはずのダナの日常に、新たな嵐が吹き荒れることは間違いありません。一度手に入れた「一軍」という名の甘い蜜は、彼女をどこまで狂わせていくのでしょうか。物語はさらに予測不可能な深みへと進んでいきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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