【人間関係アディクション】23話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第23話をネタバレありで簡単に解説する

前回、体育館裏で繰り広げられた残虐ないじめを目の当たりにし、恐怖に支配されるダナ。そんな彼女に、ランは「ホヨンとつきあってんの?」という、最も恐れていた質問を投げかけました。第23話は、その絶体絶命の問いに対するダナの答えと、ランが示した意外な反応、そして今回いじめの標的となった男子生徒「ジェウ」の知られざる過去が明かされる、二つの視点が交錯する回となります。

「ウソつかれるのは見逃せない」ランが示した境界線

ランからの問いに、ダナは震えながらも正直に答えます。「まだそんなに経ってないの…今日で三日目かな…」。するとランは、意外にも落ち着いた様子で「私とホヨンが中学の時につきあってたって知ってた?」と尋ねました。ダナがそれも肯定すると、ランはこう続けます。

「なんで謝るんだ?」「今はただの友だちなんだから関係ねぇよ」

元カレの新しい恋に、嫉妬するそぶりも見せないラン。そのクールな態度にダナは安堵しますが、ランは氷のように冷たい声で、決定的な一言を付け加えました。

「だけどもしさっきあんたが…つきあってないとウソをついてたらキレてたと思う」「私…ウソつかれるのは…見逃せないから」

彼女にとって、恋愛のいざこざなどは些細なこと。しかし、自分に対して「嘘をつく」という行為だけは、決して許さない。この言葉は、ランという人間の行動原理と、彼女が定める絶対的なルールを、ダナに、そして読者に強く印象付けました。

ある不良少年(ジェウ)の独白

場面は、いじめられていた男子生徒、キム・ジェウの回想へと移ります。不良の兄を持つ彼は、その威光を借りることで、小学生の頃から不良の世界に足を踏み入れていました。ケンカが特別強いわけではなくても、相手を威嚇するコツを学び、虎の威を借ることで、彼は中学、そして高校でも「一軍」と呼ばれるスクールカースト上位の地位を確保していたのです。

彼は、自分たちのような不良を「狼」、気の弱い一般生徒を「鹿」に例えます。狼の群れの中にいさえすれば、自分が直接手を下さなくても、鹿を狩り、その恩恵にあずかることができる。それが、ジェウが生き抜くために身につけた処世術でした。

序列争いの敗北、狩る者から狩られる者へ

しかし、彼のそのやり方は、ドンフンたちのグループでは通用しませんでした。先輩や暴力団との繋がりを匂わせ、虚勢を張るジェウに対し、ドンフンは「くだらねぇウソばっかつきやがって」「暴力団に入りたきゃ好きにすりゃいいだろ」と、彼のハッタリを完全に見抜いていたのです。

武器を失ったジェウは、序列争いに敗北。彼は、安全なはずだった「狼の群れ」から追い出され、獲物である「鹿」を狩る立場から、仲間であるはずの狼に「狩られる」立場へと転落してしまいました。

屈辱の果ての憎悪、新たな敵意の矛先

虫を食わされ、殴られ、プライドをズタズタにされたジェウ。彼は屈辱に震えながら、復讐を誓います。そして、彼の憎悪の矛先は、直接手を下したドンフンたちだけでなく、自分を嘲笑っていた女子たち、特にランとダナにも向けられていました。

「この…クソ女が!!」

心の中でそう叫ぶ彼の瞳には、狂気と憎悪の炎が燃え上がっています。これまで被害者として描かれてきたチヒョクとは違う、明確な復讐心を持った新たなキャラクターの誕生は、この歪んだ人間関係に、さらなる破滅の影を落とすのでした。

まとめ【人間関係アディクション】23話を読んだ感想(ネタバレあり)

第23話は、ランの人物像が少しだけ明らかになると同時に、ジェウという新たな視点を得ることで、この物語が描くスクールカーストの構造がより深く理解できた、非常に重要な回でした。

まず、ランの器の大きさと、その裏にある恐ろしさには戦慄しました。彼女は、元カレの恋愛に嫉妬するような小さな人間ではありません。しかし、自分に「嘘をつく」者には容赦しない。そのブレない価値基準こそが、彼女をこのグループの絶対的支配者たらしめているのだと感じました。

そして、今回の主役であったジェウの物語。彼は、ダナが「一軍」に憧れ、必死にしがみついているのとは対照的に、生まれながらにして「一軍」の側にいた人間です。しかし、その地位が兄の威光という借り物であったために、より本質的な「強さ」を持つドンフンの前では無力でした。彼の転落物語は、この世界の残酷さと、見せかけの力が本物の暴力の前ではいかに脆いかを、まざまざと見せつけてくれます。

最後に、ジェウの憎悪がダナたち女子にも向けられた点が、今後の不穏な展開を予感させます。彼は、自分を殴った者だけでなく、自分を笑った者も同罪だと考えている。被害者が、復讐心という新たな動機を得て、加害者に牙を剥く。物語は、単純な強者と弱者の構図から、より複雑で危険な復讐劇へと、その様相を変えようとしています。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【人間関係アディクション】22話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!
【人間関係アディクション】22話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【人間関係アディクション】24話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!
【人間関係アディクション】24話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました