【人間関係アディクション】25話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第25話をネタバレありで簡単に解説する

前回、トイレで発見された無残な状態のアラムの教科書。この一つのアイテムが、ダナとスギョンの「友情」の裏に隠された、底知れない悪意をあぶり出します。第25話は、ダナの心の中で繰り広げられる恐怖のシミュレーションと、彼女が下すギリギリの選択、そして物語の新たな火種となるホヨンとドンフンの会話が描かれます。

歪んだ優しさと恐怖のシミュレーション

トイレで、びしょ濡れの教科書を手に絶望するダナ。そこへ現れたスギョンは、ダナがアラムを心配していると知るや、「何が問題なのよ?」と全く意に介しません 。しかし、ダナの深刻な様子を見ると、急に態度を変え、「私が借りてきたんだから私が返すわ!」と教科書を手に取ります

このスギョンの申し出は、ダナの頭の中に最悪の光景を映し出しました。

ダナの脳裏をよぎる最悪のシナリオ

ダナは、スギョンがこのまま教室に戻った場合に起こりうる惨劇を、ありありと想像してしまいます。

教室に戻ったスギョンが、アラムの机に濡れた教科書を投げ捨てる 。驚くアラムに、スギョンはとぼけた顔で「何が?」と尋ねる 。

ダナが問い詰めても、「私は知らない」の一点張り 。

そして、教科書についた足跡や表紙が破れていることを指摘されたスギョンは、まるで待っていましたと言わんばかりに激昂し、全ての責任をアラムに押し付けるのです。彼女はアラムの額を指で突きながら、「私じゃないって言ったわよね?」「マジムカつくんだけど、一発殴られたい?」と、無実の相手を脅迫する …ダナは、このような事態になるに違いないと確信したのでした 。

板挟みになるダナの選択

恐怖のシミュレーションから、ダナは現実のトイレへと意識を引き戻します。そして、目の前にいるスギョンに、想像した未来を現実させてはならないと決意しました。

このままではアラムが何をされるかわからない。そう考えたダナは、スギョンを制止します。「ううん!隣の席だから私が返しとく!」と、彼女はスギョンの手から教科書を取り返しました 。これは、ダナが「一軍」の顔色をうかがいながらも、かろうじて守ろうとした良心であり、彼女が下したギリギリの選択でした。

優しすぎる被害者

教室に戻ったダナは、意を決してアラムに声をかけ、正直に状況を説明します。「うっかりトイレに置いてきちゃって…後で取りにいったらこうなってて…」と、自分がやったわけではないと伝え、新しい教科書を弁償すると約束しました

しかし、アラムの反応はダナの想像を超えたものでした。彼女は怒るどころか、「大丈夫!」と笑顔を見せ、教科書よりもダナが自分に怒っているのではないかと心配していた、と涙ぐむのです 。このあまりにも優しい被害者の姿に、ダナは安堵するのでした。

アラムの瞳から涙が溢れていることも知らずに…。

ホヨンとドンフン、新たな火種

場面は変わり、校舎裏を歩くホヨンとドンフン。ホヨンのもとに、以前登場した芸術高校の女子「ジュダム」から、しつこく誘いのメッセージが届きます 。ドンフンは、ジュダムがホヨンを気に入っていると指摘します

ホヨンは、ダナと写真を撮ってプロフィール画像に設定し、他の女子を牽制しようと考えます 。その会話の流れで、ホヨンはドンフンに「お前は好きな女子とかいないのか?」と尋ねました 。ドンフンは、自分に好意を寄せる女子はいても、気になる子はいなかったと答えます 。するとホヨンは、探るようにこう問いかけました。

「スギョンは?」

その名前が出た瞬間、ドンフンの体がかすかに反応し、固まるのでした

まとめ【人間関係アディクション】25話を読んだ感想(ネタバレあり)

第25話は、ダナの心理描写が非常に巧みに描かれた回でした。スギョンに教科書を渡した場合に起こるであろう惨劇を、ありありと想像してしまうシーンは、ダナがスギョンの本質をどれだけ理解し、恐れているかを示しています。彼女の行動は、もはや友情ではなく、恐怖に支配された自己防衛本能から来ていることがよくわかります。

そんな恐怖の中で、それでもアラムを守ろうと行動したダナの選択には、彼女の中にまだ残る良心が見えました。一方で、被害者であるアラムが、加害者側のダナの顔色をうかがい、怯えているという現実は、この教室に蔓延するスクールカーストの闇の深さを改めて突きつけてきます。

そして、最後に投下されたドンフンのスギョンへの想いを匂わせる描写。これには本当に驚かされました。いつも暴力的で他者への共感が欠如しているように見えた彼が、実はスギョンに特別な感情を抱いていたのかもしれない。この新たな事実は、一見すると安定しているように見える「一軍」グループの内側に、新たな亀裂を生む火種となることは間違いないでしょう。物語は、登場人物たちの隠された感情が少しずつ表面化し、ますます目が離せない展開へと向かっていきます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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