【人間関係アディクション】29話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第29話をネタバレありで簡単に解説する
前回のラスト、スギョンの過去が描かれ、彼女が同級生であったボミに支配され、屈辱を味わっていたことが明らかになりました。第29話では、その過去の回想が続き、二人の力関係を決定的に変える、伝説の先輩「ヘンシ」がついにその姿を現します。今回は、絶対的なカリスマによる新たな支配の始まりと、スギョンがこの歪んだ世界に足を踏み入れた決定的な瞬間を、詳細に解説していきます。
カツアゲ失敗、伝説の先輩「ヘンシ」登場
タバコを買えなかったスギョンは、金を手に入れようと、近くにいた一人の女子生徒に目をとめます。そして、ボミに「待ってて」と言い残し、その女子生徒にカツアゲをしようと近づいていきました。
しかし、スギョンの浅はかな計画は、一瞬で打ち砕かれます。彼女が声をかけようとした時にすかさずボミは髪を引っ張りそれを静止したのです。
「何するの痛いじゃない」というスギョンの声を遮り、「こんばんわ」と媚びるような笑顔で挨拶をするボミ。
スギョンがカツアゲをしようとしていた相手の正体は、ボミが最も恐れ、そして必死に取り入ろうとしていた、あの「ヘンシ先輩」でした。
状況を察したスギョンは、自分がとんでもない相手に手を出そうとしていたと気づき、血の気が引きます。彼女は慌ててヘンシの前に駆け寄り、「初めましてボミの友達です!」「一年生のイム・スギョンと言います!」と、深々と頭を下げて挨拶するのでした。
その内心は「危ないとこだった…カツアゲしようとしたことは気づかれてないわよね…?」とヒヤヒヤです。
逆転する力関係、支配されるボミ
そんなスギョンの姿を見たヘンシは、「かわいいじゃない!よろしくね!」と、意外にも彼女を気に入った様子を見せます。そして、その場でスギョンを自分の「妹分」にすると宣言しました。
しかし、その和やかな空気は、ヘンシがボミに視線を移した瞬間に凍りつきます。「あれは持ってきた?」と、ヘンシはタバコのことを尋ねました。ボミは震えながら、スギョンがお金を持っていなかったせいだと必死に言い訳をしますが、ヘンシは冷たく言い放ちます。
「私はあんたに頼んだのよ?」
お金がないと泣きつくボミに対し、ヘンシは「私が貸そうか?必要ならいいなさい?」と貼り付けたような笑顔で言いますが、その言葉とは裏腹に圧力を感じます。
その圧を察したボミは先輩から目をそらすように「スギョン…お金…」と言って、スギョンからお金を受け取ります。スギョンは「千ウォン足りない」ことを伝えますが「大丈夫、ありがとう」と言って逃げるようにタバコを買いに行きます。
先ほどまでスギョンを威圧していたボミが、ヘンシの前ではあまりにも無力な姿を晒します。この瞬間、二人の力関係は完全に入れ替わったのです。
「妹分」という名の契約、ヘンシの甘い言葉
ボミを追い払った後、ヘンシはスギョンに向き直り、彼女をこの世界へと誘う、甘い言葉を囁き始めます。
学校で誰かにケンカを売られたら、私に言いなさい。イケメンの先輩も紹介してあげる。お金に困った時も、私に言えばいい。その代わり、スギョンがすることはただ一つ。「私の言うことをちゃんと聞いてくれれば、それでいいの」。
ヘンシは、そうすれば本当の姉妹のようになれると、スギョンに約束します。それは、恐怖と理不尽に怯えるしかなかった彼女にとって、あまりにも魅力的で、抗うことのできない「悪魔の契約」でした。
まとめ【人間関係アディクション】29話を読んだ感想(ネタバレあり)
第29話は、物語のキーパーソンである「ヘンシ」の登場により、これまでの人間関係が根底から塗り替えられる、非常に重要な回でした。彼女の登場シーンは、まさに圧巻の一言です。ボミが必死に作り上げていた虚勢を、暴力と威圧感でいとも簡単に打ち砕く姿は、この物語における「本物」の強者がどういう存在なのかを、まざまざと見せつけました。
そして、ヘンシがスギョンを「妹分」として迎え入れる場面。彼女がスギョンに与えたのは、ただの安心感ではありません。暴力からの保護、ステータス(イケメンの先輩)、金、そして仲間意識。これらは全て、スクールカーストの下層で燻っていた少女が、喉から手が出るほど欲しいものでしょう。ヘンシは、人の弱みに付け込み、甘い言葉で支配下に置く天才なのだと感じました。
この過去の出来事こそが、現在のスギョンの人格を形成した原点なのでしょう。彼女はヘンシから、暴力と恐怖で人を支配する方法と、その見返りとして得られる快感の両方を学んだに違いありません。この強烈な原体験が、彼女を現在の冷酷な姿へと変えてしまった。そう考えると、彼女の行動の数々に、また違った見方ができるようになります。物語は、登場人物の過去が明らかになるにつれて、より深く、そして悲しい深淵を覗かせ始めました。
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