【人間関係アディクション】32話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第32話をネタバレありで簡単に解説する

前回、いじめの標的となり、虎の威を借りる作戦も失敗に終わったスギョンは、絶体絶命の窮地に陥りました。第32話では、場面は過去の回想へと移り、彼女が「一軍」の地位を取り戻すために、いかにして罪の道へと堕ちていったのか、その壮絶な転落の過程が描かれます。そして物語は現在へと戻り、ついに彼女が下す大きな決断と、それを待ち受ける新たな地獄が幕を開けます。

偽りの平穏と盗みの罪悪感

物語は、孤立から一転、教室でクラスメイトから親しげにクッキーを差し出されるスギョンの姿から始まります。しかし、彼女の心は晴れません。スマホには、ヘンシ先輩からの上納金を催促するメッセージ。そのプレッシャーに、「疲れる…」と机に突っ伏してしまいます。

金を工面するあてのないスギョンが思いついたのは、母親のへそくりでした。夜、両親が寝静まった後、彼女は罪悪感に苛まれながらも、母親のタンスから現金が入った封筒を抜き取ります。「母さんごめんね… お小遣いの金額を上げてくれないから他に方法がないの…」と心の中で謝りながら、彼女は10万ウォンを盗み出してしまうのでした 。

終わらない要求、犯罪へと堕ちていく日常

母親から盗んだ金をヘンシに渡したことで、いじめは嘘のようになくなり、スギョンは再び「一軍」の地位に返り咲きます 。しかし、それはつかの間の平穏に過ぎませんでした。

その地位を維持するためには、月10万ウォンの上納金だけでなく、ヘンシが欲しがる化粧品やブランド品の靴、タバコなど、様々なものを貢ぐ必要があったのです 。スギョンの行動は次第にエスカレートしていきます。親の金だけでは足りず、やがて同年代の生徒から金を奪う「カツアゲ」、しまいには万引きにまで手を染めるようになってしまいました

そんな中、ヘンシはスギョンに「簡単な仕事」を紹介します。それは、ある男性と5分ほど一緒にいるだけで大金が稼げるという、明らかに危険な匂いのする犯罪行為でした 。しかし、さすがのスギョンも、その一線を越えることはできませんでした

悪魔の囁きと、最悪の道

金策に悩むスギョンに、同級生のボミが近づきます 。彼女は、上納金は「一軍」でいるための必要経費だと割り切り、スギョンに「あんたああいう三軍の連中とテストの答え合わせでもして過ごしたいの?」と焚きつけました 。

そして、ヘンシが紹介した「仕事」を拒むスギョンに対し、ボミはさらに恐ろしい提案をします。それは、防犯対策が甘い老婆の店を狙った強盗でした 。ボミは、数日前にその店で起きた強盗事件のニュースを見せ、信じられない言葉を口にします

なんで知ってるかって?」 「あのニュース… 私が犯人だから。ククッ

友人であるはずのボミが示したのは、あまりにも安易で、しかし決して引き返せない最悪の道だったのです。

つかの間の安堵と、警察からの連絡

ボミにそそのかされたスギョンは、ついにその老婆の店に強盗として足を踏み入れてしまいます。犯行後、数日が過ぎても何も起こらなかったため、彼女は「ビビッて損したわ」と胸をなでおろしていました 。盗んだ金でヘンシに上納金を払い、自分も久しぶりに買い物をしようと考えていた、まさにその時でした 。

スギョンのスマートフォンが震え、知らない番号からの着信を告げます 。彼女がそれを無視していると、今度は一通のメッセージが届きました

水西警察署捜査官 パク・セジュンです。このメールを見たらご連絡ください

彼女を待っていたのは、警察からの連絡でした。それもそのはず、最初の事件、つまりボミが強盗に入った後、あの店には当然のように防犯カメラが設置されていたのです

決別、そして新たな「仕上げ」という名の地獄

警察沙汰になり、金を工面する手段を完全に失ったスギョン。場面は現在に戻り、彼女はヘンシに今月分の上納金を払えなくなってしまいます。「殴られたほうがマシってわけ?」と迫るヘンシに対し、追い詰められたスギョンは、ついに震える声で決別を宣言しました。

もうやめます 先輩の妹分。これ以上は無理です

好きにしてください。金ももう出せません

忠誠を試す儀式、加害者への転落

髪を切り終え、満足したかのように見えたヘンシは、次に「

おい… アイツを連れてきな」と、仲間に冷たく指示を出します 。引きずられてきたのは、驚くべきことに、今は絶対的な暴力でグループに君臨する、あのランでした 。

ヘンシは、ランに「あんた今回だけ私の言うこと聞けばそれでいいから」「金出さなくていいから 妹分にしてあげるわ」と、屈辱的な再契約ともとれる取引を持ちかけます 。

そして、うずくまるスギョンに視線を戻すと、ボロボロになったランを指さし、悪魔のような命令を下すのです。

私たちがもうほとんどやっちゃったけど」 「最後の仕上げを あんたがやりな

ヘンシは、ランに「芸術的によろしくね」と、その地獄絵図の完成を促すのでした 。

まとめ【人間関係アディクション】32話を読んだ感想(ネタバレあり)

第32話は、スギョンというキャラクターが、なぜ現在の歪んだモンスターになってしまったのか、その過程を克明に描いた、あまりにも壮絶な回でした。彼女が段階的に罪への抵抗感を失っていく心理描写は、非常に巧みで、読んでいて胸が苦しくなります。

特に衝撃的だったのは、友人であるはずのボミが、悪びれもせずに強盗をそそのかすシーンです。この世界の「友情」が、いかに上辺だけで、お互いを利用し合うだけの希薄な関係であるかを象徴していました。その結果、スギョンはまんまと罠にはまり、警察に捕まってしまう。自業自得とはいえ、友人に裏切られ、犯罪に手を染めた挙句に待っていた結末としては、あまりにも悲惨でした。

そして、物語のラストの場面。これは、この物語が持つ救いのない構造を、まざまざと見せつけられた瞬間でした。この負の連鎖から抜け出すことは、果たして可能なのでしょうか。スギョンの悲痛な表情が脳裏に焼き付いて離れない、非常に重い読後感を残す回でした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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