【人間関係アディクション】42話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第42話をネタバレありで簡単に解説する
前回の第41話、暴行事件の被害者であるチヒョクは、担任教師に対し、犯人はホヨンであるという巧妙な嘘の証言をしました。彼の周到な復讐計画が静かに動き出す中、第42話では、一夜明けた主人公ダナが、スマホで偶然見つけたある記事をきっかけに、チヒョクの異常性の本質に気づき始めます。日常に静かに、しかし確実に忍び寄る恐怖と、ダナ自身の心の中に芽生える新たな闇が描かれる、息の詰まる心理描写の回です。
ネット記事が暴くストーカー心理
恋愛妄想「エロトマニア」との遭遇
朝、ベッドの中で「学校に行きたくないな…」と憂鬱な気分でスマホを眺めるダナ 。グループトークの通知もめぼしい情報はすでになく、彼女は暇つぶしにネットサーフィンを始めます 。そこで彼女の目に留まったのは、「芸能人ストーカーの恐ろしすぎる心理」と題された、不気味なタイトルのショート動画でした 。
動画が解説していたのは、「恋愛妄想」または「エロトマニア」と呼ばれる精神障害についてです 。その主な症状は、特定の人物が自分を深く愛していると一方的に信じ込むこと 。相手の何気ないファンサービスや仕草を、自分だけに向けられた秘密のサインだと過剰に解釈してしまうのです 。
「これって…」ダナを襲う戦慄の記憶
記事はさらに、この妄想の恐ろしさを指摘します。たとえ相手から明確に拒絶されても、「恥ずかしいからそうしてるんだ」あるいは「他人に自分たちの関係を知られたくないからわざと冷たくしている」と、全てを自分に都合の良いように解釈してしまうというのです 。
この一節を読んだ瞬間、ダナの脳裏に過去の記憶が鮮明に蘇ります。それは、ホヨンたちに囲まれたチヒョクが、ダナに向かって言い放ったあの言葉でした。
「アイツらから僕を無視しろって脅されてるんだね?」
記事の内容と、チヒョクの言動が不気味なほどに一致することに気づいたダナは、「これって…」と、言葉にならない恐怖に襲われます 。彼の自分への執着が、単なる好意ではなく、病的な妄想である可能性。その事実に、彼女は背筋が凍る思いがしたのでした 。
恐怖と虚勢、揺れ動くダナの心
「ヘタレ男」に見る自己正当化
チヒョクの異常性を確信したダナですが、その恐怖を正面から受け止めることはできません。彼女は「あんなヘタレ男に何ができるというの…」「ケンカも弱くて殴られて入院してるぐらいなんだから」と、彼を見下すことで必死に恐怖を打ち消そうとします 。弱い相手なのだから、自分に危害を加えることなどできるはずがない。そう自分に言い聞かせ、かろうじて平静を保とうとするのです。
短すぎるスカートと後戻りできない覚悟
ダナは重い体を引きずってベッドから起き上がると、学校へ行く準備を始めます 。椅子にかけられた、スギョンと一緒にお直ししたばかりの短い制服のスカート 。それは、母親に見つかれば間違いなく叱られるであろう、反抗の証です 。しかし、今の彼女は「でももう元には戻せないんだし」「かわいければそれでいいじゃない」と、開き直ったように自分を肯定します 。これは、彼女がもはや過去の平凡な自分には戻れないという、歪んだ世界で生き抜くための決意の表れでした。
教室に渦巻く新たな不協和音
アラムのよそよそしい態度
スギョン、ドンフンと合流し、登校したダナ 。教室に着くと、彼女はまず学級委員のアラムに声をかけます 。以前、スギョンがびしょ濡れにしてしまった韓国史の教科書の件を心配していましたが、アラムの反応は予想外に冷たいものでした 。
「もう注文したから大丈夫よ」
「お金もいらない 本当に大丈夫よ」「私が自分でなんとかするから」
ダナからの弁償や手伝いの申し出を、アラムはどこかトゲのある、よそよそしい態度で拒絶します 。その言葉に、ダナは「やっぱり怒ってたのかな?」と、彼女との間にできてしまった溝を感じずにはいられませんでした 。
「私がスギョンだったら…」芽生える黒い感情
アラムに冷たくあしらわれ、ダナの心には屈辱と苛立ちが渦巻き始めます。
「でもなんかムカつくわね」
「私がスギョンだったらアラムもあんなふうに言えないはずなのに」
この心の声は、彼女がアラムになめられていると感じていることの証明です。そして、その怒りは、彼女の心の中にこれまでなかった、危険な願望を芽生えさせました。「ひどいことをされるとわかってるから」「下手にでてたはず」。つまり、アラムが自分を恐れていないから、あんな態度をとるのだと。そう分析したダナの心に、黒い衝動が突き上げます。
「クソが…ぶん殴ってやりたい…」
彼女は、自分が「一軍」の頂点にいるスギョンのような「力」を手にすれば、誰も自分を侮ることはないと考え始めていたのです。
勘違いの果ての自己嫌悪
しかし、その直後、ダナはアラムたちが話している内容が、自分のことではなく、友人間での本の貸し借りの話だったことを知ります 。自分の完全な思い過ごしだったことに気づいたダナは、心の中に芽生えた暴力的な感情に、強烈な自己嫌悪を覚えるのでした 。
「なんであんなことを…」「しっかりしてよ私…」 机に突っ伏し、自らの心の変化に戸惑うダナ。彼女の精神状態は、今や極めて不安定なものとなっていました 。
まとめ【人間関係アディクション】42話を読んだ感想(ネタバレあり)
第42話は、チヒョクの狂気の正体が「恋愛妄想」という具体的な形で示されたと同時に、主人公ダナの心もまた、その狂気の世界にじわじわと蝕まれ始めていることを描いた、非常に恐ろしい回でした。これまでは外的な恐怖に怯えるだけだった彼女の内面に、明確な「悪意」と「支配欲」が芽生えた瞬間は、物語の新たなターニングポイントと言えるでしょう。
特に印象的だったのは、アラムへの態度に苛立ったダナが、「私がスギョンだったら」「ぶん殴ってやりたい」と思ってしまうシーンです。これは、彼女がもはや単にグループに流されるだけの存在ではなく、自ら「力」を欲し、他者を支配する側に立ちたいと願い始めていることの表れです。被害者であることの屈辱と、加害者になることへの憧れ。その間で揺れ動く彼女の危険な心理状態が、痛々しいほどリアルに伝わってきました。
外からはチヒョクという予測不能な狂気が、そして内からは自分自身の黒い感情が、ダナを挟み撃ちにしています。彼女は、この二つの闇に飲み込まれずにいられるのでしょうか。彼女の人間性が今、まさに試されようとしています。静かな日常の中に潜む恐怖と狂気が、読者の心をじわじわと締め付ける、見事な心理サスペンス回でした。
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