【人間関係アディクション】44話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第44話をネタバレありで簡単に解説する
前回の第43話では、チヒョクの輝かしい過去と、彼を蝕む母親の幻聴が描かれ、その壮絶なトラウマの根源が示唆されました。第44話では、その過去の回想がさらに続き、崩壊寸前の家庭の中で少年チヒョクが体験する息の詰まるような日常と、母親の歪んだ愛情が克明に描かれます。さらに、場面は現在へと転換し、まるでダナとチヒョクの関係を鏡写しにしたかのような、新たな登場人物の恋愛模様が、この物語のテーマをより深く浮き彫りにしていきます。
現在―イ・サンジンが抱える恋の悩み
鏡合わせの恋愛相談
現在の高校の教室が映し出されます。そこにいたのは、ダナたちとは別のクラスの生徒、イ・サンジン。彼はダナから、恋人との関係について相談を受けていました 。ネカフェ、ご飯、映画…ありふれたデートコースを語るサンジンに対し、ダナは核心を突く質問をします 。
「一緒にいると楽しい? 友達と遊ぶのより?」
彼女自身の恋愛も、決して順風満帆ではないようでした。
「好きじゃないんなら別れるべきだろ!」
ダナは、チヒョクについて「私にはやさしくしてくれるけど…」「付き合う前と何が変わったのかわからないし…友達だった時のほうが楽しかったかも」と、複雑な胸の内を吐露します 。
「思ってたより静かで…一人でよく悩んでるみたいなんだけど話してくれないし…」
「時々すごく憂鬱に見えるっていうか…」
彼氏が抱える憂鬱な一面。
ダナの悩みを聞いたサンジンは、実にシンプルで、しかし的を射た言葉を返します。
「アイツのそういう面を受け入れられるほど好きじゃないんなら別れるべきだろ!」
彼の言葉は、ダナがまだ「別れる」という選択肢を持てる、健全な関係にいることを示しています。
過去編―崩壊寸前の家庭
貧しい暮らしと母の嘘
場面は一転してチヒョクと母親が二人きりで暮らす、薄暗く、どこか貧しいアパートの一室から始まります。バスルームから出てきたチヒョクの目にゴキブリが映り、彼は悲鳴を上げました 。そして、母親にこう不満をぶつけます。
「いつまでこんな所にいなきゃなんないの? 前の家に戻りたいよ!」
このセリフは、彼らが何らかの理由で、以前よりも悪い環境での生活を強いられていることを示唆しています。母親は「もう少し辛抱して… すぐに戻れるから」と彼をなだめますが、その表情には暗い影が落ちていました 。
ダナとの秘密と母の干渉
そんな中、チヒョクは母親が自分のカバンを勝手に開けていることに気づきます 。彼は慌てて、中にあった
ダナが書いてくれた手紙と、二人で一緒に撮った写真を母親の目から隠しました 。ダナとの思い出は、この息苦しい日常の中での、彼にとって唯一の宝物だったのでしょう。
彼は母親に、ケンカして家を出ていった父親がいつ帰ってくるのかを尋ねますが、母親の答えは要領を得ません 。
「すぐっていつ?」
「それはよくわからないわ… 今週中かしら?」
この曖昧な会話は、この家庭がすでに修復不可能なほど壊れてしまっていることを物語っています。
歪んだ母性、その夜に起きたこと
その夜、チヒョクは母親と一つのベッドで眠りにつきます。母親は「学校は楽しい?」「誰といつも遊んでるの?」と、ごく普通の母親のように問いかけますが、その質問は次第に彼のプライベートへと踏み込んでいきました 。
「もしかして彼女はできた?」
母親からの執拗な問いかけに、チヒョクは「どうでもいいだろ もう寝るよ」と話を打ち切ります 。母親の愛情は、息子への純粋な関心というよりも、彼の全てを把握しようとする歪んだ執着のようにも見えます。
そして真夜中、トイレに起きたチヒョクは、隣で眠っていたはずの母親の姿がないことに気づくのでした 。この後、彼の運命を決定づける、あの事件が起こるのです。
まとめ【人間関係アディクション】44話を読んだ感想(ネタバレあり)
第44話は、チヒョクの過去編と、ダナの恋愛相談という二つの物語を並行して描くことで、この作品のテーマである「人間関係のアディクション(中毒)」の恐ろしさを、より立体的に見せてくれた回でした。
チヒョクの家庭環境は、想像以上に深刻でした。父親は不在で、母親はどこか精神的に不安定。息子に過干渉し、平気で嘘をつく。そんな母親の歪んだ愛情は、チヒョクの心を静かに、しかし確実に蝕んでいたのでしょう。彼が夜中に目撃したであろう「何か」が、彼の人生を決定的に変えてしまった。その瞬間が、すぐそこまで迫っているのを感じ、息をのみました。
一方で、ダナの恋愛相談は、非常に興味深い対比として機能していました。彼女が抱える「付き合ってみたら想像と違った」という悩みは、多くの人が経験するであろう、ごく普通のものです。しかし、その「普通」の恋愛が描かれるからこそ、ダナとチヒョクの関係がいかに異常で、もはや後戻りのできない中毒状態にあるかが際立ちます。
チヒョクは、一体なぜ、あの輝かしい過去を失ってしまったのか。彼が母親のいない寝室で見たものとは何だったのか。物語の全ての謎が集約される、運命の夜の幕が上がろうとしています。
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