【人間関係アディクション】45話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第45話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第44話では、チヒョクの不安定な家庭環境と、彼が抱える母親との歪んだ関係性が描かれ、物語は不穏な空気の中で幕を閉じました。そして第45話、ついに彼の運命を決定づける「あの夜」の出来事が明かされます。偽りの平穏と、その裏で交わされる密会。少年の心を打ち砕いた残酷な真実と、彼に突きつけられた究極の選択。今回は、チヒョクという人間の根幹を揺るがした、悲劇の核心に迫ります。

過去編―運命を変えた夜

暗闇の中の密会

物語は、過去の回想シーンの続きから始まります。真夜中に目を覚ましたチヒョクは、隣にいたはずの母親がいないことに気づきます 。トイレかと思い、ベッドを出た彼が耳にしたのは、玄関の方から聞こえる囁き声でした

暗闇の中、ドアの隙間からそっと様子をうかがうチヒョク 。そこにいたのは、誰か見知らぬ相手と小声で話す母親の姿でした。相手の姿は見えず、会話の内容も断片的にしか聞こえません。しかし、チヒョクが部屋に戻るよう促された後、一人残された母親は溜まりに溜まった感情を爆発させます

「…歯がゆいわよ」「腹も立つしね…」 「ああ…もう!!!! 何するのよ!!!」 壁を殴りつけ、激しい怒りと苛立ちを露わにする母親。この家が、ただならぬ緊張感に支配されていることがひしひしと伝わってきます

偽りの朝と父の帰還

その翌朝、チヒョクの目に信じられない光景が飛び込んできます。彼を優しく起こしたのは、数日ぶりに帰ってきた、彼の父親でした 。顔には痛々しい傷跡が残っていますが、昨日までの険悪な雰囲気は嘘のようです

さらに、母親もまた「朝ご飯食べてから顔を洗いなさい!遅刻するわよ!」と、明るい声で朝の支度を促します 。まるで完璧な家族の朝を演じているかのような、二人の姿。チヒョクは、その光景に「本当に仲直りしたんだ!」と、子供らしい純粋な喜びを爆発させるのでした 。

車内で明かされた残酷な真実

父親が運転する車で、親子二人で学校へと向かう時間。チヒョクは、昨夜の母親の様子が気になり、父親に尋ねます。「昨日の夜中に帰ってきたんだよね?」。しかし、父親から返ってきたのは、チヒョクの世界を根底から覆す、あまりにも残酷な一言でした。

いや… 帰ってきたのは今朝だぞ…?

父親が今朝帰ってきたのなら、昨夜、母親が話していた相手は一体誰だったのか。

じゃあ夜中にお母さんは誰と話してたんだろ…

純粋な疑問が、少年チヒョクの心に消えない疑念の影を落とした瞬間でした。

「お父さんと暮らすか?」

両親の不和の原因が、狭い家で暮らすストレスのせいだと思い込んでいるチヒョク。彼は健気にも「もしそうなら引っ越しするまで僕が台所で寝るよ」と、自分が我慢すれば家族が元に戻るかもしれないと提案します

そんな息子の純粋な言葉に、父親は心を痛めたような表情を浮かべます。そして、ハンドルを握りしめ、まるで自分に言い聞かせるように、息子に究極の問いを投げかけるのでした。

お前… お父さんと暮らすか?

それは、もはや家族が元には戻れないことを宣告する、あまりにも重く、悲しい問いかけでした。

現在―サンジンが下す決断の時

繰り返される「別れるべき」という言葉

場面は再び、現在の教室へと戻ります。ダナの脳裏には、以前クラスメイトの男子に言われた、あの言葉が響きます。

アイツのそういう面を受け入れられるほど好きじゃないんなら別れるべきだろ!

相手の全てを受け入れる覚悟がないのなら、別れるべき。このシンプルな真理が、ダナの心を強く揺さぶり、彼女に何らかの決断を迫っているようでした。

まとめ【人間関係アディクション】45話を読んだ感想(ネタバレあり)

第45話は、チヒョクのトラウマの根源が、母親の裏切りにあったことを明らかにする、息をのむような回でした。これまで断片的に示唆されてきた家庭の不和が、子供の視点を通して生々しく描かれることで、その悲劇性に胸が締め付けられました。

特に印象的だったのは、偽りの平和を演じる両親の姿と、その嘘が剥がれ落ちる車内での会話です。仲直りしたと信じて疑わなかった父親から「帰ってきたのは今朝だ」と告げられた時の、チヒョクの絶望は計り知れません。子供心に家族を守ろうと「僕が台所で寝るよ」とまで言った彼の健気さが、この悲劇をより一層際立たせていました。

そして、父親が最後に問いかけた「お父さんと暮らすか?」という一言。これは、チヒョクの子供時代に終わりを告げた、運命の言葉だったのでしょう。愛情を注いでくれるが嘘つきで不安定な母親と、暴力的かもしれないが真実を告げた父親。この究極の選択を迫られたことが、彼の心を決定的に壊してしまったのかもしれません。

また、現在パートで描かれるダナの悩みは、失ってしまった「選択の自由」を象徴しているようで、非常に考えさせられました。彼女にはまだ「別れる」という道がある。しかし、チヒョクは、自らの意志とは無関係に、家族という最も根源的な人間関係の崩壊に巻き込まれてしまったのです。この物語の深淵を覗き込んだような、重く、そして忘れられない回でした。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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