【人間関係アディクション】53話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第53話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第52話では、主人公のダナが、恐怖と巧みな言葉で学級委員のアラムを支配し、彼女からお金を奪い取るという、決定的な一線を越える姿が描かれました。一方で、ダナの知らないところでは、恋人であるホヨンがライバルのボミと密かに連絡を取り合うという、裏切りの影が忍び寄っていました。

第53話では、ダナが奪った金銭をめぐり、カースト上位グループの残酷なルールと、ダナ自身の中に芽生えた複雑な感情が描かれます。さらに、ホヨンとボミの衝撃的な関係、そして被害者チヒョクの不気味な回復ぶりが明らかになる、見逃せない回です。

悪魔の囁きと、奪われた大金

救世主を演じるダナ

物語は、ダナが恐怖に震えるアラムを追い詰める場面から続きます。ダナは「私がうまく話をつけるから」「とりあえずお金を全部渡しなさい」と、自分がアラムを助けるかのような口ぶりで、彼女が持つ全てのお金を要求します 。そして、「これ以上長びいたらもっと大変なことになるわ」と、アラムの恐怖心をさらに煽り、決断を迫りました

抵抗することを諦めたアラムは、涙をこらえながら、母親から預かったお金が入った封筒をダナに差し出します 。ダナは、その封筒を受け取ると、中に予想以上の大金(二十万ウォン)が入っていることに驚きを隠せません

仲間への報告と、残酷な忠告

ダナは、アラムからお金を奪うことに成功すると、待っていたランとスギョンの元へ駆け寄り、「お金あったわよ!」と得意げに報告します 。二十万ウォンという金額に、スギョンは「最高じゃん!」と歓喜の声を上げました

ダナは、うずくまるアラムに「お母さんには…なくしたと言っときなさい」と、冷たく言い放ちます 。自分の保身のため、そして新たな支配関係を確立するため、彼女はアラムに嘘をつくことまでも強要するのでした。

ランの「ルール」と、ダナの二つの顔

残虐なまでの「確認作業」

ランは、奪った二十万ウォンのうち、自分とスギョンで五万ウォンずつ分け合うと決めます。そして、残りの多額のお金をダナに渡し、「よくやった」と、彼女の「手柄」を称えました

しかし、彼女たちの非道な行いはそれだけでは終わりません。仲間たちがその場を去ろうとした時、ランはアラムの元へと戻り、「立てよ」と命じます 。ランはアラムの体を調べ、本当にこれ以上お金を持っていないかを確認します 。これは、金銭目的というよりも、彼女の定めたルールを破っていないかを確認するための、儀式のようでした。そして、ランはアラムに、彼女の行動原理を示す、恐ろしい言葉を告げます。

「だけどなんで最初にウソをついたんだ?私はウソつきが一番嫌いなんだよ」

「今日はこれで許してやるけど…今度からは気をつけろよ」

加害者の見せる、ほんのわずかな良心

ランたちが去った後、一人残されたアラム。彼女が絶望に打ちひしがれていると、そこにダナが戻ってきます 。そして、彼女は驚くべき行動に出ました。ダナはアラムの手を取ると、先ほど奪ったお金の一部を、彼女の手にそっと握らせたのです

ダナは「シーッ」「バレないように早く隠して」と小声で言うと、「ゴメンね」と一言謝罪し、走り去っていきます 。この行動は、ダナの中にまだ、ほんのわずかな良心が残っていることの証なのでしょうか。それとも、アラムを支配下に置くための、新たな一手なのでしょうか。

電車での密会、ホヨンとボミの危険な関係

場面は変わり、電車の中。そこには、なんとホヨンと、つい最近までダナと壮絶な対立を繰り広げていたはずのボミの姿がありました 。この事実は、彼らの間にダナが知らない、水面下での繋がりがあることを示唆しています。

ボミは、ホヨンが携帯で誰かと連絡を取っているのを見て、「誰と連絡してるの?」と尋ねます 。ホヨンが「彼女」と答え、それがダナであることを認めると、ボミは衝撃的な事実を口にしました

「…私を呼んだから別れたのかと思って」

ホヨンは、ダナに隠れてボミを呼び出していたのです。さらにボミは、自分がダナにした仕打ちについて、「ホヨン…私のこと怒ってないの?私がこの前あんたの彼女に…あんなことして…」と、彼の様子をうかがいます

驚くべきことに、ホヨンは「怒ってたよ」「でも今は怒ってない」と、ボミの暴力を水に流すかのような言葉を口にしました 。自分の恋人が受けた仕打ちを許すかのような彼の態度に、ボミは安堵の表情を浮かべ、「あんたが呼んでくれたら私はいつでも…」と、彼の肩に甘えるように寄りかかるのでした

被害者の「回復」と、隠された真実

物語の最後は、病院の場面で締めくくられます。医師は、暴行事件の被害者であるチヒョクが、驚くべき早さで回復しており、来週中には退院できるだろうと告げました

しかし、医師は彼の体の別の部分に懸念を抱いています。睡眠や発汗、手足のしびれといった症状から、甲状腺の異常を疑い、精密検査を勧めました 。ですが、チヒョクは「検査は必要ありません 大丈夫です」と、その提案をきっぱりと拒絶します 。彼はただ、一日も早い退院を望んでいるようでした。

まとめ【人間関係アディクション】53話を読んだ感想(ネタバレあり)

第53話は、ダナの人間性が持つ複雑な多面性と、主要な登場人物たちの裏の顔が次々と明かされる、息をのむような回でした。

今回最も心を揺さぶられたのは、やはりダナの行動です。彼女は、もはや単なる傍観者ではなく、自ら率先してアラムを心理的に追い詰め、金を奪い取るという、完全な加害者へと変貌してしまいました。しかし、その直後に見せた、お金の一部をこっそり返すという行動。これは、彼女の中に残る罪悪感の表れなのか、それとも「貸し」を作ることでアラムを黙らせ、支配をより強固にするための計算なのか。彼女の行動の真意が読めないからこそ、その心の闇の深さに底知れない恐ろしさを感じます。

そして、ホヨンとボミの関係にも驚かされました。ダナという恋人がいながら、平然と元恋敵であるボミを呼び出すホヨン。彼の行動は、ダナへの裏切り以外の何物でもありません。彼がダナに見せる優しさの裏で、一体何を考えているのか。完璧な王子様の仮面の下に隠された、彼の本当の顔が少しずつ明らかになり、物語のサスペンス性は一気に高まりました。

全ての登場人物が嘘と秘密を抱え、互いを欺き合う。この救いのない人間関係の連鎖は、どこへ向かっていくのでしょうか。物語は、破滅への歯車がさらに速く回り始めたことを感じさせます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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