【人間関係アディクション】54話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第54話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第53話では、主人公のダナが学級委員のアラムを脅して金を奪い、その一部を返すという二面性を見せました 。一方、恋人のホヨンはダナに隠れてボミと密会するという、衝撃の裏切りが発覚します

第54話は、読者の予想を裏切る巧みな構成で、登場人物たちの本質をえぐり出します。ダナの心の葛藤と、ホヨンの残酷さが交錯する、見逃せない回です。

恋人の不機嫌と、明かされるホヨンの本性

物語は、学校の売店で一人、憂鬱な表情でたたずむダナの姿から始まります 。友人のスギョンが「どうかした?」と尋ねても、ダナは「なんでもない…」と心を閉ざすばかりです

その様子に苛立ったのは、絶対的支配者のランでした。彼女は「さっさと言えよ イライラすんだろ」とダナを問い詰めます 。プレッシャーに負けたダナは、ホヨンが不機嫌なこと、そしてメッセージを読んでくれないことへの不安を打ち明けました 。彼女は、ホヨンの元カノであるランに「つきあってた時タバコのにおいでケンカしたことある?」と、見当違いな質問までしてしまいます

ランは、タバコの匂いなどホヨンは全く気にしなかったと一蹴します 。そして、ホヨンが不機嫌な本当の理由を、冷静に分析し始めました。

「アイツは自分の言うことに従わないとカッとなることがあるからな…」

ランは、ホヨンが「一緒に帰ろう」と誘ったのに、ダナが「タバコを吸ってから行く」と彼の意に沿わない行動をとったことが、彼のプライドを傷つけ、怒らせた原因だと指摘します 。スギョンも「ホヨンってそういうとこあるのよね」と同意し、ランは彼の短気な性格が原因で「コイツとつきあうのは無理だと思ったんだ」と、過去を振り返るのでした

支配される心、ダナの葛藤

ランたちの話から、ダナは自分が無意識にホヨンを怒らせてしまったのだと悟ります 。これまで、ただ流されるままに行動してきた彼女は、彼の自己中心的な性格を全く理解していませんでした

ダナは、後で直接謝ろうと考えますが、その心の中では新たな葛藤が芽生えます

「…謝る?私が何か間違ったことした?」

「じゃあこれからもずっとホヨンの機嫌を取るために言われたことを全部しなきゃいけないの?」

自立したいという思いと、彼に嫌われたくないという恐怖 。ダナの心は、二つの感情の間で激しく揺れ動きます。

冗談か本気か、ドンフンの不気味な要求

ダナたちが席を立とうとしたその時、そこにドンフンが現れます 。彼は、ダナたちが金欠だったはずなのに飲み物を買っていることを不審に思い、「お前らどこにそんな金があったんだ?」と尋ねました

スギョンは、ダナがアラムから二十万ウォンを奪い、それを山分けしたことを得意げに話します 。話を聞いたドンフンは、ダナの肩を掴むと、「俺にも五万ウォン分けてくんねぇ?」と、にこやかに、しかし有無を言わせぬ雰囲気で迫りました

ダナは、そのお金をすでにアラムに返してしまったため、持っていません 。

彼女は、ドンフンのこの馴れ馴れしい態度が、彼が誰かをいじめる時の常套手段であることを知っており、恐怖に支配されます 。「友達同士の冗談」と自分に言い聞かせようとしますが、「ドンフンが私からカツアゲなんかするわけがない…ないわよね?」と、拭えない疑念が彼女を襲うのでした 。

映画館での密会、そして残酷な一言

場面は一転し、ホヨンとボミが二人きりで映画館の席に座っている様子が描かれます。ボミは、ホヨンが自分のためにチケットを買ってくれたことに感謝しますが、ホヨンは「お前がチケット買ったんじゃないか」と冷静に返します。彼女は、ホヨンが観たい映画ではなかったかもしれないと気を遣いますが、彼は意に介しません。

そして、映画が始まる直前の暗闇の中、彼女はホヨンに、ずっと心に秘めていたであろう問いを投げかけるのでした。

「どうして彼女を置いて私を誘ったの?」

その問いに対するホヨンの答えは、あまりにもシンプルで、そして残酷なものでした。

「…気分転換だよ」

まとめ【人間関係アディクション】54話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第54話は、二つの場面を巧みに行き来することで、主人公ダナの置かれた状況の皮肉さと、ホヨンという人物の底知れない残酷さを浮き彫りにした、見事な構成の回でした。

一方で、ダナは「一軍」というグループの中で、自分の立ち位置を確立するために必死に苦しんでいます。恋人ホヨンの機嫌を損ねてしまったと知れば罪悪感を覚え、友人ドンフンから冗談とも本気ともつかない要求をされれば、恐怖に震える。彼女の精神は、常にこの歪んだ人間関係のルールに縛られ、すり減っていく一方です。

しかし、もう一方の場面では、そのダナの苦悩の原因であるホヨンが、彼女のライバルであるボミと平然とデートを重ねていました。そして、その理由を「気分転換」の一言で片付けてしまう。この言葉は、ダナへの裏切りであると同時に、ボミの想いをもてあそぶ、彼の極めて自己中心的で冷酷な人間性を表しています。

ダナは、ホヨンとの関係のために、必死で自分を殺し、この世界に適応しようとしています。しかし、その彼女の健気な想いも知らず、当の本人は裏で別の女性と会瀬を重ねている。このあまりにも悲しく、救いのないすれ違いが、今後の物語にどのような破滅をもたらすのか。登場人物たちの隠された顔が次々と暴かれ、物語はますます目が離せない領域へと足を踏み入れました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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