【人間関係アディクション】55話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第55話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第54話では、恋人であるホヨンの些細な言動にダナの心が揺れ動く一方で、そのホヨンがダナのライバルであるボミと映画館で密会しているという、衝撃的な裏切りが明らかになりました。

第55話は、場面が学校の売店に戻り、ダナたちがドンフンをやり込めるための、巧妙で残酷なゲームを始めます。しかし物語の後半、再び映画館の場面へと移り、今度はホヨンの隠された過去のトラウマが呼び覚まされる、息をのむような展開が待っています。

ドンフンへの「課題」、巧妙な心理ゲーム

仕掛けられたクイズ

物語は、ドンフンが「五万ウォン分の願いを聞いてやる」と宣言し、奇妙なダンスを始める場面から始まります。その滑稽な姿に、スギョンは「気持ち悪い…」と顔をしかめます。ダナも特にやらせたいことはなく、時間だけが過ぎていきました。

追い詰められたダナは、スギョンにある作戦を耳打ちします。それは、ドンフンに「絶対に答えられない質問」をして、答えられなければお金は渡さない、というルールのクイズゲームでした。単純なドンフンは、その提案を安易に受け入れます。さらにスギョンは、「正直に答えるってランに誓いなさい!」と、嘘をつくことを何よりも嫌うランの名前を出し、彼に心理的なプレッシャーをかけるのでした。

究極の質問探し

しかし、いざドンフンに絶対に答えられない質問を考える段になると、ダナたちは頭を悩ませます。恥ずかしい秘密を暴露させるような質問も考えますが、ダナにとってドンフンは、グループの中で最も気まずい相手。彼のプライベートに踏み込むことに、彼女はためらいを感じていました。

ドンフンの狂気と、ダナの決断

予想外の残虐な提案

しびれを切らしたドンフンは、彼女たちの発想力のなさをあざ笑うと、自らとんでもない「課題」を提案します。

「五万ウォンでアイツの後頭部を思い切り殴るっていうのは?」

彼が指さした「アイツ」とは、グループのメンバーが目の敵にしている担任教師のことでした。金を賭けて教師に暴力を振るうという、彼の常軌を逸した提案。スギョンですら「数万ウォンのために人生の難易度を上げるほど俺もバカじゃねぇ」と呆れるほどの、彼の狂気的な一面が垣間見えます。

ついに投げかけられる問い

このままではらちが明かないと判断したダナは、ついに意を決してドンフンに向き直り、「質問していい?」と、自らゲームの口火を切るのでした。

映画館の暗闇、呼び覚まされるホヨンの過去

スクリーンに映る惨劇

場面は一転し、ホヨンとボミがいる映画館の暗闇が映し出されます。スクリーンの中で、一人の少年が息を切らしながら階段を駆け上がり、屋上で何かを目撃して「ウソ!」と叫ぶ、緊迫したシーンが流れていました。 これは、二人が観ている映画の中の出来事です。

ボミは「うわぁ…!すごい…」とスクリーンに夢中ですが、隣に座るホヨンの様子がどこかおかしいことに気づきます。彼は寝ているわけではなく、食い入るようにスクリーンを見つめていました。

フラッシュバックする記憶

映画の中の少年が、何か見てはいけないものを見てしまい、恐怖に顔を歪ませる。その光景が引き金となり、ホヨンの脳裏に、過去の記憶が鮮明にフラッシュバックします。

物語のラスト、若き日のホヨンの姿が重なりました。映画のワンシーンが、彼の心の奥底に封印されていた、壮絶なトラウマを呼び覚ましてしまい彼の隠されていた過去が解き明かされそうな雰囲気のまま55話は終わりを迎えます。

まとめ【人間関係アディクション】55話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第55話は、前半の学園内でのパワーゲームと、後半のホヨンの心理描写という、二つの異なる軸で物語が進む、非常に密度の濃い回でした。

前半の売店でのやり取りは、このグループの日常に潜むカジュアルな悪意と、ダナの危うい立ち位置を巧みに描いています。ドンフンの「教師を殴る」という提案は、彼らの暴力に対する感覚が完全に麻痺していることを示しており、改めてその異常性を感じさせられました。

しかし、この話の真骨頂は、後半の映画館のシーンにあります。これまで、常に冷静で、他者を意のままに操る「完璧な王子様」として描かれてきたホヨン。そんな彼が、映画をきっかけに、初めて心の動揺を隠せなくなります。彼が過去に一体何を経験し、何を目撃したのか。その瞳に映る深い絶望は、彼のキャラクターに、これまでとは全く違う、悲劇的な深みを与えました。

ダナたちが繰り広げる、ちっぽけで残酷な日常。その裏で、ホヨンは一人、決して他人には見せない、巨大な過去のトラウマと向き合っていました。この物語で最も謎に包まれた人物であるホヨンの心の扉が、少しだけ開かれたような、今後の展開から目が離せない重要な転換点だったと思います。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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