【人間関係アディクション】57話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【人間関係アディクション】第57話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第56話は、物語の時間を中学生時代へと巻き戻し、ホヨンたちのクラスが「問題児隔離クラス」として編成されたこと、そして彼の「潔癖症」という異常な一面が描かれました。物語は、ホヨンが屋上で謎の倒れた人物を発見するという、不穏な場面で幕を閉じました。

第57話では、その人物の正体がついに明らかになります。そして、初日から始まる彼らの会話を通して、このグループ内の絶対的な力関係と、ホヨンの隠された伝説が語られる、回想編の核心に迫る回です。

屋上の眠れる獅子、ドンフンの登場

親友との再会

ホヨンが屋上で発見した人物、それは初日から学校をサボって昼寝をしていた、彼の親友ドンフンでした。気持ちよく寝ていたところを起こされたドンフンは、「死にてぇのか…」と悪態をつきますが、ホヨンは「じゃあ殺してみろよ」と、いつもの調子で軽くいなします。

ホヨンだと気づいたドンフンは「なんだお前だったのか」とすぐに剣呑な態度を軟化させました。このやり取りから、二人が気心の知れた、対等な関係であることがうかがえます。

「面白いヤツ」ランへの奇妙な執着

ホヨンは、スギョンをはじめとする「あの辺の連中」がドンフンを探していること、そして彼らが全員同じクラスになったことを伝えます。その話の中で、ドンフンは特にランが同じクラスであることに、妙な反応を見せました。「…アイツは?イ・ランだっけ?」と、わざわざ彼女の名前を確認し、何かを考えるように押し黙ります。

ホヨンに理由を問われると、ドンフンは「アイツ面白いじゃん?笑えるっつーかさ!」と、顔を少し赤らめて必死にごまかすような素振りを見せました。彼のこの態度は、ランという存在を特別に意識していることを、読者に強く印象付けます。

ドンフンの意外な一面と、隠された傲慢さ

ボクシングジムへの誘い

教室へ向かう道すがら、ドンフンは休みの間に背が伸びたことを自慢げに語ります。「食って寝てクソする以外は運動ばっかしてたからな」と、彼がボクシングに打ち込んでいたことが明かされました。そして彼は、ホヨンに「お前もうちのジムに入るか?」と、純粋な好意から仲間を気遣うような、意外な一面を見せます。

唾吐き事件と、冷徹な視線

屋上を去ろうとする間際、「その前に…」と言ってドンフンが吐いた唾が、偶然通りかかった男子生徒にかかってしまいます。

その下劣な姿を見たホヨンは、ドンフンの背中に向かって腕を伸ばし、肩をポンと叩いて「当たったみたいだな」と労いの言葉をかけます。ただ、その時の演出が一瞬、まるで屋上から突き落としてしまうかのような不穏な雰囲気を纏っていたのは気のせいでしょうか。

共有される価値観?ホヨンの冷徹な内面

教室への帰還と、ホヨンの本音

屋上から教室へと戻ってきたドンフンとホヨン。スギョンは、休みの間にすっかり背が伸びたドンフンに驚きの声を上げます。しかし、和やかな雰囲気とは裏腹に、ホヨンの内面では、クラスメイトたちに対する冷徹な評価が下されていました。

彼の目に映るクラスメイトたちは、財力、容姿、ケンカの強さ、そのどれもが欠けた、価値のない「ゴミども」「虫けら」に過ぎません。彼は、自分がなぜこんな人間たちと同じクラスで過ごさなければならないのか理解できず、心の中で強い苛立ちと侮蔑を抱いていました。

このホヨンの独白は、彼が持つ特有の選民思想を明らかにします。

彼が認める「マシな」人間はごくわずか。ドンフンは例外として、ランやスギョンですら、それぞれ「ランぐらいならまだしも」「まあギリギリかな」という評価であり、他には、一組「パン・ジヒョクとイ・ジョンホ」三組「シン・ソンジュ」五組の「ナム・ボミ」。マシなのはこれくらいで、あとはケンカのそこそこ強い「チェ・ヒョクス」がその枠に入るというもの。

彼がいかに歪んだエリート意識を持っているかがうかがえます。

新たな抗争の予兆

そんな中、一人の男子生徒が、他校の生徒である「キム・ヒョンシク」の話題を口にします。そいつが自分たちの学校の生徒に無差別に暴力を振るっているという情報をドンソンに伝えたのです。仲間がやられたことに強い怒りを覚えたドンフンは、「今日の午後殺しに行こうぜ」と、即座に報復を提案しました。

しかし、ホヨンはその誘いを「お前らだけで行けよ 面倒くさい」と、全く興味を示さずに一蹴します。彼にとって、やられた仲間たちですら「ゴミども」であり、彼らのために自分が動く価値はないのです。

ホヨンのあまりに冷たい態度に、ドンフンは「なんでだよ!お前がいねぇと始まんねぇだろ!」「無理だよ!負けちまう!」と、必死に食い下がります。このやり取りは、このグループにおける絶対的な力の序列、すなわちホヨンがいなければ、ドンフンたちだけでは他校の不良グループに勝てないという事実を、初めて明確に示すものでした。

明かされる力関係と、新たな抗争の予兆

最強の男「イ・ホヨン」の絶対的な序列

一人の生徒によると、この学校のケンカの強さの序列は、一位がホヨンで、二位がドンフン。それは、二年生の時に、ホヨンが当時誰もが恐れていた三年生の先輩「ジェソプ」を、たった一人で倒したという、有名な伝説に基づいているようです。

ドンフン自身も、ホヨンが自分より強いと認めている。この事実が、ドンフンがなぜホヨンにそこまで固執するのか、という疑問への答えでした。彼らの関係は、単なる友情だけでなく、絶対的な力の序列によって成り立っていたのです。

まとめ【人間関係アディクション】57話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第57話は、物語の時間を中学時代に戻すことで、これまで当たり前だと思っていた登場人物たちの関係性が、どのようにして形成されたのかを解き明かす、非常に興味深い回でした。「問題児隔離クラス」という設定は、なぜこれほどまでに濃いキャラクターたちが常に同じ空間にいるのか、という疑問に説得力のある答えを与えてくれます。

しかし、この話で最も衝撃的だったのは、ホヨンの内面が深く掘り下げられたことでしょう。彼の目に映るクラスメイトたちは、ほとんどが価値のない「ゴミども」「虫けら」であり、友人であるはずのスギョンやランですら「ギリギリかな」「まだしも」という評価。この冷徹なまでの選民思想は、彼の完璧な外面がいかに作られたものであるかを感じさせます。前話で示唆された過去のトラウマが、彼の歪んだエリート意識や、他人との間に壁を作る性格に、深く関わっていることは間違いありません。

一方で、ドンフンのキャラクターにも新たな一面が加わりました。ただの暴力的な人物かと思いきや、ホヨンをボクシングに誘う仲間思いな部分や、ランに対して見せるぎこちない態度など、彼の人間味あふれる部分が描かれています。

そして、この回で決定的に明かされたのが、グループ内における絶対的な力の序列です。ホヨンが最強であり、ドンフンがその二番手であるという事実は、有名な「ジェソプ事件」と共に、生徒たちの間で伝説として語り継がれていました。彼らの関係が、単なる友情だけでなく、圧倒的な「力」によって成り立っていることが、今後の物語に大きな意味を持ってくるでしょう。

過去を解き明かすはずの回想編が、かえって新たな謎と、登場人物たちの底知れない闇を浮き彫りにする。非常に巧みな構成に、今後の展開への期待がますます高まります。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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