【みんな、ボドになった。】20話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【みんな、ボドになった。】第20話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、物語の引き金となった「不要品」ファイルを最初に見つけたのは、妹の実里(みさと)だったという衝撃の事実が明かされました。第20話では、その発見がどのような連鎖を引き起こしたのか、そして清太郎(せいたろう)の死に隠された、あまりにも悲しい真相が語られます。
妹を救った、仲間たちの連携プレー
幸信の決断と手引き
物語は、実里が幸信(ゆきのぶ)にファイルを見せる回想シーンから始まります 。姉の身を案じる実里に、幸信は「何も聞かず俺の言う通りにしてほしい」と告げ、彼女を村から逃がす計画を立てます 。彼は村の上層部に「またあの家の娘が掟に背いた」と偽の情報を流し、事が大きくなる前に警察の介入を防ぎました 。沙織の妹を救ったのは、敵意を向けているように見えた幸信だったのです 。
清太郎、最後の「任務」
しかし、協力者は幸信だけではありませんでした。彼と連携していたのは、村の外にいた本物の清太郎。彼は幸信からの連絡を受け、実里の逃亡を手助けし、証拠となるファイルを安全な場所で保管していたのです 。清太郎は幸信に「できればもう一度みんなに会いたい」と本音を漏らしつつも、万が一に備え、親友であるウィリアムに後を託していました 。彼の最後の願いは、ただ一つ。「お願いだ 今年ですべてを終わらせてくれ」 。
清太郎の死、その真相に潜む闇
「もし僕の身に何か起きたら」―違和感のある言葉
清太郎の悲しい覚悟を知り、沙織は涙します。しかし、彼女は清太郎が遺したメッセージの中に、奇妙な違和感を見つけ出します 。
「もし僕の身に 何か起きたら」…って
自ら死を選ぼうとする人間の言葉にしては、あまりにも受け身すぎるのではないか 。「まるで誰かに…」と沙織が言いかけた時、百一(もいち)が村の最もおぞましい闇について語り始めます。
家族に「殺された」親友
清太郎の一家は、彼の引きこもりを見かねた村から、移住を勧められていました 。しかし、その条件は「二十四歳の夏には必ず祭りに参加すること」 。祭への参加を拒み続けた清太郎に、両親は恐怖したことでしょう 。この村では、しきたりを守れなければ、一家も終わりなのですから 。
祭りを欠席し、「不用品」のリストに載ることから免れる道はただひとつ 。
それは、参加対象から除外されること、つまり死ぬことでした 。
「殺されたの? 家族に………」
沙織の問いに、百一は「おそらく…」と頷きます 。清太郎は、家族に疑いがかからないよう自殺を装い、自ら家族に殺されることを選んだ。それが、百一の導き出した、あまりにも悲痛な結論でした。
「不要品」の“廃棄”―ボドの真の役目
沙織は、母がなぜあれほど必死だったのかを、今ようやく理解します 。この村では、祭から逃げ出せば“失敗”となり、失敗すれば“不用品”として扱われる 。そして、その後に待つのは…。
「“廃棄”だ」
百一は静かに、しかしはっきりと告げます。祭りは、村中の「いらない物」を集めるための儀式 。そして、その「いらない物」を処理するために、毎年「処理係」が必要になる 。
「それが神様(ボド)」
「俺たちに与えられた 真の役目なんだ」
ボドになるとは、すなわち、村の掟に背いた「不用品」を、その手で「廃棄」する処刑人になること。それこそが、この祭りの真の姿だったのです。
まとめ【みんな、ボドになった。】20話を読んだ感想(ネタバレあり)
ただただ、言葉を失いました。第20話は、これまでの謎が一気に収束し、物語の全貌が明らかになる、あまりにも悲しく、そしておぞましい回でした。本作が単なるホラーではなく、人間の愛と狂気を描く、深い悲劇であったことを痛感させられます。
特に、清太郎の死の真相には胸が張り裂ける思いでした。彼は、仲間を想い、未来を託し、そして家族を救うために、自らの命を差し出したのです。彼の行動は、この物語における最大の英雄的行為と言っても過言ではありません。そんな彼の優しさが、最も残酷な形で踏みにじられてしまう村のシステムに、言いようのない怒りを感じました。
また、清太郎の両親が彼を手にかけたという推測も、非常に考えさせられるものでした。それは紛れもない殺人ですが、彼らをそうさせたのは、一家全員が「不用品」として「廃棄」されることへの恐怖。異常な状況が、親の愛情すらも歪めてしまう。このやるせない悲劇の連鎖こそが、この村の呪いそのものなのでしょう。
そして、ついに明かされた「ボドの真の役目」。人間が人間を「不用品」として「廃棄」する処刑人になる。タイトルである「みんな、ボドになった。」の意味が、最も恐ろしい形で明らかになりました。これはもう、生き残れるかどうかのサバイバルではありません。人の心を失わずに、この狂った連鎖を断ち切ることができるのか。沙織たちの魂の在り方が問われる、本当の戦いがここから始まるのだと感じました。
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