【人間関係アディクション】67話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

【人間関係アディクション】第67話をネタバレありで簡単に解説する
前回の第66話では、ホヨンが親友であるドンフンを完全な支配下に置くため、ギョンムンをその手で殺害し、事件の真相を闇に葬るという、あまりにも衝撃的な過去が明らかになりました。
第67話は、その事件から時が流れた後の「現在」を舞台に、ホヨンが築き上げた偽りの日常と、その裏で渦巻く登場人物たちの複雑な思惑、そして決して消えることのない罪の記憶が描かれる、息の詰まるような回です。
事件の余波、無責任な日常
飛び交う噂と残酷な憶測
物語は、ギョンムンの転落事件について、二人の女子生徒が噂話をしている場面から始まります。「昨日の夜 三組の男子が屋上から落ちたんだって」 「不良グループにいじめられてたんだってさ」 と、彼女たちの間では、事件は「いじめを苦にした自殺未遂」として広まっていました。
さらに、ギョンムンが死んではおらず意識不明の状態だと聞くと、一人の生徒は「ある意味 死んだほうがまだましかも…」「息をしてるだけで…そっちのほうが残酷じゃない?」と、無責任で残酷な言葉を口にします 。他人の不幸をゴシップとして消費する、歪んだ日常がそこにありました。
ドンフンの苛立ち
その時、彼女たちの横を、苛立った表情のドンフンが通り過ぎます。彼は女子生徒と肩がぶつかると、「クソが…」と吐き捨て、彼女を睨みつけました 。ギョンムンの事件以来、彼の心もまた、見えない棘に苛まれているようでした。
支配者の憂鬱、ホヨンの内面
場面は変わり、教室で一人ペンを握るホヨンの姿が描かれます。彼の心の中には、ギョンムンへの冷たい侮蔑の言葉が渦巻いていました。「ゴキブリ並みにしぶといヤツ…」 、「あそこまでしても死なないとはな」 。しかし、ギョンムンが意識不明で「何も話せない以上 死んだのと同じ…」と判断した彼は、動揺を見せることなく、自らが立てた計画を遂行することを改めて決意します 。
彼の目的はただ一つ、「誰が上なのか・・・はっきりさせてやるよ」 。ドンフンに対する絶対的な優位性を、学校という社会の中で確立することでした。
完璧な仮面、忠実な番犬
作り上げられたイメージ
ギョンムンの事件から一ヶ月。ホヨンの計画は、完璧に進行していました。彼は、周囲から「不良たちとつるむほど強いが、悪いことは特にせず、誰にでもやさしいまじめな生徒」という、理想的なイメージを作り上げることに成功します 。
裏で動くドンフン
そして、その完璧なイメージの裏では、忠実な番犬となったドンフンが動いていました。ホヨンに反抗する生徒が現れると、ホヨン自身が手を下すまでもなく、ドンフンが代わりに制裁を加える。この新しい支配の構図によって、ホヨンは誰からも慕われるリーダーとしての地位を盤石なものにしていったのです 。
しかし、絶対的な支配者として君臨する一方で、彼の心からドンフンへの劣等感が完全に消えることはありませんでした 。
嫉妬と憶測:一枚の写真が揺るがす友人関係
SNSに投下された爆弾
ボミが友人と共にスマートフォンを覗き込んでいる場面から始まります 。彼女たちの目に飛び込んできたのは、ホヨンと、カースト最上位のランが親密な様子で写っている写真でした 。まるで恋人同士のようなその一枚に、スギョンは「ちょっとこれ見てよ」と、野次の入り混じった声を上げます 。
噂されるホヨンの変化とボミの嫉妬
この一枚の写真は、すぐに友人たちの格好のゴシップとなります。「ランったら・・・ホヨンのこと超嫌いって言ってたのに」と、誰もが二人の関係を意外に感じていました 。
友人たちの会話は、次第にホヨン自身の変化へと移っていきます。かつては「チビ」と揶揄されることもあった彼ですが、今では見違えるように背が伸び、体格も良く、元々整っていた顔立ちも相まって、学校の人気者としての地位を確立していました 。さらに、性格も以前より優しくなり、どこか余裕が感じられるようになったと噂されています 。
友人が「けっこうカッコいいわよ ボミの好きなタイプじゃない?」と水を向けても、ボミは「ふーん…」と、興味がなさそうな返事しかできません 。この時の彼女は、まだ彼の魅力に気づいていないのでしょう。
苛立つドンフンと甘いホヨン
この噂話の輪の中に、ドンフンもいました。友人から「親友なんだから気づいてたんでしょ?」と、ホヨンとランの関係について話を振られますが、彼は不機嫌そうにそれを否定します 。皆が恋バナに花を咲かせる中、一人だけつまらなそうなドンフン。彼が抱える複雑な感情が、その態度に表れていました。
しかし、この険悪な雰囲気とは対照的に、ホヨンは、恋人であるにランに完璧な優しさを見せています。カフェで二人きりの時間を過ごす中で、彼はランを愛おしそうに見つめ、「きれいだなと思ってさ」と、甘い言葉を囁くのです 。この姿は、彼が周囲に見せている「完璧な王子様」の仮面が、いかに巧みに作られているかを物語っています。
日常に溶け込む悲劇の影
場面は変わってホヨンがドンフンたちと共に歩くシーンに戻ります。スギョンが、背が伸びたホヨンを「ドンフンと同じ薬でも飲んだの?」とからかいます 。そんな何気ない下校する道すがら、ホヨンは通りの向こうに立つ、見慣れた人影を認識します。彼の心に浮かんだのは「…今日もいるな」という、苛立ちと侮蔑が入り混じった一言でした。
その人影は、息子の事件の真相究明を訴え続ける、ギョンムンの母親です。
通りかかる人たちは「あのおばさんもよくやるわね…」「もう誰も興味ないってのにさ」と、彼女の必死の訴えを、まるで路傍の石のように、無価値なものとして見下していました。
ホヨンは自分の犯した罪の生き証人とも言える存在に対し、彼は罪悪感のかけらも見せず、ただ邪魔なものとして認識しているのです。
母親の孤独な戦い
その母親が掲げるプラカードには、悲痛な叫びが記されていました。
「真相の究明を!」「私の息子パク・ギョンムンは自殺未遂をしたのではなく校内暴力の被害者なのです」
彼女は、学校や警察がまともな調査をしてくれなかったこと、そして息子が意識不明の重体であることを訴え、事件の真相究明への協力を必死に呼びかけていました 。学校という閉鎖された社会の中で、たった一人、巨大な権力と無関心に立ち向かう彼女の姿は、この物語の根底に流れる理不尽さと、被害者が背負う孤独を象徴しています。
完璧な偽善者、ホヨンの恐ろしさ
やがて、ギョンムンの母親はホヨンの存在に気づき、彼の前に立ちはだかります。自らが殺めた被害者の母親との、予期せぬ対峙。しかし、ホヨンの表情に動揺の色は一切ありません。彼は、完璧な「心優しい優等生」の仮面を被り、彼女にこう声をかけます。
「がんばってください」
そして、その場を立ち去り際に、彼はとどめの一言を口にするのです。
「ギョンムンが…早く目を覚ますといいですね」
その言葉は、あまりにも残酷で、彼の人間性が完全に欠如していることを証明していました。息子の命を奪った張本人が、その母親の目の前で、息子の回復を願う言葉を平然と口にする。この瞬間、ホヨンは単なる策略家ではなく、人の心を持たない、本当の意味での「怪物」であることが読者に強く印象付けられます。彼の完璧な仮面の下で、罪悪感という感情は、もはや完全に死んでしまっているのです。
まとめ【人間関係アディクション】67話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回の第67話は、ホヨンというキャラクターの恐ろしさが、新たな次元に達した回でした。彼が事件後に築き上げた「完璧なイメージ」と、その裏で忠実な番犬としてドンフンを操る冷徹な支配者の顔。この二面性のギャップには、ただただ戦慄するしかありません。
特に、物語のラストで描かれた、ギョンムンの母親との対峙シーンは圧巻でした。自らが手を下した被害者の母親に対し、一切の罪悪感を見せることなく、心にもない同情の言葉をかける彼の姿。その姿は、彼がもはや常人の倫理観や共感能力を完全に失った、サイコパス的な領域に足を踏み入れていることを示唆しています。彼の行動原理は、友情でも愛情でもなく、ただ自らの優位性を保ち、他者を支配するという、歪んだ「アディクション」そのものなのです。
この物語は、単なる不良たちの抗争劇から、計算され尽くした知能犯が引き起こす、高度な心理サスペンスへと完全にその姿を変えました。ホヨンの完璧な仮面は、いつ、誰によって剥がされるのでしょうか。そして、その時、一体どのような地獄が待ち受けているのか。今後の展開から、ますます目が離せません。
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