2025.07.12

【人間関係アディクション】70話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説！

ずっちー

Contents

【人間関係アディクション】第70話をネタバレありで簡単に解説する
まとめ【人間関係アディクション】70話を読んだ感想（ネタバレあり）

【人間関係アディクション】第70話をネタバレありで簡単に解説する

前回の第69話では、ホヨンが因縁の相手であるヒョンシクを挑発し、さびれた地下商店街の罠へと誘い込む、緊迫した場面で幕を閉じました。

第70話は、その罠の中で繰り広げられる二人の決闘と、これまでただの乱暴な不良にしか見えなかったヒョンシクが、なぜこれほどまでに暴力に固執するのか、その悲しく壮絶な過去が明らかになる、物語の核心に迫る回想編です。

追い詰められるダナ、非情なカツアゲ

物語は、ホヨンたちが地下商店街で対峙している、まさにその裏側の出来事から始まります。一人になったダナの元に、ドンフンとランが近づき、以前から約束していた「五万ウォン」を要求していました。「ダナが五万ウォン出してくれることになってんだよ」と、ドンフンは有無を言わさぬ態度で迫ります。

なすすべもなく、ダナはドンフンに背中を殴られ、屈辱と怒りに震えます。「マジでムカつく…」という彼女の心の声は、この世界の理不尽さへの悲痛な叫びでした。

地下商店街の決闘、力の論理

場面は、ホヨンとヒョンシクが対峙する地下商店街へ。ホヨンは、そこに置かれていたバットを一度は手に取りますが、「重すぎるな」と、あえてそれを手放します。彼は、素手でヒョンシクを叩きのめすことを選んだのです。

ヒョンシクは、ホヨンの隙をついて背後から不意打ちを仕掛けますが、ホヨンは冷静にそれをかわします。そして、「相変わらずだな」「何も変わってないじゃないか…ゴミ野郎め」と、言葉でヒョンシクのプライドを切り刻んでいくのでした。

守れなかった妹、悲劇の始まり

ホヨンとの戦いの最中、ヒョンシクの脳裏に、彼の人生を決定づけた過去の記憶が蘇ります。彼には、サンミという名の、足に障がいを持つ優しい妹がいました。しかし、彼女は中学校に入ってから、その障がいを理由に、陰湿ないじめの標的となってしまったのです。

ある日、ヒョンシクは、妹の背中に貼られたおびただしい数の付箋に気づきます。そこには、「殴ってください」「足がくせえな」「私は亀です」といった、人の尊厳を根底から踏みにじる、あまりにも残酷な言葉が記されていました。この衝撃的な光景が、彼の心を破壊し、復讐の道へと駆り立てる引き金となったのです。

暴力の連鎖、歪んだ正義

妹をいじめていた不良グループに、ヒョンシクは一人で立ち向かいます。「サンミをこれ以上いじめるな！」と叫ぶ彼に対し、不良たちは「人違いじゃないですか〜？」と嘲笑し、全く話になりません。

彼は、この時、学校という社会が「力の論理で動いていた」「力がなければ発言権はない」という、残酷な掟に支配されていることを痛感します。そして、彼は決意しました。「それならその論理を逆に利用してやろうと俺は決心した」。大切な妹を守るため、彼自身が「力」を手に入れ、暴力を振るうことを選んだのです。

暴力の果てに見たもの

彼はキックボクシングを始め、その才能を開花させます。やがて、彼が強くなるにつれて、あれほど彼らを嘲笑っていた不良たちの方からすり寄ってくるようになり、妹へのいじめも、嘘のように無くなりました。

しかし、その代償は大きなものでした。彼は、自らが嫌悪していたはずの「暴力の論理」に染まり、意味のない抗争に明け暮れる日々を送ることになります。「俺や妹が被害に遭うことはなかったから…」という彼の言葉は、彼が正義のために振るい始めたはずの暴力が、いつしか彼自身をも蝕んでいたという、悲しい現実を物語っています。

まとめ【人間関係アディクション】70話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回の第70話は、ヒョンシクというキャラクターの背景が明らかになったことで、物語に一層の深みと悲劇性が加わった、非常に胸を打つ回でした。これまで、彼を単なる暴力的な敵役としか見ていませんでしたが、その行動の根源に、障がいを持つ最愛の妹を守りたいという、切実な想いがあったことを知り、彼の印象が180度変わりました。

彼の物語は、「正義」のための一つの選択が、いかに人を暴力の連鎖へと引きずり込んでしまうかという、この作品の重いテーマを象徴しているように感じます。彼もまた、妹との「人間関係」を守るために、暴力という手段に「アディクション（中毒）」になってしまった、もう一人の被害者なのかもしれません。

ホヨンとヒョンシク。一見すると、冷徹な支配者と、単細胞な暴力の信奉者のように見えます。しかし、その内側には、それぞれが守りたいもののために、歪んでしまった過去がありました。彼らの宿命の対決は、単なるケンカではなく、それぞれの正義と悲しみがぶつかり合う、壮絶なドラマへと発展していくことを予感させます。

◁前の記事はこちらから