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【みんな、ボドになった。】28話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【みんな、ボドになった。】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、黒幕である百一によって、沙織は自らが封印していた13年前の記憶と向き合うことを強要されました。第28話では、その惨劇の全貌、そして百一が突きつけた「父殺し」という罪の真相が、おぞましい回想シーンによって克明に描かれます。それは、まだ幼い少女が背負うにはあまりにも過酷な、罪と罰の物語でした。

13年前の地獄、父の断罪

「罪人」とされた父の叫び

沙織の記憶は、13年前のあの夜、公開処刑の現場へと引き戻されます。そこで「不要品」として袋詰めにされていたのは、紛れもなく彼女の父親でした。 彼は、村の所有物である土地や家を勝手に売り払い、村から逃げようとした「罪人」として、村人たちから一方的に断罪されていたのです。

自由になるための金もなく、理不尽な身分制度に縛られる日々に絶望した父は、「こんなくだらない村、出て行きたかったんだよ!」と、魂の叫びを上げます。

権力者たちの冷酷な素顔

その一部始終を、沙織たち子供は茂みの中から恐怖に震えながら目撃していました。しかし、物音に気づかれ、ついに村の大人たちに見つかってしまいます。 現れたのは、自治会長や駐在所の警官といった、普段は温厚な村の顔役たち。 しかし、彼らの顔にいつもの笑顔はなく、沙織たちを「厄介者」と見下す冷たい視線を向けるだけでした。

少女に課せられた、あまりにも残酷な選択

「正義の味方」という名の脅迫

仲間を守るため、一人で大人たちの前に進み出た沙織。 そんな彼女に、駐在警官は笑顔で近づくと、おぞましい言葉を囁きます。父親を「悪いやつ」と断じ、その処刑に加担させようとしたのです。

こいつをやっつければ 君も正義の味方だぞ!

それは、子供の純粋な正義感を悪用し、罪の意識を麻痺させようとする、極めて悪質な心理操作でした。

仲間を人質に取られた決断

沙織がためらうと、警官はさらに「でも君が失敗したら、友達に代わりをやってもらうよ」と、隠れている仲間たちを人質に取るという、非情な脅迫を行います。

私…ただ守りたかったの」。 沙織は、大切な仲間たちを救うため、そしてもう二度と友達ではいられなくなることを覚悟の上で、涙ながらに棍棒を握りしめるのでした。

蘇った罪の記憶と、歪んだ愛情の告白

「私が、殺した」

そして、沙織は自らの手で、実の父親に棍棒を振り下ろしてしまいました。 現代の沙織の脳裏に、「私が殺した」という、決して消えることのない罪の記憶が、おぞましい感触と共にはっきりと蘇ったのです。

「君は村のものなんだ」

全ての記憶を取り戻し、精神が崩壊しかける沙織。そんな彼女に、黒幕である百一は「ごめん」と謝罪の言葉を口にしますが、その瞳は氷のように冷たいままでした。 彼の真の目的は、沙織を壊してでも過去の罪を思い出させ、村という名の檻に永遠に縛り付けることだったのです。

君が村に帰って来て元どおりあるべき所に収まってくれればいい

彼の歪んだ独占欲が露わになったその時、窓の外から「動くな」という鋭い声が響きます。 そこには、銃を構えたウィリアムの姿がありました。

まとめ【みんな、ボドになった。】28話を読んだ感想(ネタバレあり)

息を呑むとはこのことか、と。あまりにも重く、悲惨な真実が、これでもかと描かれた回でした。読後はしばらく、その衝撃から立ち直れませんでした。特に、まだ小学生の沙織が、仲間を守るという一心で、自らの父親に手を下さなければならなかったシーンは、胸が張り裂ける思いでした。

村の大人たちの醜悪さが際立つ回でもありました。自治会長や警官といった、本来は地域や人々を守るべき立場の人間が、率先して子供に罪を犯させる。その構図は、この村の腐敗が、もはや手の施しようのないレベルにまで達していることを残酷なまでに物語っています。

「正義」という美名を使い、子供を巧みに洗脳して殺人者に仕立て上げる手口は、フィクションでありながら、現実の世界にも通じる普遍的な恐ろしさがあり、背筋が凍りました。沙織が背負わされた罪は、彼女一人のものではなく、この狂った村全体の罪なのだと強く感じます。

そして、全ての記憶が蘇った後の、百一の歪んだ愛情の告白。彼の行動原理が、沙織を「守る」ため、そして村というコミュニティに「収める」ためだったと考えると、彼の狂気はさらに根深いものに思えます。ラストのウィリアムの登場は、一筋の希望の光となるのか、それとも新たな悲劇の幕開けとなるのか。絶望の淵から、物語がどう動くのか、一瞬たりとも目が離せません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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